鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

白髪は老人の尊厳(関さん・大矢さん訪問記)

まもなく幼稚園の夏休みが終わる最後の一週間になりました。かねがね気になっていた方の訪問を今日は実現できました。厚木の労働基準監督署に事務的な手続きがあり、赴くことになったとき、ここはぜひ訪問しようと思いました。厚木市下依知にあるシニアハウス花物語で居住する関泰朋さんです。大塚平安教会からはそんなに遠い距離でもないのですが、なかなか訪問できないでいました。今日はぜひ訪問したいと、幼稚園の夏休み中に事務的なことは大方済ませ、訪問することになったのでした。
関泰朋さんは今年で91歳になっています。花物語に入居されたのは2005年8月1日からでした。それから1年を経ております。入居されてからまもなく牧師が訪問しましたが、その後、壮年会や婦人会の皆さんも訪問されています。連れ合いが私の訪問をハウスに連絡していたので、関さんは伝え聞いていたのでしょう。私がハウスに着くと、玄関を出たところにおられました。職員と他の居住者数人とで、テーブルを囲み、椅子に座りながら談笑しているようでした。関さんは私の到着を知ると、すぐに迎えに出てくれました。駐車場には他の車が止まっていて入れないので、どうしようかと思案していましたら、玄関前が空いており、ここに入れてくださいと言われるのでした。関さんは先になって私を案内し、ご自分の部屋へといかれました。その途中で厨房により、コーヒーを注文されていました。部屋に入ると、ご無沙汰ばかりして申し訳ありません、とひたすら謝るのです。私が訪問するべきなのに、来られないことを詫びると、今度はそれ以上に、ご無礼ばかりで本当に申し訳ありませんといわれるのでした。四方山話をしているときにも、関さんはこのハウスにはつい最近入られたように言われます。この程度のことなら、私も同じなので口裏を合わせてお話が弾んだのでした。お祈りをして帰るときにも、大きな声で「アーメン」と唱和されました。そして、雨がポツリポツリと降ってきたのですが、傘もささずに見送ってくださったのでした。
さて、次の訪問者は大矢幸男さんです。町田市の野津田にある老人ホームサルビア荘で過ごされています。厚木から16号線に入り、鵜野森から鎌倉街道で野津田に抜けます。ところが今日はとても車が渋滞し、2時間近くも要してしまいました。もう8月も終わりなので、営業車が多いのでしょうか。大矢幸男さんは93歳になっています。大矢さんがこのサルビア荘に入居されるのは1999年頃でありました。約7年間ここにおられますが、とてもお元気にすごされています。今日もお訪ねしたときには手を上げて迎えてくれました。少しばかりお話が聞き取りにくくなっていますが、元気にお話されます。いろいろお話をして、聖書を読みました。マタイによる福音書6章25節以下のイエス様の教えです。私がゆっくりと読むと、大矢さんも後を追うように聖書の言葉についてくるのです。すべて諳んじているようでもありました。大矢さんは若いときから大塚平安教会に導かれ、いわば大塚平安教会を立ち上げた方でもあるのです。歴史の証人でありました。聖書の言葉と共に歩んでこられた人生なのです。その証言については50周年記念誌に記されています。お祈りしてお別れするときにも手を挙げて見送ってくれました。
今日はもう一人の方もお訪ねするつもりでいましたが、やはり車の渋滞に巻き込まれ、後日お訪ねすることにしました。今日は比較的高齢の皆さんを訪問しました。老人ホームをお訪ねするとき、いつも心によみがえるのは、キリスト者老人ホームの建設であります。これは是非神奈川教区という大きな組織で取り組みたいと願い、教区総会の議案としました。しかし、議論は並行線をたどり、決着がつかないのです。そのため議案を取下げ、有志の取り組みとしたのです。それが秦野にある「神の庭サンフォーレ」であります。朝、目覚めれば賛美の声で励まされ、主の交わりのうちに夕べを迎える。そして、祈りのうちに就寝する生活。そのようなキリスト者老人ホームを造りたいと願っています。
聖書の言葉
「力は若者の栄光。白髪は老人の尊厳。」(箴言20章29節)