「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記<35>
「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記(2012年9月10日〜11月6日) <35>
2012年10月15-16日「バルセロナの日常生活」
北の旅を終えてバルセロナに着いた時、午後11時30分頃であるが、なんとなく空気が暖かく感じた。北の町は寒かった。朝起きて長袖のシャツは着たがタイツははかなかった。北の町にいるほどの衣服は必要ない。さて、今日も朝は9時過ぎに起きて朝食をいただく。再びスミさんがご飯を炊き、味噌汁を作ってくれる。その後、スミさんと羊子が旅中の衣服の大洗濯をする。洗濯干し場については以前も記したが、屋上に干す場がある。このマンションの人々はあまり屋上には干さないので、ほとんど我々の洗濯物しか干していない。今日は良いお天気で、洗濯日和と言うわけである。その後、スミさんと羊子は所用で出かけていった。
屋上の洗濯干し場。
「日常生活とサグラダ・ファミリア」との題をつければ名作であると羊子が。
スミさんと羊子は午後2時頃に帰るので、少し前から昼食の準備をする。昨年、4月5月に来たときには、45日間で二回ほど私が焼きそばを作ったが、今回こちらに来てからは私が準備することはない。それで今日は腕をふるってスパゲッティーを作ることにした。しかし、食材があまりなかった。北の旅の前に、なるべく冷蔵庫にあるものを処理してしまっているからである。日本にいればスパゲッティーを茹でれば、ルー等があり簡単なのであるが、そういうものは羊子は買ってない。タマネギもないのでジャガイモ、ピーマン、ほうれん草の冷凍物等を煮込んで、何とか味付けをする。これでお昼の食事をしたわけであるが、お世辞にも美味しいといってくれたので安心する。
昼食を済ませると羊子は仕事で出かけていく。ピアノの出張レッスンである。私はパソコンで文書の整理や読書で過ごす。スミさんは漢字パズルをしたり、スペイン語の勉強をしたりしている。こんな風に過ごすことが多い。散歩に出ても、そんなに歩くことはなく、多くても1500歩くらいである。散歩に出たついでにカプラボスーパーで買い物をする。いろいろと買い物をする中で、上等と思われる肉を買う。帰ってから羊子が肉の買い物に驚いていた。23ユーロもしたからである。こんなに高い肉はほとんど買わないという。何の肉かも確認しないで買ってきたことも呆れている。豚肉かと思ったのである。実は「子羊の肉」であるそうだ。それも産まれたばかりの子羊であるということであった。昨年、訪れたとき、羊子がブルゴスの町で開かれたコンサートでピアノの演奏をするので私たちも一緒に行き、そこでこの子羊の肉を食べている。そのとき、羊子は何の肉かは言わなかった。言えば、かわいそうだと言うわけで食べないかも知れないからである。高い肉の値段で、羊子も普段はほとんど食べないという。間違えて買ってきたことで、久しぶりに美味しい肉料理を食べることになって喜んだのであるが。また、間違えて美味しいものを買おうか。
公園に設置されている水飲み場、手洗い所。
16日は火曜日になるが、この日の夕刻に六浦谷間の集会バルセロナ礼拝をささげる。11日から14日まで北の町の旅をし、土曜日、日曜日は旅行中であり、また月曜日も羊子の都合もあり、火曜日の16日にしたのである。聖書はマタイによる福音書6章31節から34節であり、「神の国」に生きる示しをいただいたのであった。礼拝が終わってから、初めて家族のスミさんや羊子の前でハーモニカを吹く。案外吹けるので、スミさんが感心している。家でも練習の意味で、いつも吹けばよいのにと言う。私にとってハーモニカは人前で吹いて聞かせるものではなく、自分の気晴らしで吹くので、練習なんかしなくても良いと思っているのである。
六浦谷間の集会バルセロナ礼拝。
バルセロナの日常生活はこんなものである。スペインに訪れているので、いつも見学しているのかといえば、そうではない。スペイン・バルセロナの日常生活をしているのである。今回北の町への旅をしたが、そんなにあちらこちら訪ね歩くわけではない。それでも今まで、シッチェスの町、モンセラットの教会、サンタコロマの街等を訪れているので、随分と見学していることになる。
そろそろ日本の生活習慣が懐かしくなってきている。残り三週間である。