鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

天使の歌声(アドベント第一週)

金曜日は幼稚園の合同礼拝です。全園児が一緒に礼拝をささげます。今日は第ニアドベント礼拝であり、ローソクの火が二本になりました。そして、今日は礼拝に続いてページェントの練習をするので、その配置で座りました。すなわち、いつもはひよこ組、ゆり組、星組とまとまって座りますが、天使、羊飼いと羊達、博士とらくだ、星の群れ、ヨセフとマリア、聖歌隊等がそれぞれの位置に座っています。いつもの場所と違うので、なんとなく落ち着かない姿もありますが、ページェントなんだとの思いが子ども達にも深まってきています。正面には馬小屋のヨセフとマリア、そして赤ちゃんのイエス様の絵が掲げられています。両脇には羊飼いと博士達の絵も掲げられています。ツリーやステンドグラス等もクリスマスの雰囲気を盛り上げており、子ども達も十分イエス様のお誕生を心待ちにするようになりました。
前週は羊飼いのお話をしました。羊飼いさん達がイエス様のお誕生をお祝いできたことです。羊飼いさん達はたくさんの羊の面倒を見ています。犬や猫を飼うように一匹、二匹ではありません。たくさんの羊を飼うのは羊の毛が人間の服になるからです。たくさんいるので家では飼えません。野原に行き、羊の面倒を見るのです。羊飼いさん達はいつも耳を傾けて羊の鳴き声を聞いています。今、鳴いている羊はどの羊であり、その鳴き方はどのような状態であるかわかるのです。だから、いつも羊の鳴き声に耳を傾けているのでした。ある日のこと、羊飼いさん達が夜通し羊の番をしていると、不思議な歌声を聴くのです。それは天使の歌声でありました。天使は羊飼い達に告げます。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」(ルカによる福音書2章10-12節)。そして、羊飼いさん達は言われるままに馬小屋へと馳せ参じたのです。イエス様とお会いできたのでした。羊飼いさん達がイエス様にお会いできたのは、いつも羊の鳴き声に耳を傾けていたからです。どんな声でも聞きましょうという姿勢が天使のお知らせを聞くことが出来たのです。私達もお友達の声を一生懸命に聞くと、お友達のことがわかってくるのです。本当のお友達になります。羊飼いさん達がイエス様とお会いして喜んだと同じ喜びが与えられるのです。
ヨセフさんとマリアさん人工調査でベツレヘムにやってきました。しかし、どこの宿屋さんも満員で泊まるところがありません。ある宿屋さんが馬小屋へ案内してくれました。そこしか泊まるところがなかったのです。馬小屋は夜露はしのげますが、やはり動物の小屋でもあります。誰も人間は来ないのです。イエス様が生まれたとき、満員の宿屋さんは、人々は楽しく語り合っていたでしょう。だから、天使のお知らせを聞くことは出来ません。そのような楽しい会話の中にも、ふと楽しい会話を止めて、別の何かの声を聞こうとするなら、そこにこそ天使の声を聞くことが出来たのです。
私達は人々の声を聞いているといますが、それは自分の好みによる声であり、音でもあります。私自身、最近の若い人達の歌には興味を持ちません。およそテレビの歌番組などでも、若い人達の歌を聴こうとしない姿があります。聞きたくない声には耳を傾けないということ、そして好みの声や音しか聞いていないということなのです。改めて、どんな声にも耳を傾けることを示されるのです。
羊飼いさんのお話は前週したものです。今日は博士さんのお話ですが、それについては明日記すことにいたしましょう。

聖書の言葉
「天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼い達は、『さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか』と話し合った。」(ルカによる福音書2章15節)