鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

聖霊が宿る神殿(ダルクの活動 )

今日は午後から刑務所、教誨師の総会と研究会がありました。研究会は年に数回開催されていますが、私はいろいろな職務があるため、ほとんど出席していません。ところが、出席しない私を引っ張りだすため、研究会の司会を要請してきました。やむなく引き受けることにしたのです。会場は八王子の市民会館でした。
総会に引き続いて開かれた研究会は薬物関係の勉強会でありました。演題は「ダルクにおける社会復帰支援とは」であり、講師として招いたのは、実際に体験者であり、今は救済活動をしている人でした。実のところ、私はダルクという言葉に接したのは初めてであり、司会をするものの意味がわからなかったのです。お話を聞いて始めてその意味を知りました。ネットで紹介されていますので、以下、コピーしておきます。

◎ダルク(DARC)とは、ドラッグ(DRUG=薬物)のD、アディクション(ADDICTION=嗜癖、病的依存)のA、リハビリテーション(REHABIRITATION=回復)のR、センター(CENTER=施設、建物)のCを組み合わせた造語で、覚醒剤有機溶剤(シンナー等)、市販薬、その他の薬物から開放されるためのプログラムを持つ民間の薬物依存症リハビリ施設です。
◎入寮し、同じ悩み(病気)を持つ仲間とフェローシップの中で回復するために、場所の提供をし、12ステップによる今までとは違う生き方をする練習の場でもあります。
◎施設ではミーティング(グループセラピー)をダルク又は、自助グループへの参加により1日に2回、午後はレクリエーションで、山登り、ソフトボール、スポーツジム、温泉、など“薬物を使わないで生きる”ここからスタートします。そして、そのことを毎日続けることによって、薬を使わないクリーンな生き方をし、成長していくことが回復となります。
◎ダルクでは、自助グループの参加や、医療機関との連携も、かかせないプログラムの一環として行っております。
◎スッタフは全員が薬物依存者です。新しい入寮者は仲間です。薬物依存者同士、病気の分かち合いをしながら回復、成長し使わない生き方の実践をしていきましょう。

お話しされた人自身、覚醒剤どん底の生活をした人でした。お父さんが歯医者であり、将来は自分もその道を歩むことになっていました。しかし、私立中学に進んだとき、最初は成績が上位であったことが勉強をしない原因となり、次第に夜遊びをするようになりました。高校に入っても一週間くらいしか行かず、ついに退学してしまいます。飲食店で働くようになり、夜の仕事をするようになります。そこで知った女の子の家に遊びに行き、すすめられて注射をうったのでした。それからは薬を買うための生活となり、覚醒剤を買うための仕事となりました。薬のためにはプライドも捨て、醜く生きるようになるのです。そして知ったことは、死ぬことしかリセットできない自分を知るのでした。自殺しようと思ってもできないのです。そういう中でダルクと出会ったのです。ダルクで生活しているうちに、今まで笑ったことがなく、初めて笑うことができたと言います。
今は刑務所等に呼ばれて服役している薬物依存症の皆さんにお話しをしています。ダルクの世界も紹介し、人と共に生きることで克服することの大切さをお話ししているのです。薬物依存から抜け出すことはきつい訓練です。しかし、訓練して抜け出さない限り、自分がおしまいいになるのです。薬物依存、偶像崇拝等への依存ではなく、神様への依存こそ人生を祝福されて生きることができるのです。

聖書の言葉
「あなたがたの体は、神からいただいた聖霊が宿ってくださる神殿であり、あなたがたはもはや自分自身のものではないのです。」(コリントの信徒への手紙<一>6章19節)