鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

スペイン滞在記 <22>

スペイン滞在記(2011年4月4日〜5月18日) <22>
2011年4月21日「サグラダ・ファミリア外周見学」



 今日はサグラダ・ファミリアとゴシック地区といわれるバルセロナ旧市街地へ出かけた。バルセロナ日本語で聖書を読む会のメンバーである山田修平さんが案内してくれた。山田さんはカタロニア州公認観光ガイドの資格を取得されており、プロのガイドさんに案内してもらうのである。私と星子の二人だけの案内であり、全く贅沢なことであり、ありがたいことである。
 山田さんは午前11時に羊子の家に迎えに来てくれた。出で立ちはガイドよろしく、小さなスピーカーを携帯され、説明されるので2mくらい離れていてもよく聞き取れる。実際、人が多いのでスピーカーがないと聞き取れない。まず、毎日のように目の前にしているサグラダ・ファミリア、聖家族贖罪教会を一周しながら説明を受けた。



サグラダ・ファミリアの受難の門側


一昨日、教会の中で放火事件があり、大事に至らなかったが、いつもより警備が厳しいとも言われている。今日は中には入らないで、外にある彫刻、装飾の説明をしてもらった。羊子の家から真向かいに見えるのは「受難の門」である。その門の中心はキリストが裸にされての磔刑像である。これについては前日に記した。最後の晩餐、ペトロが鶏の鳴く前に三度キリストを否認したこと、ユダがキリストに裏切りのキスをしたこと、ゴルゴダの丘に向かうキリスト、ピエタ等、受難の彫刻が次々にはめ込まれている。受難の門は西側になり、南側は「栄光の門」であるが、今は建設中である。そして、西側の反対側、東側は「聖誕の門」である。こちら側はキリストが聖誕する彫刻が次々に置かれている。ヨセフとマリアの間にいる幼子キリスト、受胎告知、三人の賢者たち、羊飼たち、マリアとエリサベト、12歳のキリストが学者に話している様、それらの上には天上の世界まで彫刻が飾られている。
 


聖誕の門側。聖誕の像。



羊飼い達。博士達は前日のブログを参照。



サグラダ・ファミリアは、何と言っても尖塔にある。現在見ることができるのは8本の尖塔である。計画ではこれに10本の尖塔が加わり、合計18本の尖塔になるという。現在の尖塔は100mから110mの高さがある。今後、「キリストの塔」が170m、「聖母マリアの塔」が125メートル、「福音書家の塔」4本は120mになるという。さらにこれからできる「栄光の門」には100mから110mの塔が建てられることになっており、合計18本になるのである。「福音書家の塔」は4本であるので、少なくともマタイとヨハネは、一般的には12使徒になるので、12使徒の塔から外れる。そうするとマタイとヨハネに代わる使徒は誰であるかと思わせられた。パウロ、ステパノ等を考えるが、いずれ製作者ガウディの計画書を調べることができれば思う。それぞれの尖塔の上には果物等の彫刻となっている。私の理解では、ヨハネの黙示録22章に記される「命の木」の実であると思った。「神と小羊の玉座から流れ出て、水晶のように輝く命の水の川が流れ、川は、都の大通りの中央を流れ、その両岸には命の木があって、年に12回実を結び、毎月実を実らせる。そして、その木の葉は諸国の民の病を治す」(22章1、2節)。
 


全部で18の塔が造られるという



これらの尖塔を仰ぎ見るとき、その塔の一つひとつの位置づけを示されるが、これらは単に高さの尖塔ではないということである。この教会は教会であると共に、「楽器でもある」とか「植物のように成長するのだ」とか「街中に時と鐘の音を届ける拡声器の役割を担っている」とさまざまなことが言われている。(山田修平著「バルセロナの不思議に見せられて」)。合計18本の塔のうち、「聖誕の門」「受難の門」「栄光の門」には4本ずつの塔であり、これらはキリストの12使徒でもある。それぞれの塔には7個ずつの長短の鐘が施され、計84個の鐘が時を打つことになる。12使徒の鐘の音は福音をあまねく世に示すものなのである。喜びの音として世に告げ知らせるのであろう。そのときはいつになるのか、100年後とも200年後とも言われている。そのときのことを示されて平和を与えられたいと思った。
 今日は洗足木曜日である。サグラダ・ファミリアを見学し、その後は旧市街地に赴いた。夕刻5時ころには帰宅して、羊子の教会に行く予定であった。教会に集まる人々が洗足を行うさまを見てみたかった。しかし、一昨日ウィルス性風邪に犯された後遺症もまだ残っているのでやめにした。後に羊子からその様子を聞くことになる。