鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

スペイン滞在記 <48>

 

スペイン滞在記(2011年4月4日〜5月18日) <48>
2011年5月7日「マドリッドのコンサート」
 


ブルゴスを後にしてマドリッドへ向かう。今日は朝から雷がなり雨が降ったりやんだりしていた。ホテルを午前10時30分頃に出て、タクシーで駅へ。12時の列車に乗る。こちらの車両は日本の車両の二倍もあるほど長い。新幹線のようでもある。驚いたことに、発車してからしばらくすると車掌さんが濡れたナプキンを配る。ピンセットでつかんでは一人一人に渡していく。その後、軽食が出た。小さいサンドウィッチとケーキである。飲み物はソフトドリンクをはじめワイン、ウィスキー、ビール等何でももらえる。その後はコーヒー、紅茶を飲むことができる。こういうサービスがあるとは思わなかった。飛行機ならこのようなサービスがあるが、長距離列車も同じようにサービスをするのである。サービスは良いのだが、この列車はかなり揺れる。本を読むにもゆれるので目が疲れるので、読書はせず、車窓の高原地帯を眺めて過ごしたのである。時々、牛や馬、羊の群れの放牧風景も目に入ってくる。途中VALLADOLD駅、SEGOULIA駅に停車し、終点のマドリッドの三駅しか停車しない。午後2時頃にマドリッドに着く。タクシーで羊子の知人宅へ向かった。
 


マドリッド駅に着く


羊子の知人はヨシエさんとフェルナンド夫妻である。以前からの知り合いかと思ったら、お訪ねしたこの日が初めての対面とか。羊子がマドリッド日本語で聖書を読む会のことを示され、中心になっているヨシエさんに、東北関東大震災被災者救援コンサートを開催することを打診する。ヨシエさんも計画していたことであり、話がまとまって開催することにしたのである。宿泊はヨシエさん・フェルナンドさん夫妻宅に二泊お世話になることになった。お二人は私たちの到着を心から歓迎して下さった。



美味しい日本のカレーライスをいただく


午後2時30分頃到着。3時頃に昼食のもてなしをいただく。カレーライスであった。何か懐かしい思いでいただく。スペインに来てカレーライスをいただくとは。その後、少し休んでからコンサート会場に向かう。羊子は練習のため一足先に出かけた。私たちは午後6時30分頃、ヨシエさんの車に乗せられて会場へ向かう。会場はプロテスタントのインマヌエルバプテスト教会である。「東日本大震災義援金チャリティーコンサート」、5月7日(土)20時開演との案内看板が掲げてあった。開会まで少し時間があり、いろいろな人に挨拶された。
 



演奏会ポスター



開会は午後8時からであるが、その前に津波被害のビデオが放映された。これはフェルナンドさんが製作したものである。ケニアの子ども達が日本の被災者のために祈りつつ応援歌が歌われていたシーンが印象に残る。その中でも女の子が泣きながらお祈りしている姿が深く心に残された。繰り返し「日本のために祈りましょう」との字幕が出ていた。開会にあたり当教会のデビッド牧師が挨拶し、お祈りをささげた。演奏は三人が順次行う。まず、羊子が「Fantasia Sakura-Sakura」をピアノで演奏。続いてこちらの教会員のNoraさんがヴァイオリンの演奏、そしてRamonさんがテナー独唱を行う。いずれも羊子のピアノ伴奏である。Noraさんは演奏が終わると都合で帰られたが、Ramonさんはその後も数曲歌う。終わりにアンコールを求められ、Ramonさんは「フニクラ」を、羊子は「ショパン」を弾く。大勢の皆さんが聴きに来てくださっている。ほとんど教会関係者のようである。皆さんは大変喜んでくれたようである。その後、全員が日本の歌「ふるさと」を歌いつつ献金の盆が回される。受付で献金用の袋が配られていた。後で伺ったのであるが、1700ユーロがささげられたと言うことである。終わりに再び牧師の挨拶とお祈りがささげられた。 
 



終わってからご夫妻と私たち家族が食事を行う。ご夫妻が時々出かけるレストランとか。今日のコンサートを振り返りながら食事を行う。ご夫妻はコンサートが開催できたことを心から感謝し喜んでおられた。それにしても、今まで羊子とご夫妻とは一度も会ったことが無いのに、共にコンサート開催を行った信仰を示された思いである。神様のお導きとして示される。
 今日はブルゴスからの移動、コンサート、食事と重い日程であったと思う。しかし、恵みの一日であった。