鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

スペイン滞在記 <46>

 

スペイン滞在記(2011年4月4日〜5月18日) <46>
2011年5月6日「ブルゴスのカテドラル」
 


ブルゴスは美しい街である。カテドラルを中心に教会があちらこちらにある。スペインがカトリックの国であることをいっそう示される。午前9時頃に起床したが、羊子は朝食後にピアノの練習に行った。私たちは三人でカテドラルを見学に行く。昨日は夕刻であったので、もちろん入ることはできなかったが、今日は一般に公開されているのである。見学には一人5ユーロが必要である。約6百円である。大聖堂といくつもの小聖堂があるが、全てにおいて彫刻が施されている。聖壇も何もかもが彫刻である。いわゆる聖画ではなく、聖書物語や歴史上の人物等、彫刻であらわしているのである。日本語の解説書がないので、聖書物語の他は分からない。おそらく歴史上のキリスト教の人々なのであろう。枢機卿、司教、あるいは法王等の彫像が飾られているのである。日本の寺院をいくつか見学している。身延山のお寺を見学した時、煌びやかな祭壇に驚いたが、こちらの祭壇はそれどころではない。スペインに来て、物々しく飾り立てるカトリック教会を初めて知ることになる。日本のカトリック教会に幾度か行く機会があったが、外国のカトリック教会は、よくもこんなに飾るかと思うのである。聖書物語、聖人を示されながら信仰が導かれるのである。羊子が、「鐘突き男」を見たかと聞いたが、気がつかなかった。天井で鐘を突いているおじさんが飾られているというのである。土産物屋さんでもその絵や人形が売られていた。教会の中には聖人たちの彫像が横になっている。その下には遺骨があるのか。随分とおかれていたが、誰であるか理解できない。それらも信仰の対象になるのであろう。
 


荘厳なカテドラルの内部








見学中にスミさんはトイレに行ったが、ここにはないという。それで見学をやめて外に出て行った。我々も見学が終わったら入り口で落ち合うことにした。一通り見学したので星子と共にカテドラルの入り口付近でスミさんを待った。しかし、いつまで待ってもスミさんは現れない。カテドラルの前は広場になっており、その広場や昨日歩いた公園等を見て回ったが現れないのである。迷子になったのかなと思った。丁度、羊子から電話があったので、事情を説明する。練習を終わってホテルに帰ったら、居ないのでカテドラルに見学に行っていると思ったという。それで羊子はこちらに向かうという。程なくして羊子が広場に着いたとき、スミさんらしき人が居酒屋みたいなところから出て来た。そういえば、こちらには公衆トイレというものがあまり無いようである。バルセロナのサクラダ・ファミリア前の公園に公衆トイレがある。そこはお金を入れて使用するのである。スミさんは公衆トイレが無いので居酒屋に行き、そこのものを使わせてもらったという。最初、借用を願ったら断られたという。そこでコーヒーを頼んで使用することができたのだという。居酒屋というが、こちらでは喫茶店のようなもので、純粋に喫茶店なるものは無い。ワインやビールを飲む店である。そこにコーヒーやソフトドリンクが置いてあるのである。もちろん食事もできる。そのような店が街中にある。
 スミさんが無事に見つかったので、ほっとしたわけである。ホテルに帰りながら昼食処を探す。昨日歩いた遊歩道兼公園を再び歩く。日本でも植木をきれいに丸くしたりしているが、こちらではそれがずっと続いている。二段、三段と刈り込んであったり、洞穴を作ったりして、また四角や三角にしている樹木もある。そしてプラタナスの並木道が続いている。川沿いに女性が川の流れを見詰めている。彫像である。羊子も全身黒っぽい服装なので、同じポーズをとり、星子が写真に収めていた。



いろいろな形に刈り込んだ樹木



川の流れを見つめる女性




結局、ホテルの近くのレストランで食べることにした。レストランの入り口は狭いが、中に入ると結構広い。一階はカウンターになっており、居酒屋風である。そこにはいろいろな料理パンが置かれている。その料理パンを食べながら、ワインやビールを飲むことができるのである。我々は二階に上がり、テーブルに座っての食事である。小奇麗な店であると思った。テーブルにはクロスをかけている店もあるが、細長い紙のクロスがひかれている。客ごとに捨てていけば良いので便利なのであろう。四つの料理を注文して、分け合って食べる。最近はスペイン料理に慣れて、おいしくいただいている。