鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記<9>

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記(2012年9月10日〜11月6日) <9>
2012年9月18日「ローマを訪ねる(1)」



 今回、再びスペイン・バルセロナを訪れることになったとき、ぜひローマを訪ねたかった。その要望を羊子が受け止めてくれて、今日から21日まで、三泊四日のローマ行きとなった。 バルセロナ・プラット国際空港を朝の9時25分に飛び立ち、ローマのフィウミチーノ空港(レオナルド・ダ・ヴィンチ航空)には11時10分に到着。1時間45分のフライトである。ローマの空港には羊子の友人である声楽家のカルロスさんが友達を差し向けてくれており、ベンツの高級車でホテルに向かう。ホテルはHOTEL ADRIATICで二つ星である。羊子がこのホテルに決めたのはヴァチカン市国に近いからである。実際、四日間のホテル住まいは楽であった。荷物を置いてから食事に出る。カルロスさんが会いに来てくれて、ホテル近くのカルボナーラが有名なレストランを紹介してくれた。カルロスさんはホテルの近くに住んでいる。スペイン人であるが、ローマに住み、声楽バリトンのコンサートを開いているという。羊子が何度か、彼と一緒にコンサートを開いたという。レストランに行く途中、水飲み場があった。常時、水が流れており、山からの水が引かれているのである。後述するが、ローマは水の都でもある。食事はカルボナーラ(スパゲッティ)、ピザ、野菜サラダ等をいただく。他にビールやコーヒー、水等を注文して36.5ユーロである。今、1ユーロが約100円前後であるので、高くもなく安くもない値段である。食事後はホテルに戻り、二時間ほど休むことになった。




ローマのレストラン街。右、前方にあるのが水飲み場
常時、水が出ている。道路に注目。石が敷き詰められている。
赤い帽子をかぶっているのがカルロスさん。



カルボナーラが有名であるというレストランのテラス席で。


 夕刻6時頃、羊子と共に散歩に出る。スミさんは部屋で休んでいることにした。まず、ヴァチカンの下見に行く。案内書によると見学するのにかなりの列が出来るという。もはや夕刻なので、見学の入場は締め切られていた。羊子が入り口にいる係員に尋ねる。車椅子を使用している人は優先的に入れるという。それを聞いて安心してヴァチカンを後にする。泊まっているホテルはヴァチカンとサンタアンジェロ城の中間にある。従って、再びホテルの前を通ってサンタアンジェロ城に向かう。歩いて気がつくことは道路の悪さである。道という道は石が敷き詰められている。10センチ位の石を敷き詰めているのである。その隙間が固められている場合もあるが、石と石の間に隙間があり、ハイヒールでは歩けないと思う。もっとも舗装されている道路もあるが、小道になれば石が敷き詰められている道路である。




後方に見えるのがサンタアンジェロ城。


スペイン広場にて。


ローマにはテヴェレ川がゆったりと流れている。その川のそばにサンタアンジェロ城がある。2世紀の初めにハドリアヌス帝が自分自身とその後のローマ皇帝の霊廟として造らせたものである。城の隣は最高裁判所であり、その前にサンタアンジェロ橋がかけられている。橋の両脇欄干には歴史に関わる人の彫像が置かれているが、誰の彫像なのか分からないまま鑑賞する。橋を渡りつつもいろいろな物売りがいる。橋を渡ってからポポロ広場に向かう。途中、アウグストゥス帝の廟があり、周囲の外壁部分にはいろいろなささげものが置いてあった。小銭が多いが、中には欠けたお皿を備えているが、どういう意味があるのだろう。アウグストゥス帝はローマの初代皇帝であり、名君といわれているので、素朴な信仰の対象になるのであろう。
ポポロ広場は1300年以来、ローマ巡礼の人々の通り道となったフラミニオ門(現在のポポロ門)の内側の広場である。広場の中央に36.5mのオベリスクが立っている。巡礼者の道標として設置されたという。広場に面して双子教会といわれるマリア教会があり、ちょっとのぞいてみる。カトリック教会は彫像と聖画が中心で、どこの教会を覗いても同じような状況である。ポポロ広場からはスペイン広場に向かう。スペイン大使館があったことから、そのように呼ばれているという。スペイン階段と呼ばれるところには大勢の人が腰掛けていた。この階段は「ローマの休日」にも登場しているので、訪れる人が多いのであろう。ここにはベルニーニの「舟の噴水」があり、その周りも多くの人が座っていた。もはや午後8時で夕闇である。そこから高級ショッピングであるコンドッティ通りを歩き、ホテルに着いたのは午後9時頃であった。その後、ホテルで休んでいたスミさんと共に夕食をいただくため近くのレストランへ行く。



ヴァチカンを背景に。



ところどころに置かれているゴミ箱と灰皿。