鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

振り返りつつ(教団総会一日目)


第35回日本基督教団総会が池袋にあるホテルメトロポリタンで開催されました。24日より26日までの二泊三日の予定です。議員として集まるのは400名、傍聴者等を含めて500名の皆さんが集まりました。今回は「日本基督教団の過去・現在。・将来」との主題を掲げ、三日間の協議に入ったのでした。まず開会礼拝が行なわれました。続いて組織会に入ります。実は前回の34回総会では、礼拝が終わり組織会に入る前に、問題提起者たちが議長団の壇上に上がってきました。その数20名はいたでしょうか。議事の取り扱いに対して不服であるとし、また沖縄教区が議員を選出してこないので、このような総会は無効であると、激しく抗議するのでした。議長は詰め寄る人々に説明をしますが、怒号の中でもみ消されています。私も書記として壇上にいたわけで、議長が取り囲まれているので、援護するためにも近づこうとしましたら、激しく腕をつかまれ、議長の方に歩むのを阻止されました。副議長も取り囲まれて詰め寄られています。議長は議場に対して、今の状況を説明しようとするのですが、マイクも奪われ説明することはできません。こうして壇上において約2時間が経過し、三役で協議することで休憩となりました。結局、要求通り議事の扱いを変更することになり、ようやく組織会に入り、総会に入ることができたのでした。前回のことがあり、もしかしたら前回のように壇上に駆け上がってくる人々がいるかもしれないと考えていました。何故ならば、今回の総会で示される総会議長総括報告は厳しいことを述べているので、この報告に対して抗議するかも知れないのです。さらに、信仰職制委員会の出した答申に対する抗議が出ることも考えていました。それは、兵庫教区が、按手礼式の際、按手をしないで宣言により正教師としたことでした。また、准允式においても、准允がなくて宣言だけで補教師としたのでした。果たして、このような按手礼式、准允式でよいのかと信仰職制委員会に諮問を出していたのです。信仰職制委員会は「無効」との答申を出しました。それにより、兵庫教区の取り扱いに賛同している人々は、抗議行動に出るのではないかと懸念してもいました。しかし、今回は前回のように壇上に駆け上がってくる人はなく、組織会に入り、総会の成立が宣言され、議事に入ることができたのでした。
このブログを読まれる皆さんは、きっと驚いておられることでしょう。教会会議の教団総会でそんなことがあるのかと思われることでしょう。教会会議であっても議論は白熱します。激しく声を上げて反対や、賛成の声が飛び交います。初めて教団総会に出席した人は、これが教会の会議であるかと戸惑うのでした。しかし、会議ですから賛成をカウントしてきめ、決められれば従うのです。今回、議長総括報告に対し、取り消し要求もあり、反対意見もありましたが、実力で阻止することはありませんでした。今後、この議長の見解が議論の中心となっていくでしょう。
議長は過去40年間を振り返り、教団の歩みに誤りがあったことを神の前に懺悔し、新しい歩みに導かれていきたいと願います、と議長総括報告で述べています。それは以下の通りです。
1. 教団信仰告白をあいまいにし、相対化したこと。
2. 聖書の正典制に揺らぎをきたしたこと。
3. 教憲・教規に逸脱する決議や行為が見られ、聖礼典が正しく執行されない現実があること。
4. 教師検定試験の基準があいまいにされたまま実施されたこと。
5. 言論の暴力・物理的暴力によって礼拝、会議制が蹂躙されたこと。
6. 東京神学大学機動隊導入に関して、一方的断罪を行い、教団立神学校との関係正常化ができないでいること。
7. 万博キリスト教館問題で混乱をきたし、関係者に犠牲を強いたこと。
8. 教団財政が不透明、不適切になったこと。
9. いわゆる「戦争責任告白」の教会的位置づけを明確にし得なかったこと。
10. 「合同のとらえなおし」における「実質化」を実現できなかったこと。
11. 関係学校、関係諸団体の信頼を失ったこと。
12. キリストの伝道命令に不忠実であったこと。

聖書の言葉
「わたしは、今日になって自分の過ちを思い出しました。」(創世記41章9節)