鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記 <55>

 

隠退牧師の徒然記(2011年6月1日〜)<55>
2012年2月6日 「祈りの度に」 


聖書の言葉
わたしたちは、祈りの度に、あなたがたのことを思い起こして、あなたがた一同のことをいつも神に感謝しています。あなたがたが信仰によって働き、愛のために労苦し、また、わたしたちの主イエス・キリストに対する、希望を持って忍耐していることを、わたしたちは絶えず父である神の御前で心に留めているのです。神に愛されている兄弟たち、あなたがたが神から選ばれたことをわたしたちは知っています。
(テサロニケの信徒への手紙<一>1章2-4節)



 毎月第一日曜日は横須賀上町教会の礼拝を担当している。昨日の2月5日の礼拝を担当した。この日の礼拝出席は男性6名、女性6名であった。初めてこの教会の礼拝に出席された男性がおられ、また教会員で久しぶりに出席された男性もおられた。だからいつもより出席者が多いようであった。クリスマスには結構出席者が居るのであるが、通常の礼拝には出席しない傾向は大きな教会でも見られる現象である。せめてクリスマス礼拝には出席したいとの信仰も祝されると思う。しかし、そのような受け身の信仰ではなく、教会を支える積極的な信仰へと導かれることを祈りたい。イベント信者はイースターペンテコステ、その他の特別礼拝には出席されるが、通常の礼拝には出席されない。教会を担い、支えるという思いはないのである。そこまで指摘してしまうと問題があるであろう。月定維持献金をささげておられるので、教会を担っておられるからである。しかし、牧師の一番の喜びは、教会に連なる皆さんが礼拝に出席されることなのである。礼拝に出席される教会員によって牧師は成長するのである。
六浦谷間の集会の礼拝を連れ合いのスミさんと共にささげているが、説教は準備したプリントを読み上げるのである。二人だけの礼拝で、どのような言葉をもって語るのか、これは難しいのである。だから語るべき説教は逐一プリントしている。それを読み上げることで説教としている。従って、いつもそのような説教であるので、久しぶりに講壇に立っての説教は、やはり熱が入る。ここではプリントを読むのではないので、原稿から脱線しながら語ることになり、そのため説教時間も40分、50分になってしまうのである。会衆に向けての説教は、出席されているお一人、お一人のことを心に示されながら神様の御心として語るので、ある意味では繰り返しが多くなる。しかし、だからと言って六浦谷間の集会における礼拝説教は、ただプリントを読むというものではない。御言葉の前にへりくだり、今の私たちに何が示されているのか、深く示されているのである。そのプリントはネットで公開しているので、多くの皆さんに向けての説教と言うことになる。公開された説教は、お読みくださった皆さんのカウントが表示されるが、一週間に100名以上の皆さんがお読みくださっているのである。こうなると大教会の礼拝説教と言うことになる、と自分では思っているのであるが。
さて、横須賀上町教会については折に触れて記しているが、現在、横須賀上町教会は専任の牧師が不在である。それは2010年10月からであるが、それまで18年間、牧会を担ってきた森田裕明牧師が横浜本牧教会に転任し、その後は専任の牧師が決まらないので湯河原教会の金子信一牧師が代務者として責任を持っているのである。責任を持つとしても金子牧師は湯河原教会の牧師であり、毎週礼拝を担当することは出来ない。そのため隠退牧師であるので毎月第一日曜日の礼拝を担当するようになっている。かれこれ一年半になるが、この横須賀上町教会にも春の喜びが訪れている。4月から専任の牧師が赴任することになったからである。今年の3月に日本聖書神学校を卒業される方であるが、小さいお子さんが二人おられる家族として赴任される。まことに小さい教会であるが、新しい出発を祈りたい。よく決心して赴任してくれると思うと、本当に祈りをもって支えなければならないと思っている。と言うのは教会員も少ない教会であり、幼稚園を運営しているにしても、園児が少人数であり、運営も困難であるからだ。ここは教会員が一人の牧師を育てる使命をもって、教会形成に臨んでいただきたい。
横須賀上町教会はたとえ礼拝出席者が少数であろうとも、教会を支えておられる教会員がおられるので、大きな力になっている。昨日の礼拝も、今までの礼拝でも、教会を支えておられる皆さんを示されていた。いつも決まって出席され、いつも決まって礼拝後のお交わりをされている。昨日の礼拝後も軽食をご用意くださっており、いただきながらお交わりが導かれたのであった。1月1日の礼拝後はお雑煮をいただき、今回はお赤飯をいただく。美味しいコロッケ、ほかにお菓子等をいただく。こうしたお交わりが教会形成の基礎となり、次第に信者の群れが増えて行くことは使徒言行録でも報告している。祝福の群れとなるよう祈りたい。



登録有形文化財に指定されている横須賀上町教会。



横須賀上町教会建物応援団が町の人たちによって組織され
建物の管理が行われている。



幸いなことは、横須賀上町教会の建物は「国登録有形文化財」に指定されている。そのため「横須賀上町教会建物応援団」が町の人たちによって組織され、建物の管理をしてくれている。教会を会場にコンサートや寄席等を企画し、修繕の資金にしているのである。2月18日にも午後2時30分より新春コンサートを開催する。韓国若手アーティストによる合唱隊、東京シモンオーケストラのアンサンブル演奏等が企画されている。建物を応援してくれていることは、横須賀上町教会そのものを支えてくれているのである。建物という外観を応援してくれているのだから、ここは中身を私たちが応援したいのである。



教会に入るには階段を昇らなければならない。
階段下に教会案内が掲げられている。



登録有形文化財の標識。建物応援団が支援していることを証ししている。