鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

スペイン滞在記 <5>

スペイン滞在記(2011年4月4日〜5月18日) <5>
2011年4月6日 「東北関東大震災被災者救済協力コンサート」



 今日は夕刻7時から羊子を中心とするコンサートが開催される。羊子の知人が、日本の東北関東大震災において、復興に立ち上がっている日本に協力するためのコンサートを開催してくれる。学校の講堂を借りてのコンサートである。午後5時頃、タクシーで会場に向かう。7時からであるので、時間は充分であるが、リハーサルをするために早く会場に来たのである。従って、6時には会場に来たが、まだ人々は集まっていなかった。出演者が順次リハーサルをしていた。そのうち、順次人々が入ってきた。小さな子供ずれもおり、若い人、高齢の人等、さまざまな人々が来場している。入場は無料であるが、帰りに協力金を箱に入れるのだそうだ。
 




午後7時、コンサートが始まった。最初は羊子のピアノ演奏である。「Fantasia Sakura-Sakura」、ラフマニノフ、ファリャの三曲を演奏。さらにトランペットと共演して「浜辺の歌」を演奏した。その他、管弦楽団の演奏、日本人のMFさんがトランペットの演奏、日本人のTR さんのピアノ演奏等が行われた。8時30分前に終わり、主催者のあいさつ、演奏者を代表して羊子の挨拶があった。羊子は挨拶で、日本から家族が来ていることを紹介したので、一番後ろに座っていた我々を皆さんが振り返り、大きな拍手を送ってくださった。そして帰る時には、多くの皆さんが我々と握手しつつ帰って言った。覚えたばかりの「グラシアス」を皆さんに述べた。
 


ピアノ演奏のTRさんは、約10年前よりバルセロナに来ており、今は学校に行っているという。羊子と一緒にコンサートに出演できて光栄であると述べていた。本日のコンサートには150人くらいの人たちが来ていた。協力金は日本領事館を通じて送金される。外国の皆さんが日本の復興に協力してくれていることは、日本にいるときもテレビで紹介されているので、ありがたいと思っていた。今日は実際にバルセロナの地で日本の復興をお祈りしている人々に接することができ、感謝の思いに満たされた。
 



羊子は地震発生後、今までも数回にわたり復興協力コンサートを開催している。我々が帰国する5月17日までに5回のコンサートを開催するが、いずれも日本の復興のための協力を求めるものである。皆さんが心を寄せて下さること、本当にありがたく思っている。
 帰りはタクシーが通る道まで歩いた。車椅子を持っていかなかったので、スミさんは歩くのが大変のようであった。しかし、歩いているうちにタクシーが来たので乗ることができた。日本の綾瀬にいるときのように、この辺は山坂が多い。バルセロナの街は山側と海側に分かれており、方角を言う時には山か海側を示すと言うことである。羊子のマンション辺り、それはサグラダ・ファミリア付近であるが、ゆるい坂になっている。人が歩いても分からないくらいだが、傾斜になっているのである。道路と言えば碁盤の目のようになっており、大通りは対面交通であるが、ほとんどの通りは一方通行である。道路には車が走る部分と自転車が走る部分があり、線がひかれている。日本の場合は歩道を自転車が走るので危ないのであるが、こちらではその心配がない。その道路の両側は車が縦列駐車している。どこの通りも駐車している。貸し駐車場もあるが、路駐がほとんどである。週末と平日の夜間の道路駐車は無料であるが、通常はパーキングチケット制で、警察が結構見張っているそうである。違反すると罰金やレッカーされてしまうという。道路が整備されているし、道幅も広い。しかし、路駐が多いので、車が走る部分は一車線または二車線と言うことになる。信号は日本のような大きさではなく、結構小さいので、どこに信号があるか見落としてしまう。歩行者のマナーがよろしくない。信号が赤でも車が来なければ、みんなぞろぞろと渡っている。赤信号でわたっている時、車が来ても止まってくれて、日本のようにぶーぶーと警笛を鳴らさない。交差点の角は三角に削れているので、タクシー等が止まるには、その三角地帯に止まるので、危険が少ないと言うことである。
 



午後9時30分頃に帰宅した。夕食はRMさんがある程度用意してくれていた。スミさんの手料理を加えていただく。今日はこちらの人々が日本の復興のために祈りつつ協力してくれている感謝、今日も健康が与えられ食事をいただくことのできることの感謝の祈りをささげて夕餉とした。明日から三日間、フランスのパリに行くので早い就寝とした。