鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

教区活動連帯金( 聖なる者たちへの献金 )

   
本日は教団の教区活動連帯金検討委員会が開催されました。この委員会は第36総会期の最後の委員会であり、委員長を務めてまいりましたが、その任も終わることになります。日本基督教団には教区活動連帯金配分委員会が、17教区が連帯して教区を支え合っているのです。
日本基督教団には17の教区があり、それぞれの地域で伝道し、主イエス・キリストの救いを宣べ伝えています。北海教区(北海道)、奥羽教区(青森県岩手県秋田県)、東北教区(宮城県福島県山形県)、関東教区(新潟県群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県)、東京教区(東京都、千葉県)、西東京教区(東京都)、神奈川教区(神奈川県)、東海教区(長野県、山梨県静岡県)、中部教区(富山県、石川県、福井県、愛知県、岐阜県三重県)、京都教区(京都府滋賀県)、大阪教区(大阪府奈良県和歌山県)、兵庫教区(兵庫県)、東中国教区(岡山県鳥取県)、西中国教区(広島県山口県島根県)、四国教区(香川県愛媛県徳島県高知県)、九州教区(福岡県、佐賀県長崎県熊本県大分県、宮崎県、鹿児島県)、沖縄教区(沖縄県)。日本中、至るところに教会がありますが、日本基督教団は1,725の教会・伝道所がありますが、活動休止が35ありますので、1,690 の教会・伝道所が宣教活動を行っています。信者は実際に礼拝に出席し、教会を支えているのは12万4千人位です。牧師・教師と言われる人たちは約2千人です。地方の教会では牧師が不在の教会もあり、困難な伝道をしているのです。地方の教会では青年が洗礼を受けても、都会に勉学や就職で出て行ってしまうことが多く、せっかく信者に育てても、いつも少ない信者により教会を支えているのです。そのため、地方教区は財政的にも困難であり、小教会を支えながら教区の歩みをしているのです。
 このような現状を受けとめ、当初は平衡資金として拠出教区と受入教区が決められ、格差を是正する方向が定められました。その後、平衡資金は教区活動連帯金と改められました。しかし、この活動は教団内で行われていますが、教団として明確な位置付けがなく、教区間の互助として進められて来ました。しかし、この取り組みの中で、「連帯」のためでありますが、教区のあり方において連帯できないと主張する教区が出てきました。脱退を主張する教区、拠出金を留保する教区等があり、足並みが揃わなくなってきたのです。そこで、36総会期第4回常議員会は「教区活動連帯金検討委員会設置に関する件」を上程し、可決されたのであります。2010年2月のことでした。それから委員会が開催され、協議されてきましたが、本日10月7日は第4回目の委員会でした。この総会期では結論を出すことができず、次期総会期へと継続されることになったのです。このことに関して17教区にアンケートを出しましたが、ほとんどの教区は、このような形で各教区が支え合うことの必要を覚えています。しかし、組織的に問題点があるので検討委員会にゆだねているのであります。
 都会の教会がみな大きな教会ではありません。都会にあっても小教会があります。信者が10名もいない教会・伝道所があるのです。都会の教区はそれらの小教会を支えながら、地方教区をも支えているのです。祝福された教区活動を支え合う組織となるようお祈りしているのです。
 使徒パウロは外国人伝道をした人です。本山エルサレム教会が困難な状況にありますので、外国人の信者から募金を集め、エルサレム教会にささげています。エルサレム教会はユダヤ教社会の中で、主イエス・キリストを信じて生きることの困難があります。また、信者は生活も困難を強いられているのです。パウロは祈りつつエルサレム教会を支えたのであります。
<聖書の言葉>
聖なる者たちのための募金については、わたしがガラテヤの諸教会に指示したように、あなた方も実行しなさい。わたしがそちらに着いてから初めて募金が行われることのないように、週の初めの日にはいつも、幾らかずつでも手もとに取っておきなさい。そちらに着いたら、あなたがたから承認された人たちに手紙を持たせて、その贈り物を届けにエルサレムへ行かせましょう。
(コリントの信徒への手紙<一>16章1-3節)