鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

神様の愛に手をかざし…(エアコンとストーブ)

ひよこ組のエアコンの調子が悪いので見てもらいました。室外機の部品に欠陥があるようで、今日はそれを確認し、後日部品を交換するということでした。今は全教室エアコンになっています。夏は結構室内を調節しますが、冬の暖房は効かないことがあります。幼稚園におけるエアコンはあまり効果が無いといえるのではないでしょうか。なぜなら、朝の自由遊びのときは、教室の出入り口は開けられており、冷房にしても効果が無いということです。冬の暖房も同じことなのです。しかし、一斉保育になり、それぞれクラスで過ごすことになれば、出入り口は閉めますので、冷暖房の効果が出てきます。子ども達は元気そのものですから、暑くても寒くても元気に過ごしていると言えるでしょう。
最近はすべてエアコンになっていますが、少し前までは石油ストーブでした。結構火力があり、冬でも教室を開けていますが、部屋を暖めていました。もちろんストーブの周りにはガードを付けており、危なくないようにしていました。寒いときにはいつの間にかストーブの周りに集まってくる子ども達でした。園長も子ども達と共にストーブに手をかざしながら、談笑したものです。その意味では石油ストーブの効果がありました。しかし、今はエアコンであり、寄り合う場所がありません。なんとも残念です。昔から火の周りには人が集まるものでした。例えば、焚き火の周りに人が集まり、談笑するのは自然の成り行きのようです。
ストーブがある頃は、取り外しが大変でした。時期になれば設置し、時期が終われば取り外していました。また、ストーブは毎日灯油を入れなければなりません。それも結構骨の折れる仕事でした。また、ストーブの部分だけ教室が狭くなると言うことです。その意味ではエアコンになっているので、それらの仕事から解放されています。危険からも解放されるのですが、エアコンもそれなりに問題があるわけです。
全教室にエアコンを設置することになったのは、子育て支援事業の一環でもあったのです。保育園を統括する厚生省が、保育園志向を幼稚園に向けさせるために、本来文部省管轄の幼稚園に助成することになりました。幼稚園の施設を整備して幼稚園入園を多くしようとしたのです。そのための整備費として助成されましたが、それぞれ幼稚園はどのような整備でも良いのです。当園はストーブでありましたので、この際、危険のないエアコンとしたのです。少しはよくなったという訳ですが、相変わらず保育園志向であり、その後子ども達の減少もあり、序序に園児が減少しました。施設や建物より、多くの時間預かる保育園が喜ばれ、求められているのです。従って、今は幼稚園も預かり保育を行い、保育園も幼稚園のような保育内容となっています。幼稚園も保育園も内容が変わらなくなってきたのです。そうであれば、やはり長い時間預かってくれる保育園が希望となります。そのため、幼稚園は保育園も併設するようになりました。以前は保育園行政、幼稚園行政ということで、併設は考えられませんでした。時代の波が子ども達の環境を変えることになりました。認定子ども園が発足します。幼稚園と保育園の両者を取り入れた施設でもあります。
エアコンから子ども達の環境問題にまで発展してしまいましたが、子ども達が本当に必要な園でありたいと願っています。結局、時代の波は保護者の要望でもあるでしょう。子育てのゆえに親が犠牲になるのではなく、子育てと親の生き方を支援することが今の時代の取り組みであるのでしょう。その意味では、真に温かみのある幼稚園であることです。いつの間にか暖かさを囲んで談笑している、そういう幼稚園でありたいと思っています。私達にとってはイエス様のお心の暖かさの周りにいるのです。イエス様の暖かさに手をかざし、ぬくんだ手をお友達に差し出すのです。お友達が手をかざしあいながら、共に成長する幼稚園であることが願いです。
聖書の言葉
「子ども達をわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのようなものたちのものである。」(マルコによる福音書10章14節)