鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記 <67>

 

隠退牧師の徒然記(2011年6月1日〜)<67>
2012年3月5日 「心の板に書きつけられ」

 

聖書の言葉
わたしたちの推薦状は、あなたがた自身です。それは、わたしたちの心に書かれており、すべての人々から知られ、読まれています。あなたがたは、キリストがわたしたちを用いてお書きになった手紙として公にされています。墨ではなく生ける神の霊によって、石の板ではなく人の心の板に、書きつけられた手紙です。
(コリントの信徒への手紙<二>3章2-3節)



今日は、また一つ宝物が増えたことを記す。横須賀上町教会の教会学校に出席している「りんちゃん」が私と連れ合いのスミさんに宛てて書いてくれた手紙である。横須賀上町教会の最後の礼拝担当であり、「りんちゃん」のお手紙は心に記される楽しい、貴い宝物である。早速、部屋に飾り、他の宝物と共に日々の楽しみになったのである。
 「すずきせんせいへ。すずきせんせい、れいはいありがとうございました。たまにはうわまちきょうかいにきてください。りんより」、「すみせんせいへ。すみせんせい、しゅわ(手話)たのしかったです。たまにうわまちきょうかいでしゅわ(手話)をおしえてください。りんより」と記され、私と連れ合いのスミさんを絵に書いてくれている。「りんちゃん」はこの3月に幼稚園を卒業する。



横須賀上町教会の教会学校に出席している
「りんちゃん」のお手紙。




他の宝物とは、前任の大塚平安教会とドレーパー記念幼稚園退任の折、皆さんからいただいたお手紙、寄せ書き、折り紙等、また記念写真であり、それらは部屋に飾り、宝物としているのである。さらに大塚平安教会退任後は横浜本牧教会の代務者、早苗幼稚園の園長を六ヶ月間務めたので、退任の時には教会学校や幼稚園のお友達から、同じくお手紙、寄せ書き、記念写真等をいただき、宝物として部屋に飾っているのである。毎日、宝物に囲まれて、日々眺めつつ幸いの日々を過ごしている。
昨日の3月4日は第一日曜日であり、いつものように横須賀上町教会の礼拝担当であった。横須賀上町教会は2010年10月からは専任の牧師が不在となり、代務者の牧師を立てて歩んできた。代務者は湯河原教会の金子信一牧師である。本務は湯河原教会なので、毎週の礼拝を司ることができない。金子牧師は第二日曜日の礼拝を担当し、他の日曜日は異なる牧師が担当する。私のように隠退して教会の責任を持たない教師、牧師でも教会の副牧師、また無任所教師と言われる人が礼拝を担当することになる。私は第一日曜日に担当することにしていた。
 今回の横須賀上町教会の礼拝担当は最後ということになっていた。4月からは日本聖書神学校を卒業された伝道師が赴任するので、もはや礼拝を担当する必要がなくなったのである。従って、私たちの子供たちも都合をつけて、この日の礼拝に出席したのである。横須賀上町教会の礼拝を担当し始めた頃は、子供たちも一緒に礼拝に出席していたが、それぞれ都合があるので、最近は出席できないでいた。しかし、今回は最後ということで日程を調整していたのである。この子供たちは前任の大塚平安教会の教会員であるが、やはり親が務める教会の礼拝には出席している。従って、大塚平安教会退任後は横浜本牧教会の代務者として礼拝を担当するのであるが、子供たちも共に礼拝に出席していたのであった。
 横須賀上町教会では午前10時30分から主日礼拝を取り行う。その前の9時30分からは教会学校が開かれる。第一主日に伺った時には教会学校のお話も担当することになっていた。教会学校は、前任の大塚平安教会ではお話を担当するのは牧師ばかりではなく、教会学校の教師として奉仕する皆さんが担当していた。もちろん牧師も担当しているが、教会員が順次担当していたのである。しかし、この教会は、お話は牧師が担当することになっており、大人の礼拝と共に子供たちの礼拝、お話を担当していたのである。どこの教会も、今は教会学校の子供たちの出席は少ない。こちらの教会学校も5、6名の出席であり、3、4名の出席が常態である。昨日は一段と寒さが加わったこともあり、子供の出席は一人であった。そのお母さんと他は教会に関わる6、7名の皆さんの礼拝であった。
 その子どもたちの礼拝が始まる前に、出席した一人の子どもがお手紙をくれたのである。「りんちゃん」という女の子で、この3月に横須賀上町教会の附属「めぐみ幼稚園」を卒業することになっている。いつも子どもの礼拝に出席し、イエス様のお心を示されていたのである。4月から専任の牧者が赴任するので、私の礼拝がこの日で終わることについては知らされていたことである。それでお別れのお手紙を書いてくれたのであった。この日の教会学校における礼拝は、マタイによる福音書5章13節以下の「地の塩、世の光」のお話であった。「りんちゃん」一人のためにお話が導かれたのであるが、イエス様のお心をいただいて、塩のような良い働き、人々の希望となる明るい子供になることを示されたのであった。お友達から喜ばれる子供、お友達を心から受け止める子供として成長することを心からお祈りしたのであった。
 横須賀上町教会は代務者時代の最後の礼拝のお手伝いであった。これで終わりのつもりでいたのであるが、もう少し応援することになっている。赴任する教師はまだ伝道師であり、日本基督教団の教憲教規により、洗礼式や聖餐式の執行は出来ないのである。二年後に正教師試験があり、それをもって牧師に就任するのである、従って、牧師に就任するまで、私が聖餐式のある礼拝を担当することになった。いろいろな関わりがあるこの横須賀上町教会のお手伝いが残されていることを喜びとしている。と共に「りんちゃん」のお手紙が横須賀上町教会の希望となっている。