鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記 <17>

 

隠退牧師の徒然記(2011年6月1日〜)<17>
2011年11月7日 「富士山周遊の旅」 


聖書の言葉
神は言われた。「地は草を芽生えさせよ。種を持つ草と、それぞれの種を持つ実をつける果樹を地に芽生えさせよ。」そのようになった。神はこれを見て、良しとされた。
(創世記1章11節、12節)


 読売新聞のチラシ広告で「紅葉の富士山周遊7景」ツアーがあり、連れ合いのスミさんと相談して、たまには出かけるかと言うことになった。せっかく行くのであるからと子供たちも誘い、星子、百合子、友達の弥生さんと五人で申し込んだのである。前日10月30日は船橋の薬円台教会に午前7時30分に出かけ、帰宅したのは午後8時頃であった。バスツアーはその翌日の31日である。金沢八景ダイエー駐車場入口が集合場所であり、午前7時には家を出る。連日、早朝からの出発で疲れがたまりそうである。

 

千円札の裏に描かれている富士山の視点。


 のんびり生活できるのはありがたいことであるが、たまには刺激になるようなことがほしくなる。どこかに旅行することを話していたが、なかなか計画するのも億劫である。ツアーでいけば、いろいろと計画する必要が無いので楽である。当日、出かけるときは曇り空であったが、富士山周遊の頃は晴れ間があり、富士山を楽しく眺めることができた。まず行ったのは富士山の新五合目である。かなり雲がかかっていたが、時折雲が切れて富士山の上の方まで眺めることができた。と言っても殺風景な岩肌であるが。また、雲の切れ間に遠くまでの景色が見えるが、あっという間に雲に消されてしまう。何のことは無いのであるが、標高1700メートルまで登ったのであるから、それだけでも満足するわけである。私はこの富士山には青年の頃二度ほど登っているが、その後は登る機会がなかった。この五合目は教会学校の夏期学校で来たことがあるが、久しぶりの富士山の体験であった。その後下山し、本栖湖に行く。本栖湖では千円札に描かれている富士山の、ここが描いた場所であると言うところに案内された。なるほど千円札の構図の風景を現実に見ることができた。千円札を出し、裏の絵と実際の風景を照らし合わせたのであった。この頃になるとかなり雲が晴れ、美しい富士山を堪能できたのである。




浅間神社。全国の浅間神社の本山とか。




今度は西湖に行く。西湖には「いやしの里・根場」がある。ここは茅葺屋根の家が何件か建てられている。復元された茅葺屋根の家で、いかにも造られたという感じである。日本の原風景である茅葺屋根の集落としている。それらの茅葺屋根の家は、いずれも土産物屋さんなのである。布関係の土産物屋さんでは、兎の大風呂敷があり、これは何にでも使えるとスミさんが買い求めていた。その後、バスは西湖を周り、車窓から静かな西湖を見学したのである。次は河口湖に行く。紅葉祭りを見学すると言うことであったが、今年はまだ本格的な紅葉にはなっていない。それでもところどころ紅葉を見ることができる。ここからの富士山眺望も良いものある。ここも土産物屋さんで賑わっている。ツアーは結局、土産物屋さんに連れて行っては買ってもらうことも目的なのである。富士浅間神社にも寄った。全国の浅間神社の中心であるとか。歴史を感じさせる社のたたずまいであった。




河口湖の紅葉まつり。



土産物屋さんで「ヤーコン」の根菜を買うスミさん。
値切っているのかな。


 午後7時30分、予定通り帰着した。昨日からの遠出で、疲労が出ている。どこかで食事をして帰ろうかとも思ったが、早く家に帰ってくつろぎたいと言うことで、そのまま帰宅したのであった。牧師在任中は出かけることが多かった。例えば、5月の教区総会に教団問安使として出席すること、北海道から九州まで、8年間で日本列島各地に赴いた。しかし、各地に赴いても観光ではなく、会議が終われば帰路に就く。ゆっくりとくつろいで観光することは無かった。もちろん家族旅行や幼稚園教職員旅行等、出かけることも多く、楽しい思い出はある。4月、5月とスペイン・バルセロナに滞在し、いろいろと観光した。いずれも歴史において造られたものであるが、日本の美しい景色は自然の美しさなのである。神様の御心を受けて造り上げた世界が西洋の美しさである。神様がお造りになった自然の世界が日本の美しさであることを示される一日であったと思う。隠退牧師になった今、日本の四季の移ろい、自然の美しさ、神様の創造の世界を楽しみたいと思ったのである。