鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記<34>

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記(2012年9月10日〜11月6日) <34>
2012年10月11-14日「北の町四日間の旅(3)」



 体が温かくなったので、活力が出てきたようだ。ホテルで着替えをしてから、山の方面にドライブする。この辺はキノコ狩りができ、多くの人が出かけてくるという。しかし、昨日は雨が降ったので、さすがに人出は少なかった。それでも山道にはところどころに車が止めてあり、キノコ狩りをしているようであった。しばらく山道を走ると教会がある。扉は閉められていて入ることはできなかった。教会の脇から下に降りる道がある。その道を降っていくと聖水の場がある。そこでマリアさんが発見されたとか。そこから湧き水が出ており、その水を飲むとどんな病気でも治り、また活力が出るとか。「ルルドの泉」と似ているようだ。そんなにありがたい水なので、我々も飲むことになる。その後、スミさんが元気に歩く姿を見ては、聖水の効力だと言うようになる。午後3時、昼食時になったので、エステル・ホテルの近くにある中華料理店「新世界酒家」に入る。どこに行っても中華料理屋さんがあるものだ。日本料理店は大きな都市でなければ見当たらない。マグドナルドやケンタッキーも結構見かけるが、やはり地方の町には無いようである。しかし、コカコーラはどこに行っても売られているようだ。ベルガの町でもコカコーラの店があり、店そのものがコカコーラであった。中華料理店は、こちらでは「つゆそば」なるものはない。本当は「五目つゆそば」のような「つゆラーメン」を食べたかったのだが。焼きそば、チャーハン、その他炒め物を食べた。その後、ベルガの町を散策、また山のほうにも出かけて散策した。



泉の聖水を飲む。どんな病も癒され、元気になるとか。


【北の旅第四日目】
朝食をいただいてからスミさんと散歩に出る。羊子はセルクスにある教会に友人と出席するために出かけている。我々はカトリック教会に出席しても言葉が分からないので出席しない。それでスミさんとぶらぶらと散歩に出たのであるが、羊子から電話があり、セルクスの教会はとてもきれいな教会なので、ぜひ来るようにと言うことであった。そのため友人が車で迎えに来てくれる。すでにミサが始まっている。羊子はミサの奏楽を引き受けている。初めての教会なのであるが。



セルクスにあるカトリック教会内部。



農具の形をした山を背景に。



山々の観光案内。



 ミサが終わり、ひとまずホテルに戻り、それからまた山の方面にドライブすることになった。かなり上まで来たとき、展望の良い場所で山々を眺める。農作業の鍬のような形をしているペドラフォルカと言う高い山があった。結構、この山を見に来る人がいるという。
 今日は羊子の友人のお母さんがコーラスに出演する。午後6時からであった。セルクスは1300人の人口であり、ベルガ市人口1万7000人の中にある。村のセンターで行われた。合唱団の名称は「恥しらず」であるとか。若い人もいるが、高齢者が多い。女性11名、男性5名のメンバーである。日本的に言えば民謡を歌うのである。地域の歌を歌うのであるが、持っているのは楽譜ではなく、歌詞だけである。何曲か歌い、指揮者の女性が歌う。その次は音楽に合わせて踊る。本人が歌っているように見せているが、振り付けだけである。それが次から次へと行われ、あまりにも長時間続くため、本当にもうやめてもらいたいと思うのであった。この村のお祭りのようなもので、5、60名の人たちが入場していた。
 ようやく終わり、これで帰れると思ったのであるが、友人が羊子について宣伝する。この村で唯一ピアノをもっている人の家で、羊子のピアノ演奏が行われることになる。合唱の皆さんがその家に移動し、羊子の演奏を聴くことになる。皆さん大変喜んでくれた。それから帰路につく。セルクスからベルガを通り、バルセロナまで1時間30分くらいである。家についたのは11時30分頃であった。
 四日間の北の旅が終わった。バルセロナは暖かいとは言えないが、寒くはない。アンプリアスの古代遺跡は大変参考になった。基礎の部分が残されているからである。そして、つい最近まで活躍したダリの作品を直に見ることができ、思い出多い旅になった。