鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記<4>

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記(2012年9月10日〜11月6日) <4>
2012年9月13日「観光の街バルセロナ



バルセロナが観光の街であることは、改めて言うまでもない。なんと言ってもサグラダ・ファミリア(聖家族贖罪教会)の見学者が絶えない。サグラダ・ファミリアの製作途上で亡くなったガウディの作品はグエル公園カサ・ミラ、カサ・パトリョ等はいつも人が込み合っている。旧市街やゴシック地区には歴史の遺物に満ちている。カテドラル、王の広場、ランブラス通り、カタルーニャ音楽堂、観光客は見学の予定に入れる。その他、ピカソ美術館、ミロ美術館、博物館等多数あるが、短期間のツアーでは周り切れないであろう。これらの観光名所を観光バスが回ってくれる。その観光バスの発着点が羊子のマンションの前に出来ていた。昨年はなかったが、最近になって設置されたということである。だから、マンションの前の通りは観光客が大勢行き来している。部屋のベランダに出ると、すぐ下にバスが停まっている。いずれも展望席のバスで、七階のベランダから見下ろすことになる。



羊子の家のベランダから下をみると、観光バス発着所がある


 夕刻になって羊子と共に散歩に出る。サグラダ・ファミリアを一周する程度である。昨年の4月5月に来てから一年半を経ているが、大分工事が進んでいるようである。サグラダ・ファミリアの東側は「聖誕の門」であり、西側は「受難の門」である。南側は「栄光の門」とされているが、こちらは工事中である。昨年は全体的に覆われており、明らかに工事中であることが分かる。しかし、今回は工事が進行しており、上の部分の覆いはなかった。そして、これから建てられる塔の基礎まで造られているのである。北側も新しい建物が作られているようでもある。新しく造られた部分と、今までのものとは、やはり色合いが異なるので、進行状況が分かるのである。それにしてもクレーンが数機立ち上がっており、いかにも工事中であることが分かる。完成は100年後とも言われているが、少しずつ工事が進められているので、決して気の遠くなる工事ではない。この工事に携わっている外尾悦郎さんが日本の出版社から「サグラダ・ファミリア」の本を出したので買い求めた。横浜キリスト教書店が見本をもって来てくれたので、いただくことにしたのである。その本を紐解けば、サグラダ・ファミリアの全貌が分かる。分厚い本なので持参しなかったが、帰国したら再び開いてみることにする。



サグラダ・ファミリア(聖家族贖罪教会)受難の門側を毎日見つめつつ過ごす
羊子の家から撮影


 散歩していると、一人の中年の人が地図を見ながら歩いているので、羊子が声をかけた。日本人であるので、日本語で話しかけるのは当然であるが、中国人や韓国人等も多くいるし、どこの国の人なのか分からないのであるが、羊子は日本人であることがすぐに分かったという。だいたい日本人は身だしなみもきちんとしているし、素振り素行から分かるのだと言う。観光地なので、スリや物取りの悪い人がおり、日本人が一番ねらわれやすいというのである。私なども典型的にねらわれる対象であるとか。その日本人は一人で観光していた。おそらく仕事でバルセロナに来たのかも知れない。サグラダ・ファミリアは外周見学だけで中には入らないという。時間がないそうだ。旅のご無事をお祈りしつつお別れする。
 教会を一周した後は買い物をする。まず八百屋さんによる。中国人が経営している。オリーブの漬物、モヤシ、豆腐、りんご、たまねぎ等を買い求める。その後は一休みすることとし、カフェーテラスでコーヒーを飲む。こちらのアイスコーヒーについては昨年も書いておいたが、注文するとコーヒーに大きな丸い氷が添えて出されるのである。日本のように冷たいコーヒーが出るのではない。コーヒーの中に氷を入れて飲むのがアイスコーヒーなのである。帰宅する前にカブラボと言うスーパーに行く。この店には昨年もよく買いに来ている。羊子の家から近いので、星子と共に買い物に来ていたのである。店の中の陳列状況は変わらないし、肉屋のお姉さんも魚屋のおばさんも変わりなく勤めている。懐かしい人にお会いする思いであった。ハムはその場で大きな塊から切ってもらう。もちろんパックでも売っているが、その場で切ってもらう方が新鮮なのである。卵は12個入りのケースである。水も買って飲んでいる。水道の水は飲めないことではないが。食材が安いことは昨年も記している。


銀行ATM


八百屋さんの店内