鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記<37>

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記(2012年9月10日〜11月6日) <37>
2012年10月18日「講演と演奏会」



今日はお昼の食事をしていると、お隣のロリーさんから電話をいただく。甥っ子さんがアメリカから来ているので、一緒にお茶を飲みたいのでお出でいただきたいとのことであった。食事をしたばかりであるが、お招きに与る。甥っ子さんはアメリカに住むこと34年とか。このたび所用で帰国し、ロリーさんの家に寄ったのである。このロリーさんとは先日外で出会っている。スミさんと買い物をして帰ってくるとき、すれ違った人が私たちを呼び止めた。振り返るとロリーさんだったので、再会を喜びあったのである。昨年滞在したときにも、私たちをお茶に招待してくれている。今日もしばらく歓談して、楽しいひとときを持つことが出来た。



お隣のロリーさんのお招きをいただき、楽しく歓談。


 さて、今日は羊子が学んだマーシャル音楽院に行く。そこで「モンポウの生涯とその音楽」と言うテーマで講演会が開かれる。今年はモンポウ没後25周年記念の年である。講演はジョアン・ヴィーヴェスさんと言う人であるが、その講演の中で羊子がモンポウの曲を弾くのである。マーシャル音楽院は毎年講演会を開いており、昨年はアルベニスについて、一昨年はショパンについての講演会を開いている。いずれもジョアンさんが講演するのであるが、羊子も毎回ピアノの演奏をしている。ジョアンさんは有名な音楽評論家であり、雑誌、ラジオ等で音楽の世界を紹介していると言う。今回はモンポウについての音楽についてお話したのであるが、羊子もモンポウの曲を学んでいる。聴衆は30人程度であるが、一流の音楽家ばかりであり、先生と言われる人たちの前でピアノを弾くのであるから、羊子も緊張したようである。私たちはと言えば、講師のお話は何一つ分からない。しかし、羊子がお話しに関わるピアノ曲を弾くので、1時間30分は長い時間とは思わなかった。最後に羊子がマーシャル音楽院から花束を贈られたとき、親としてもうれしく思った次第である。それと共に、羊子が2001年からこの音楽院でピアノを研鑽し、今日皆さんの前で演奏活動ができることを思うとき、羊子の懸命な努力と練習を示されたのであった。羊子が練習したと言う練習室やレッスン室も見せてもらう。少し、羊子とモンポウとのかかわりを紹介しておこう。羊子のホームページから抜粋しておく。



著名な音楽家たちの前で演奏する羊子。



講師からも演奏に対して感謝される。



講師のジョアン・ビーヴェスさんと羊子。



三人で記念写真。




 18歳で武蔵野音楽大学に入学し、ピアノ科卒業。2001、バルセロナに移りマーシャル音楽院に入門、この音楽院は、エンリケ・グラナドスが創立した名高い音楽院を後継して現在の名称に至っている。更にそれを引き継いだ、巨匠アリシア・デ・ラローチャ氏、またカルロタ ガリーガ氏に彼女は師事し、スペイン音楽とクラシック音楽のレパートリーを広げた他、ピアニストであり作曲家でもあったフェデリコ・モンポウの作品を、亡きモンポウ氏の夫人であるカルメン・ブラボ氏から学び得た。2004年にはこのマーシャル音楽院からスペイン音楽修士号を取得する。2005年、フランス国際音楽コンクール第2位、2006年国際音楽トーナメント名誉賞受賞。ソロ・ピアニストとして、バルセロナ・コンサート協会のオーケストラ、並びにバルセロナシュトラウス・オーケストラと共演。カタルーニャ音楽堂、ミラ邸(La Pedrera)、サラゴサ音楽堂、バレンシアトレント市、カンプロドン市、メノルカ島、モジェルサ市、カディス市、サラマンカ市、東京、神奈川など、スペイン、ウクライナ、日本において主要なコンサート活動を繰り広げている。2002年、スペイン国営ラジオが放送した、作曲家ハビエル・モンサルバーチェ氏の特別記念番組において氏の曲を演奏。同放送局の“ヨーロッパ・音楽の日”の番組でも、2004年と2005年に演奏している。鈴木羊子のコンサートはカタルーニァテレビ局(TV3)、並びにカディステレビ局(Isla TV)より放映されている。最近、スペインのコルムナムシカ社よりCD「Spanish Piano」を日本人初リリース。
この際、羊子の紹介までしてしまったが、バルセロナでピアノの演奏活動をしている羊子を改めて知るためである。今日の羊子になるために並大抵の苦労ではない。よくもここまで来たかと親として賞賛を惜しまない。今回は昨年ほど演奏会が開催されないが、並み居る著名な音楽家の前での演奏を聴くことができたことを喜び、感謝している。