鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

スペイン滞在記 <56>

 

スペイン滞在記(2011年4月4日〜5月18日) <56>
2011年5月14日「教会コンサート」
 


今日は午後8時から羊子が奏楽奉仕をしているカトリック教会でコンサートが開かれた。先日、ヴァイオリン奏者と合わせを自宅でしていたが、その彼女と、羊子がピアノを教えている男性を交えての羊子のピアノコンサートである。午後7時からミサが行われる。その前にヴァイオリン奏者と合わせをするので、午後6時30分に教会に着く。ところがヴァイオリン奏者のTania Mesaさんは会場を間違えて、他の町の教会に行ってしまった。そこから教会に向かうので、もはや合わせが出来ないので、羊子は一人で練習をしていた。
 


羊子が奏楽奉仕をしているカトリック教会
不思議な建物、水道局の近くである


私たちが教会についたとき、出入り口付近に大勢の人がいた。花が撒かれていた。結婚式の後かなと思ったが、堅信礼式が行われたということである。見ると男の子と女の子が白い服を着ていた。まだ小学生3、4年生くらいの年齢である。ピカソ美術館で「初聖体」の絵を鑑賞したが、10歳から12歳頃になると堅信礼をうけ、初めて聖餐式に与る絵が「初聖体」である。カトリック教会では子どもが生まれると幼児洗礼を授け、子どものうちに堅信礼を受けるのである。その堅信礼が行われた後である。羊子が練習をしていたが、その横で記念写真を写したりしていた。堅信礼式を見たわけではないが、これも良い経験になったと思う。カトリック教会のいくつかの取り組みを示されたのである。明日は日曜日であり、もはや帰国するので、来てから一度ミサに出たが、その後は出ていないので、明日のミサに出席するつもりでいた。しかし、今晩、コンサートがあり、その前にミサがあるので出席し、明日は出席しないことにしたのである。帰国の準備をしなければならないからである。お別れの挨拶を含めてミサに出席することにした。
 午後7時、ミサが始まる。夜のことでもあり25名くらいの出席者であった。言葉が分からないので、今何が行われているかわからない。しかし、やはりなんとなく分かるのである。賛美、祈りの後は聖水を振り掛ける。聖書朗読と賛美、リタニー形式で司会者と会衆が歌ったり、告白したりしている。神父さんの問いかけがあり、会衆が応えたりすることもある。神父さんの説教は7〜8分である。使徒信条、主の祈りがあり、相互挨拶で左右と前後に挨拶をする。「あなたに平安がありますように」との祝福の挨拶である。最後は聖餐式である。一同前に進み、神父さんからパンを受け取り、横にいる役員さんが持つぶどう酒にパンをちょっと浸していただくのである。そして最後の祝福の祈りがある。約1時間であった。会衆が歌ったり、応答唱をすることが結構ある。神父さんが一人でミサをつかさどるのではない。日本にいて、カトリック教会のミサに望むのは2回ほどである。一度は神学生の時、目白のカテドラル教会のクリスマスに行った。もっぱら神父さんたちが歌ったり、聖書を読んでいたように思う。その印象がそのままカトリック教会を理解していたが、随分と認識を改めなければならない。どこの国も若者が少ないが、こちらも出席者はほとんどが高齢者のようである。2、3人の若者がいたようである。終わってから、我々が帰国することを紹介し、羊子を置いていってくれることを感謝する等と述べていた。皆さんが私たちに挨拶に来られた。私は握手で済ませたが、スミさんや星子は頬をすり合わせての挨拶であり、慣れない日本人は大変なのである。
 



教会コンサートでピアノを演奏
正面の絵はイエス様がバルセロナに来られたことを描いている



ヴァイオリン奏者と演奏。譜面繰りは星子



聴衆の皆さん


午後8時からコンサートが始まる。まず、羊子が教えている男性Juan Pabloさんがモーツァルトの曲を弾いた。もう5年間、羊子に指導されている。会社員であるが、音楽が好きでピアノを弾いているのである。次に羊子がショパングラナドスの曲を弾く。続いてTania Mesaさんのヴァイオリン演奏であるが、羊子がピアノ伴奏を行う。コンサートにはミサに出席した人がそのまま残っていたが、さらに出席があり、かなり多くなっていた。終わると拍手喝采で、ヴァイオリンとピアノでアンコールに応えたが、さらに求められて羊子が迫力あるピアノ演奏をしたので、皆さんは歓声を上げて拍手をしてくれたのである。終わってから、また教会の皆さんが私たちのもとに来て、「素晴らしかった」と賛辞を贈ってくれ、握手するのである。
 教会の皆さんに喜ばれている羊子を神様に感謝したのであった。