鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

スペイン滞在記 <44>

 

スペイン滞在記(2011年4月4日〜5月18日) <44>
2011年5月4日「歌と踊りの街」
 


今日は5月4日であり、バルセロナに向けて日本を後にしてから丁度一ヶ月になる。早いものである。観光が目的ではないので、あちらこちら名所めぐりをして過ごしたのではない。でも、せっかく日本から来たのだからと、羊子が忙しく活動しているので、同居しているRMさん、バルセロナ日本語で聖書を読む会の山田修平さん、SYさんたちが、それぞれご案内くださっている。サグラダ・ファミリアの外周、旧市街地、カテドラル、ピカソ美術館、モンセラット、サン・パウ病院、ガウディのカサ・ミラやカサ・パトリョ、サン・ジョルディの日の本屋街、水道局等である。羊子はパリの三大美術館(ルーブルオランジュリー、オルセー)に案内してくれたり、ランブラス通りやサン・ジョセップ市場等を案内してくれている。星子と二人で一時間歩いて地中海の浜辺にも行った。その他、買い物等で結構街の中を歩いている。名所はたくさんあるが、見て回らなくても、大体建築様式が共通しているし、今まで見学しただけで充分と思っている。
 ここのところ散歩に出なかったので、午後6時頃に星子と共に出かけた。まだ東の方面は歩いてないので、ひたすらまっすぐな道を歩くことにした。サグラダ・ファミリアの近くの通りで何やら歌が聞こえる。スピーカーを通して歌っているが、その前でダンスをしているのである。ほとんどが高齢者であるが、男女仲良くダンスをしている姿は微笑ましい。何のイベントなのかは分からないが、時にはこのような集まりがあるのかも知れない。
 こちらでは歌を歌い、楽器を奏でてお金をもらう人が結構いる。驚いたことに地下鉄の電車の中で歌っているのである。一人がアコーディオンを弾きながら歌い、一人が箱を持って乗客の間を回るのである。あまりお金を入れている人を見かけない。これは禁止されていることであるのだが。構内でも歌っていた。電車を降りて改札口に向かう途中でも、ギター等に合わせて歌っている。その前に箱が置かれているのである。構内だから遠くから聞こえる。最初は駅が音楽をスピーカーで流しているのかと思った。このようなことを鉄道会社が認めているようである。駅構内は許可を得た場所で、許可を受けた人が演奏することができるのだと羊子が説明している。日本では電車の中での携帯電話の通話は禁止されている。こちらでは禁止どころか、大声で電話で話しているのである。電車の中はかなりうるさくなっており、歌など歌われたら、携帯電話も聞こえないだろう。誰も苦情を言わないから、このようなことは慣れているのであろう。もっとも電車の中に、いつも歌い手がいるわけではない。たまたま乗った電車で歌われていたのである。しかし、電車の中にしても、構内にしても、かなりうるさく感じられる。山田さんに案内されて旧市街地に行った時にも、道端で歌っている人がいた。結構上手に歌っており、箱の中にはかなりのお金が入っていた。日本では若者達が路上で歌ったり、楽器を奏でたりしている姿を見る。これはお金が目的ではなく、芸能界に出る足がかりを作っているようである。上手な人は、いつかスカウトされるというわけである。
 散歩して歩くこと2500歩で引き返した。今日は5000歩で由とした。また、サグラダ・ファミリア付近に来ると、例の高齢者のダンスが続いていた。フォークダンスのように、何人かが列をなして踊っている姿もある。高齢者の憩いの場なのかな。教会の東側の公園では、あのゲートボールみたいなゲーム、ペタンカをしている人たちがいた。これは今までは男性しか見ていなかったが、ここでは女性も楽しんでいた。また、その傍らのテーブルではトランプを楽しんでいる高齢者もいた。公園のベンチには高齢者が座っている光景を見る。大勢の人が見学に来ているので、その人々を見ることも高齢者の励みなのかも知れないと思うのである。どこの国も高齢者の場が必要であり、外でダンスをしたり、ゲームをしたりすること、刺激になって良いことなのである。
 家に入る前にお土産屋さんに入り、いろいろと見て回った。案内書等は日本語でも売られている。何と言ってもガウディの作品にちなんだもの、サグラダ・ファミリアに関するものが多い。さて、何をお土産にしようかと考え始めている。


子供向けのおもちゃは、結構日本のものがある



買い物中は店の外で待つ
店の中にはキャリーケースを持って入ってはいけないことになっている