鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

わたしはあなたの神…(信教の自由を守る日)

今日は昨日の「建国記念の日」の振り替え休日になっています。しかし、キリスト教では根拠のないことなので、「信教の自由を守る日」としています。2月11日は日曜日でしたので、日曜日の午後に集会を開いたところもありますが、今日の12日にいろいろな集会が開かれました。日本基督教団神奈川教区のそれぞれの地区で開かれた集会を書きとめておきましょう。時代の風潮を書き残しておく意味でもあります。川崎・鶴見地区。講演「改憲手続法案にどう向き合うのか?」(「国民投票法案」そして「日の丸・君が代強制違憲判決」)、講師は穂積匡史さん。川崎教会にて。西湘南地区。講演「これからの『天皇制とキリスト教』」、講師は高橋敬基牧師。小田原教会にて。横浜地区(B)。講演「教育現場からの『共生』を考える」(教育法改定後の時代の中で)、講師は小暮修也さん。会場は紅葉坂教会。そして、大塚平安教会が属する湘北地区。講演「国家は心に何を求めているのか」(改定教育基本法と『心のノート』)、講師は三宅晶子さん。会場は厚木上教会。神奈川教区内だけの集会を記しました。いずれも国の政策を批判的に捕らえ、学びを深めています。そのような中で、湘北地区は他の地区とは異なる取り組みをしています。湘北地区の場合は「信教の自由を守る合同祈祷会」なのです。湘北地区が「合同祈祷会」として2月11日を受け止めるのは、1985年からであると思っています。地区では「湘北地区報」を発行していますが、第3号にその日のことが報告されており、それ以前は2・11集会なるものは開いていなかったと思います。いろいろな意義を持たせつつ開かれている集会の中で、湘北地区は、何よりも祈ることが大切であると示され、当時の地区委員会が決めたのでありました。
1985年2月11日に開催された「信教の自由を守る合同祈祷会」は翠ヶ丘教会が会場でした。「湘北地区報」(第3号)に掲載された当日の報告をそのまま記しておきます。
「三人の牧師の奨励があり、伊藤忠雄牧師(橋本教会)から『世界平和について』、鈴木伸治牧師(大塚平安教会)から『厚木基地騒音訴訟支援について』、青木勝次牧師(秦野教会)から『ヤスクニについて』を聞く。その後、出席者全員がこの日についての感想を述べ合い、その後、心を一つにして祈りをささげたのであった。この日は各地で集会等が開催されたが、当地区のように祈祷会を催すのは特異な活動である。出席は29名。」
湘北地区で、今もこの日を合同祈祷会としていることは喜ばしいことであります。抗議集会、デモ行進等、確かに意義があると思いますが、まず神様に向かい、現状を神様に申し上げ、このような中で私たちがどのように生きるのか、神様の御心をいただくことが大切なのです。
信教の自由を守ることは大切なことです。地域に住むとき、いつの間にか神道に協力させられてしまうことがあるでしょう。もうかなり昔ですが、綾瀬市に住むようになり、この地域では神輿がないから、皆さんの寄付で神輿をおきましょうとのお知らせがありました。神輿を担ぐことで地域の交流を推進するのだとも言われていました。神輿がないと地域として格好がつかないようです。しかし、神輿はもともと神道に属するものです。地域の交流のためとは言え、協力する必要がないのです。かく言う私は、小さい頃は、教会学校に通っていたのに、お祭りの日には神輿を担いだり、山車を引いたりして楽しんでいました。このようにして地域の氏子が育っていくのです。子供にとってはそれが宗教的なものであるというより、地域のお祭りとして喜んでいるに過ぎません。
信教の自由を守り、真の神様のみを仰ぎ見つつ人生を歩みたいと願っています。
聖書の言葉
「わたしは主、あなたの神、あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出した神である。あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない。」(出エジプト記20章1-2節)