鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記 <113>


隠退牧師の徒然記(2011年6月1日〜)<113>
2012年6月20日 「昼も夜も神に仕え」 


聖書の言葉
また、アシェル族のファヌエルの娘で、アンナという女預言者がいた。非常に年をとっていて、若いとき嫁いでから7年間夫と共に暮らしたが、夫に死に別れ、84歳になっていた。彼女は神殿を離れず、断食したり祈ったりして、昼も夜も神に仕えていたが、そのとき、近づいてきて(ヨセフとマリアが幼子イエスをささげるために神殿に来たので)神を賛美し、エルサレムの救いを待ち望んでいる人々皆に幼子のことを話した。
ルカによる福音書2章36-38節)



 昨日の6月19日は秦野にある「神の庭・サンフォーレ」の礼拝が行われ、引き続いて「支える会」の総会が開かれた。台風4号が接近しているので天侯がよろしくない。実際、家を出て、横横道路、大和バイパス、東名高速を車で走らせる途中にあっても、断続的に強い雨が降っていた。天侯が悪いからとの理由で欠席するわけにもいかない。今日の礼拝は私が担当することになっているからである。今年度は、私の礼拝担当は12月のクリスマス礼拝である。一年に一度は礼拝を担当することになっている。ところが6月19日に礼拝を担当する牧師ができなくなったので、急遽私が担当することになったのである。さらに、礼拝の後に総会が開かれるので、「支える会」委員長の私が議長として司らなければならない。だから休むわけには行かない。天侯の状況で休むのか、休まないのかを述べているのではなく、この集いにはどうしても出席しなければならないのである。
 「神の庭・サンフォーレ」については、しばしばこのブログにも記している。設立されてから今年で14年を経ており、来年は15周年を迎えようとしている。キリスト者の高齢者ホームである。今は高齢者の施設が数多くあり、道路を走る自動車もその筋の活動をするものである。15年も昔にキリスト者の高齢者ホームに取り組んだ時には、今のようには高齢者ホームは多くはなかった。この10年くらいに急激に存立し出したのである。「神の庭・サンフォーレ」設立に至る経過を改めて振り返っておくことにする。


キリスト教シニア・ホーム「神の庭・サンフォーレ」、「支える会」設立の経過
神奈川教区の中にキリスト者の高齢者ホームを建設することを提案したのは1994年度の神奈川教区宣教部委員会でした。「教区の宣教を考える会」において、今後「高齢者と共に歩む」課題が与えられ、教区内において公開協議会を開催するようになりました。教区は常置委員会のもとに「老人施設プロジェクト委員会」を発足させ、研究と推進を委ねたのであります。老人施設プロジェクト委員会は、1996年2月の常置委員会で、研究と推進方向の素案を提示し、協議しました。さらに教区総会では協議会を開催しました。そして、1996年6月の教区総会に議案として上程しました。しかし、諸意見が並行し、議決には至りませんでした。1997年の2月総会で継続議案として審議しましたが、常置委員会付託という決議になりました。老人施設プロジェクト委員会は、常置委員会に付託されて審議しても、議論は並行するのみで、議決することは困難であると判断しました。そのため、議案を取り下げ有志の取組としたのでした。
議案は、「キリスト教精神に基づいた高齢者住宅を建設し、高齢者の生活支援を行う。この目的を達成するため、株式会社サンフォーレと提携し、計画を進める」との内容であります。議論が並行したのは、教会が企業と提携することの疑義でありました。
 老人施設プロジェクト委員会は、神奈川教区が独自に建物を建設することは困難であり、この取り組みに理解を示しているサンフォーレにハード面は委ね、教会は牧会的支援をするという結論に達したのでした。
神の庭・サンフォーレは1998年10月30日に開設記念礼拝をささげて始められました。それと共に「支える会」も発足し、活動が始まったのであります。

 以上にように設立された「神の庭・サンフォーレ」であるが、その「支える会」の取組みについても、記しておく。



「支える会」について
神奈川県の秦野、渋沢と言えば丹沢山系をうしろだてとする市街地であります。その市街地のはずれに「神の庭・サンフォーレ」のたたずまいがあります。入居されているシニアの皆さんは、信仰に生きる喜びと、日々の生活を楽しみながらしています。
現在、入居されている皆さんは20〜25人くらいです。その他、グループホームとして数人の方が入居されており、30人くらいの皆さんが入居して生活しています。
このホームの目的は、キリスト者のシニア・ホームであり、高齢であっても信仰の喜びを持ち、神様に向かいつつ生活できるということであります。そのため「神の庭・サンフォーレを支える会」を立ち上げ、信仰において支援活動を行っています。支える会は主事を置き、入居者の牧会的配慮を行っています。礼拝を毎月第1、3、5火曜日に行い、教区内外の牧師が礼拝を担当しています。年間、約30人の牧師が「神の庭・サンフォーレ」の講壇に立っているのです。その他、「アクテビティ」として賛美の会、音楽会、朗読会を諸教会の皆さん、個人の皆さんが奉仕されています。傾聴・訪問のボランティアの方もいます。クリスマスや支える会総会の時は、入居者の皆さんと触れ合い、お交わりの時をもっています。このひとときは入居されている皆さんの大きな喜びとなっています
「支える会」はキリスト教シニア・ホームとしての「神の庭・サンフォーレ」の存在を、広くキリスト教の皆さんに紹介し、入居をお勧めしています。そして、「支える会」をご理解いただき、ご協力をいただきたいのであります。そのため、「神の庭・サンフォーレ」設立の経過と現在の活動等をこの小冊子に掲載しております。



 設立されてから、来年で15年を迎えるとき、設立に関わった皆さん自身が高齢化している。私自身73歳になるのであるから、むしろ支援される側なのである。だから設立から関わった皆さんは、高齢、病気等で委員を退任される場合が多くなった。今でも関わっているのは、高齢者である私と数人の皆さんである。しかし、若い人たちが後を引き継いでくれているので、希望を持っている。神奈川教区の中に、キリスト者の取組みとしての高齢者ホームが存在すると言うこと、社会への証しではないだろうか。



礼拝用の冊子。



礼拝後に開かれた総会の資料。



総会後に開かれた交わりの会



こんなに美味しいご馳走が出る。