鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

地の果てまで…(神学校卒業生を覚えつつ )

今日は、私の手帳には東京聖書学校の卒業式と書かれており、出席の必要がありました。しかし、書かれている予定に傍線を引いてあり、予定をキャンセルにしているのでした。キャンセルにしたのではなく、日程を間違えて書き込んだのです。正式には3月2日でした。この日は他の予定が入っているので出席することはできません。教団の役員打合せ会のときに示されたのが3月9日であったので、この日なら私の予定がつきました。教団に関わる五つの神学校に教団を代表してお祝いに行くのです。そのため議長、副議長、書記、幹事がそれぞれ出席することになっています。日本聖書神学校の卒業式については、すでに記しています。東京聖書学校については行ったことがないので、ぜひ出席したいと思っていました。
その機会は昨年ありました。当教会員の息子さんが昨年、この神学校を卒業したのでした。お祝いに出席したいと願いましたが、3月は何かと所用があり、失礼してしまいました。彼、大矢真理君はドレーパー記念幼稚園の卒業生です。教会学校に出席しつつ成長しましたが、大学を卒業し社会人となっていくとき、教会には来られなくなりました。それでも時々教会を訪ねては牧師夫婦と話すのでした。そのうち初雁教会に出席するようになり、ついに洗礼を受けたのでした。そして、神学校にも入ってしまったのです。当教会に来ては牧師と話すとき、ある意味ではキリスト教を批判的に捉えていたのに、随分とお導きをいただいたと思いました。
新約聖書の中でパウロという人はイエス・キリストを信ずる人々を迫害していました。それは彼が熱心なユダヤ教の信者であったからです。次第に増えていくイエス・キリストを信ずる人々の群れを、何とかしなければならないと思い、迫害に出かけます。その途上で復活の主イエス・キリストに出会うのです。
「ところが、サウロ(パウロの前の名)が旅をしてダマスコに近づいたとき、突然、天からの光が彼の周りを照らした。サウロは地に倒れ、『サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか』と呼びかける声を聞いた。『主よ、あなたはどなたですか』と言うと、答えがあった。『わたしはあなたが迫害しているイエスである。起きて町に入れ。そうすれば、あなたのなすべきことが知らされる。』」(使徒言行録9章1節〜)。こうして復活の主に出会ったサウロは名をパウロと改め、熱心なイエス・キリストの信者として生きるようになりました。新約聖書の中でも多くの聖書を書き、ユダヤ人ではない異邦人、すなわち世界の人々にイエス・キリストの福音を宣べ伝えるようになったのです。
大矢真理君は昨年4月から山梨の八代教会に伝道師として赴任しました。牧師または伝道師が教会に赴任する場合、すでに4月から赴任していますが、5月に開催される教区総会で補教師の准允を受けます。牧師の場合は正教師としての按手礼を受けます。それにより教会は就任式を執行することになるのでした。大矢真理伝道師の場合、東海教区で准允を受けました。丁度私は教団問安使として東海教区に出席しましたので、彼の准允式に臨むことができました。そして、6月に八代教会の就任式が執行され、大塚平安教会の礼拝後に山梨へ駆けつけたのでした。就任式については昨年6月の日記に記しています。彼の東京聖書学校卒業式には出席できませんでしたが、准允式、就任式に出席できたことを喜んでいる次第です。若い伝道者として一生懸命に福音を広めています。送られる週報で彼の働きぶりを知るのでした。
この3月に五つの神学校を卒業した皆さんは、4月から赴任を予定している教会への準備をしていることでしょう。大きな希望を持ちながらも不安もあり、いろいろな思いを交々に持ちながら今を歩んでいることでしょう。立派な牧師になれ、とは言いません。主イエス・キリストの御旨に忠実に歩むことが求められていることです。祝福豊かな伝道者となりますようお祈りしています。
聖書の言葉
「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」(使徒言行録1章8節)