鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

スペイン滞在記 <45>

 

スペイン滞在記(2011年4月4日〜5月18日) <45>
2011年5月5日「ブルゴスへ向かう」
 


羊子がブルゴスとマドリッドでピアノのコンサートを開くので、今日から四泊五日の予定で出かけることになった。ブルゴスで二泊、マドリッドで二泊である。午前9時30分頃に家を出てタクシーで飛行場に向かう。フライトは12時45分である。車椅子を借りたので、担当者が飛行機まで連れて行ってくれた。飛行機は国内線なので、50人くらいの定員のようである。飛び立ってから約1時間でブルゴスに着いた。電車で行けば4、5時間はかかるという。短い区間であるが、機内では飲み物とお菓子が出た。トマトジュースを注文した。飲んだり食べたりしているうちにブルゴスに着いた。そこからバスに乗る。ピアノのコンサートが開かれるホールの近くで下車。そこは終点であった。ふと見ると羊子のピアノのコンサートの大きなポスターが道路に面して掲示してあった。このコンサートは音楽事務所の企画であり、ポスターをあちらこちらに掲示しているようである。
 

コンサートの案内看板




バスを降りてホテルに向かったのであるが、道順が地図を見ても分からないので、道行く人に聞く。教えられた方角に歩くが行き着かない。そこでまた人に聞き、教えられた通りに歩くのであるが分からない。何度も人に聞いてホテルを目指す。随分と歩き、スミさんはもう限界になっていた。ようやくホテルに着いたが、何のことはない、バスを降りたところから近いのである。教えてくれる人は親身になって教えてくれるが、間違っているのである。4月11日にバルセロナのバラ公園で東北関東大震災被災者追悼式にRMさんに連れられて行ったが、RMさんも初めて行くところなので人に聞く。しかし、教えてくれる人は皆違う方角なのである。結局、三人の人が同じ方角であったので、その方角に行き、行き着くことができたのである。こちらの人は外国人に対してとても親切である。責任を持って応えてくれるのであるが。
 道を歩いていると人間の彫像があちらこちらに据えられている。例えば老夫婦が椅子に腰掛けていたり、鍛冶屋さんだとか鼓笛隊、お巡りさん等である。日本の横須賀の街にも同じように人間の彫刻が置かれている。街は静かな町である。バルセロナは芸術の街、観光の街であるので外国人が多い。しかし、こちらはカテドラルがあるので、国内の観光客と巡礼者が多く、外国人はあまり多くはないということである。巡礼者のために店では杖を売っている。
 

老夫婦の彫像と共に



ホテルは一流ではないとしても、結構くつろげる。家族部屋のようで、部屋は二つを予約してあるが、中の部屋は行き来することができる。バスルームも大きく、お風呂にしてゆっくり入ることができた。ホテルについて午後3時半頃に昼食に出た。スミさんが歩くのに限界を感じているので、ホテルのすぐ近くの店で食べた。その後、羊子はピアノの練習でコンサート会場に行った。我々はホテルの部屋で少し休むことにした。
 羊子も練習から帰ってきて、午後9時頃、散歩に出た。商店街を通り抜けるとカテドラルがある。こちらは午後10時にならないと日が暮れない。まだ明るいのである。カテドラルは大きくそびえていた。今日は見学しないので外観だけを見て回った。バルセロナのカテドラルも荘厳であるが、こちらはそれ以上に荘厳であると思った。またこちらは教会が多く、ホテルのすぐ近くにも古い教会がある。どこも歴史を長く歩んだ教会ばかりで、石造りの建物は崩れかかっているようなところもある。



夕闇の中のカテドラル



芸術的な噴水



それから公園というか、遊歩道というか長い川沿いの道を歩いた。樹木が植えられ、ところどころベンチが据えられ、まさに憩いの遊歩道であり、公園である。しばらく歩くと芸術的な噴水があった。10mもあろうかと思われる細長い噴水で、いろいろな形で水が噴きあがる。まるで音楽にあわせているかのように噴きあがっては止まり、高く、小さく吹き上がるのである。羊子は噴水の動きにあわせて踊っていた。もはや夕闇であり、噴水はライトアップされているので、本当に美しい光景であった。その後、香港料理店に行き、中華ものを食べた。どこの街にも中華店、日本料理店はあるものである。
 スペインに来て、バルセロナで生活し、二つ目の都市ブルゴスに来たが、それなりに街づくりがあり、町の取り組みがあることを示された。