鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

スペイン滞在記 <7>

スペイン滞在記(2011年4月4日〜5月18日) <7>
2011年4月8 日「ルーブル美術館


朝の食事は、このホテルにはレストランがあるが、ゆっくりと自由な時間に食べるために、昨日の夜に買っておいたものを食べることにした。午前10時30分、ルーブル美術館に向かった。歩いても10分かからないが、スミさんの車椅子を押しながらなので、多少時間を要したのである。スミさんは歩けるのであるが、少し長く歩くと腰が痛くなるので、なるべく車椅子に乗るようにしている。この車椅子は羊子が用意していたものである。今日も大勢の人であふれていた。中に入るためには空港なみに荷物の検査がある。その後、チケットを買うことになる。そのとき、美術館用の車椅子を借りることにした。チケット売り場の広場には人があふれていた。おそらく一日で数万人は見学に訪れるのではないかと思われる。
 ルーブル美術館は世界屈指の美術館で、30万点以上の展示品がある。中世期に要塞として建てられ、次いで国王の住居として8世紀に渡る歴史の舞台としてのルーブル宮になる。シャルル5世の時代に設立され、フランソワ1世にコレクションが始まり、1793年より一般公開されたといわれる。世界の貴重な資産が展示されているのである。この美術館をくまなく見学するとしたら、到底一日では無理である。そのため特に知られているものの見学とした。ガイドをしてくれる機器を片手に、説明を耳で聞きながら順次回ることにした。
 古代オリエント美術、古代エジプト美術、古代ギリシャ・ローマ美術、イスラム美術、工芸品、彫刻、絵画等が展示されている。たくさんあるので、一つ一つの鑑賞はできない。歩きながら見てまわるという具合である。どれも有名なものばかりであるが、彫刻では「ミロのビィーナス」には多くの人が立ち止まって鑑賞していた。そばで見ると大分でこぼこしているところがあるが、やはり全体的には美しい。紀元前100年頃に造られたといわれる。絵画では「モナリザの肖像」を見る事で、今までは写真でしかみてないが、本物を見たことに喜びを感じる。ここにも多くの人が鑑賞していた。絵画は聖画が多く、聖書を題材にしたものでもキリストの十字架に関わる絵が次々に展示されている。こんなにも多くの十字架の場面の絵が描かれているのである。圧巻は「カナの婚宴」である。縦6.66m、横9.90mの大絵画である。この絵は教会のカレンダーの絵として使われているので馴染みが深い。「ナポレオン1世戴冠式」も大絵画である。作者のルイ・ダヴィッドは、この絵は世界で一番大きい絵である自負したそうである。縦6.21m、横9.79mである。しかし、残念ながら「カナの婚宴」よりわずかに小さいのである。それにしても、よくもこんなに大きな絵を描くものだと関心する。
 

ラファエロの「聖母子と幼い洗礼者ヨハネ」、シメオン・シャルダンの「食前の祈り」等と今までも見ている絵であり、日本語の解説を聞きながら鑑賞するのであるが、解説が深く読みすぎるのではないかと思われる節がある。 そこまで解釈しなくてもよいのではないか思うこともあるということである。大体において、絵画の解説があるが、解説者の深読みも感じられると言うことである。何か無理して解釈している趣もあるということである。
 


午前10時30分頃から見学を始め、美術館を後にしたのは午後4時頃であった。足が棒のようになってしまい、時たま屈伸運動をしたり、足を伸ばしたり曲げたりしながら棒足を癒していた。よく歩いたものである。残念であるのは携帯電話を置いてきてしまったことである。万歩計がついているからである。おそらく1万歩以上は歩いていることであろう。
 ようやくルーブル美術館を後にした。見ない部分が多くあるが、特に知られている美術品を見ることができて満足である。遅い昼食をした。日本の中華料理店「ひぐま」という店があり、そこで食べることにした。料理人も接待する人も日本人であった。久しぶりにRMさんや家族以外の人と日本語の会話をした。私は中華丼を食べ、羊子や星子、スミさんは半チャンラーメンを食べた。パリは日本人が多く、夕刻は結構込み合うと言う。他にも「すし屋」や「ラーメン屋」、中華料理店を見かける。必ずしも日本人が経営しているのではなく、中国人が多いという。ホテルからそれほど遠くないので、ホテルは二つ星ながら利用客が多いようである。