鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

祝福の約束…(教会と幼稚園の合意事項)

今日は幼稚園の理事会が開催されました。この理事会で次年度の方針を決めました。今後の幼稚園の運営のためにも、この理事会は大切な会議でした。幼稚園はもともと大塚平安教会の付属幼稚園でありました。宗教法人立の幼稚園でありましたから、教会の役員会が運営を担っていたのです。当園は1977年に学校法人に移行したので、丁度今年で30年を経ました。宗教法人として開園したのは1962年でありました。開園してから行政は、なるべく学校法人に移行することを奨励していました。宗教法人立や個人立の幼稚園運営が杜撰なところがあり、学校法人幼稚園として適切な管理運営をするよう呼びかけていました。宗教法人幼稚園はなかなか呼びかけにこたえず、今でも宗教法人幼稚園として運営しています。決して杜撰な運営ではありません。宗教法人幼稚園は学校法人幼稚園のようには助成金は与えられません。それなのに、苦しい運営なのですが、良い幼稚園の歩みをしているのです。ところで、他の宗教法人幼稚園が行政の呼びかけにこたえなかったのに対して、当園は1977年に学校法人となりました。
学校法人に移行したのは前任の乙幡和雄先生の時代ですが、移行してから2年後に私が就任したので、今日まで30年の学校法人幼稚園の内、28年間は私が責任をもってきたのでした。教会が幼稚園を学校法人に移行させるとき、大きな決断をしたのです。学校法人に移行することは、教会が幼稚園を切り離し、法人を異にすることなのです。そのため宗教法人は学校法人幼稚園のために、今までの幼稚園そのものを寄付することになるのです。問題があります。学校法人になったとき、その法人の理事長、園長は今までの牧師がなりますが、もはや宗教法人とは関係ありませんから、自分の思いに従う理事、評議員を選任します。結局、もともと教会の財産であったものが、学校法人幼稚園となり、教会から分離し、理事長個人の幼稚園になってしまったケースがあるのです。全国のいくつかでそのようなケースがあるので、宗教法人立幼稚園は移行にはよくよく注意しました。大塚平安教会はそのため移行にあたり、学校法人幼稚園と合意事項を締結させました。
「学校法人大塚平安学園と宗教法人日本基督教団大塚平安教会との基本的合意事項」
1. 学校法人大塚平安学園ドレーパー記念幼稚園はあくまでも創立の精神、すなわち、キリスト教主義を尊重する。
2. そのため、大塚平安教会との関連は常に十二分に計られなければならない。
3. 学校法人大塚平安学園(以下、学園という)の理事長及び学園長は、大塚平安教会の代表役員が兼任する。
4. 学園の理事、評議員及び監事は可能な限り大塚平安教会員より選出し、過半数を下まわることがないように常に心がける。
5. その他(大塚平安教会員以外)の理事等は日本基督教団に所属する教師また信徒とする。
6. 学園は大塚平安教会の宣教活動に積極的に協力する。(例えば、今日まで園舎が教会学校、その他の特別な教会の行事の際に用いられてきたが、今後もこの面で変わることがなく、園舎を大塚平安教会の活動に提供する。)
7. 次にかかげる事項は大塚平安教会役員会に報告されなければならない。
①学園の予算及び決算報告。②理事等の役員が変わる場合。③何かの事由で学園の寄付行為が変更する場合。④教職員の異動。
8. 大塚平安教会員は学園のために祈り、出来る限りの奉仕、協力を行う。
9. 大塚平安教会員で学園の経理を閲覧したいとき、学園はこれを拒んではならない。
10.その他、必要なことが生じた場合、大塚平安教会役員会に報告する。そうして今日までの関係が絶対に薄れることがないように、相互に協力する。
以上が学園を設立するための大塚平安教会総会において取り決められた事項である。
1976年12月6日
議長 乙幡和雄
聖書の言葉
「わたしは、あなたとの間に、また後に続く子孫との間に契約を立て、それを永遠の契約とする。」(創世記17章7節)