鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

お弁当をささげた少年…(年長組との会食 )

今日も良いお天気でした。毎日お天気が続き、うれしく思いますが、暖冬で困っている人々を思うと、暖かいからと喜べないでしょう。今日は年長組の会堂礼拝がありました。会堂礼拝は月に一度行っていますが、3月で終わりになりますから、締めくくりのお話をしました。「主の祈り」について示されていますが、今日で一通り「主の祈り」について学び終えたことになります。3月は復習をして、「主の祈り」を祈りつつ歩むことを励ましたいと思います。
今日から年長組とのお弁当が始まりました。5名のお友達が園長とお弁当を食べます。少し前までは園長室で食べていましたが、最近はOA機器で狭くなり、教会の集会室で会食をしました。いつもと環境が違うので、おしゃべりばかりしているお友達がいます。黙々と食べて、いち早く終わってしまうお友達がいます。今まで何が楽しかったか等を聞きます。雪遊びやクリスマス、一泊保育のことも覚えています。何処の小学校に行くかと尋ねます。ほとんどのお友達が自分の小学校を言います。大きな夢をもっているようです。教会の書斎で食べたこともありました。書斎には本をはじめ、いろいろな飾り物や置物があるので、珍しがって食が進まない状況でした。それで、集会室であれば目移りするものが無いので、お弁当に集中できますし、お話も弾むのです。
年長組のお友達と会食をするようになるのは、園舎の改築をしてからですから、かれこれ13、4年なるでしょう。以前は園児が多くいたので、5名ずつ会食をして10日以上要しました。しかし、今は減少しているので6、7回で終わります。お弁当を食べながらいろいろなお話が出来るので、とても良い出会いのときなのです。5名が一緒に来て、一緒に帰ります。それで、食べることの遅いお友達がいると、なかなか教室に戻れません。教室やホールではお弁当を食べてから、お正月遊びをしています。自分も早く遊びたいのです。だから、食べるのが遅いお友達を一生懸命応援するのです。終わりに近くなると片づけを手伝ったりするのでした。以前、障害を持つお友達A君と共に来たグループは、皆でA君を応援していました。まず、A君を真ん中に座らせ、鞄からお弁当を出してあげていました。お弁当を開くと、とにかく食べることを励ましていました。お世話ばかりするものですから、自分のお弁当が進まない状況でもありました。お弁当が終わったときにも、片付けてあげ、そして手をつないで帰っていくのでした。なんてやさしいお友達ではないでしょうか。
「園長先生と食べることが分かっていたら…」と言われるお母さんがいました。そしたら、どうなのでしょう。園長と会食の日はご馳走をお弁当に入れるのでしょうか。いつものお弁当でよろしいのです。とにかく楽しくお話をしながらお弁当を食べたいのです。「園長先生のお弁当、だれが作ったの」と聞きます。「奥さんだよ」、「園長先生のお母さん?」。
お弁当と言えば、以前のことですが、毎日のお弁当を写真に写していたお母さんがいました。その写真帳を見せていただきましたが、毎日工夫を凝らして楽しいお弁当が写っていました。大きくなってお弁当の写真を見、お母さんの愛情を知るでしょう。
忙しくてお弁当を作る時間が無い、だから給食がある幼稚園に入れる家庭があります。当園はお弁当にこだわっているようですが、準備できないご家庭も理解しています。そのため、準備できなければ幼稚園で用意します、とお知らせしています。そのときは、サンドウィッチやおにぎりをコンビ二で求め、お弁当に変えるのです。お弁当を忘れたお友達にはそのようにしています。お弁当は幼稚園の時代だけです。小学校になれば給食でありますから、お弁当を作る機会がなくなるのです。
お母さんが作ってくれたお弁当を、どのお友達もおいしそうに食べています。そして、満足しています。さあ、明日もまたお友達と園長の会食を楽しみにしています。
聖書の言葉
「ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます。」(ヨハネによる福音書6章9節)