鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

遥かなるスペイン ( 訪ねたいと )

 
 私達夫婦を御存知の方は、今ごろはスペインに行っているはずなのに、と思われている方がおられるでしょう。しかし、まだ日本にいるわけで、その訳を記しておきましょう。
 娘の羊子がスペインにわたり、バルセロナでピアノの演奏活動をしていることは御存知の通りです。彼女はスペインに渡ってから、もはや10年にもなりますが、人々からピアノ演奏を喜ばれ、各地でコンサートを開催しています。テレビで放映され、ラジオでも放送されたりしています。こうした活動を親として喜んでいますが、羊子としては親が訪れることを望んでいるのです。自分の活動の様子を見てもらいたいとの思いですが、世界的にも有名なサグラダファミリアを見せたいし、フランスにも連れて行って美術館を見学させたい、スペインの光と影の美しさ、教会の数々等を見せたいとの思いがあるのです。羊子の家はサグラダファミリアの目の前で、眺めも良く、早く私に来てもらいたいとの思いがあるのです。
 今までは、2010年3月までは大塚平安教会の牧師、ドレーパー記念幼稚園園長、二つの施設に関わり、刑務所や少年院にも関わり、何よりも日本基督教団の書記という重責を担っていたので、羊子を訪ねたいとの思いを持ちつつもできませんでした。連れ合いのスミさんは二度も行っています。一度は一ヶ月、二回目は二ヶ月も行っていたのです。そのため羊子が飼っている4頭の犬ミニピンシャ、2匹の猫ペルシャ猫とシャム猫とも仲良くなり、電話で声を聞かせたりしています。4月からは、もしかしたら行かれるかなと思っていましたら、横浜本牧教会の代務者を仰せつかり、9月までは動きが取れませんでした。そして、10月からはすべての職務から解放されました。わたしのスペイン行きが浮上してきたのです。今回は、連れ合いのスミさんと二番目の子供・星子と三人で行くことにしました。羊子も日程的には11月の下旬から1月中旬頃までが良いと言ってきました。クリスマスの行事を見てもらいたい、コンサートも開催するので聞いてもらいたいとの思いです。11月と1月としているのは、12月は飛行機が込み合うと言うことです。1月初旬まで混雑するので、それを避けての日程を指定してきたのです。それで11月中旬には出発できるように準備を始めました。スミさんとダイエイの店に旅行社があるので、様子を聞き、実際に日程を調べてもらいました。まだ、チケットは発注していません。
 9月まで横浜本牧教会附属早苗幼稚園の園長を務めました。運動会を10月11日に開催するので、ぜひ参観にお出でいただきたいとのお招きがあり、スミさんと共に出かけました。横浜本牧教会は私の弟子でもある森田裕明牧師が10月から牧師・園長として就任したのです。運動会では 午前の部が終わり、お昼のお弁当の時となりました。森田園長、教職員の皆さん、教会の関係者の皆さんと共においしいお弁当いただきました。その際、私が近々スペインに行くことを森田園長に話したのです。すると、森田園長は血相を変えて、それは困りますと言うのです。森田裕明教師の横浜本牧教会牧師就任式を11月21日に開催することになっているからです。その日の日程を決めるのに、まず第一に私の都合を聞き、私がその日なら出席できるということなので、日時が決まったのでした。「先生に日程を合わせたのに、先生が出席できないのでは困ります」との抗議をいただいてしまいました。そうです、彼のためにはぜひ出席しなければならないのです。
 というわけで11月22日に出発する予定を作りました。ところがその日程も甘い考えで、教団の常議員会が終わったばかりで、議事録を作らなければならないのです。すると、旅行の準備もできず、結局延期にしました。羊子も残念がっていましたが、それなら来年の春、暖かくなってからにしたらと言ってくれるようになりました。観光はともかく、羊子が生活している町の空気を吸ってくれば良いと思っています。今は遥かなるスペインの空気でありますが。
<聖書の言葉>
しかし今は、もうこの地方で働く場所がなく、その上、何年も前からあなたがたのところに行きたいと切望していたので、イスパニアに行くとき、訪ねたいと思います。
(ローマの信徒への手紙15章23節、24節)