鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記<22>

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記(2012年9月10日〜11月6日) <22>
2012年10月1日「教会の周囲を三回周り」




 早くも10月になり、バルセロナも秋の気配が漂っている。そうは言うものの、道ゆく人は、肌寒いというのに半そで、ノースリーブの人がいる。これらの人々は北欧の人たちで、寒い国から来ている人たちは、バルセロナはまだまだ暑いのである。
 午後からスミさんと買い物に行き、買い物が終わってからは私一人で散歩に出る。今までも散歩に出ようと思っていたが、なんとなく気が乗らなくて、出かけなかった。日本にいるときは一万歩をめざして散歩していたのである。今日はサグラダ・ファミリアの周囲を三周する。遠回りに一周するので、15分はかかる。三周で45分は要したのである。教会の周囲は人、人であり、教会から少しはなれた通りを歩いたのであった。日本人と思える人には行き会わなかった。それでも東洋人は結構見かけるのである。これからはもう少し遠回りに教会の周りを歩くことにしようと思う。久しぶりに散歩をしたので疲れが出る。2時間歩いてもなんとも無かったのに、たった45分しか歩かないのに疲れたなんて。やはり筋肉が衰えてしまったようだ。明日からはなるべく多く歩くことにしよう。




バルセロナの黄色いポスト。
背景にサグラダ・ファミリアが。



サグラダ・ファミリア「聖誕の門」側に土産物屋露天商が並ぶ。
10月1日になっているが半袖姿が目立つ。



羊子のマンションのすぐ下に観光バスの停留所がある。



 一休みしてからパソコンに向かう。こちらに来て、時間があるときに作業をするものを持ってきている。説教の整理である。2010年3月に大塚平安教会が退任記念として説教集「最初の朝餐」を発行してくださった。説教については2007年9月30日から、その日の説教を翌週の礼拝には配布するようになった。以後、今日まで続けている。「最初の朝餐」は2008年中の説教をまとめたものである。せっかく語られた説教が原稿として残されているので、何とかまとめたいと思うようになり、今年の2012年5月21日に「スミさんの洗礼51周年記念」として、説教集第二集「主の導きに委ねつつ」を発行する。第二集には2007年9月から12月までの説教と、2009年1月から3月までの26篇を収録している。その後の説教集も出したいのである。バルセロナに来て編集しているのは第三集「新しい命」である。これは2009年4月から9月までの24篇の説教集である。さらに第四集「時の到来」を編集している。これは2009年10月から2010年3月までの説教集である。この説教集を発行することにより、大塚平安教会時代の説教は終わりとなる。その後は横浜本牧教会時代、横須賀上町教会における説教、三崎教会における説教を発行したいと願っている。
 説教集を発行しても、皆さんはなかなか読まないものである。もちろん、少しずつ読んでくださっている方がおられるが、一、二の説教を読むくらいである。それは私自身の姿でもある。友人から説教集をいただいても、一つ、二つの説教を読む程度である。書棚には立派な牧師の説教全集が並べられているが、数人の牧師の説教を読んだ他は背表紙を眺めているだけである。そんなことが頭にあるものだから、大塚平安教会が説教集を発行してくださることになったとき、文字ばかりの説教集では、皆さんは開かないものであると思っていたので、写真を入れることにする。大塚平安教会50周年記念誌はデザインコンビビアにより発行しているので、社長の堀木さんに相談し、趣旨を了解してもらう。写真と共に楽しい企画を入れて編集してくださり、発行してくれたのである。他には無い説教集となっている。説教を紐解かなくても、写真をご覧になるために、書棚から手に取ってくださるだろうと思っている。しかし、少しずつ読み進めています、とのお便りをいただき感謝している。
 以上のような思いがあるので、説教集第二集「主の導きに委ねつつ」は限定30部の発行であり、少数の皆さんにしか差し上げていない。すべて手作りである。第三集は別の少数の皆さんに差し上げるつもりである。私が説教集を発行するのは、もちろん皆さんに読んでいただければうれしいことであるが、神様への報告の意味で発行しているのである。また、私が説教者として生きた証の意味もある。優れた文章ではないにしても、一生懸命に説教をしながら生きていた、そんな意味もあるのである。



大塚平安教会退任にあたり、教会が発行した説教集。



説教集第二集を自作で出版。