鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<24>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<24>
2014年11月17日「料理人になったりして」



 たまにはスパゲッティが食べたいね、と言ったら、それではお父さんの腕前でということになる。まだ12時頃であり昼食の時間ではないが、その様な運びになってしまう。それで羊子がスーパー・カプラボに買い物に行くと言うので一緒に行くことにした。スパゲッティの食材を求めるためである。アサリか小海老を使うことを考えていた。ところが月曜日は魚屋さんはお休みであった。日曜日は漁に出ないので、月曜日の仕入れはないのであろう。それで魚貝類以外の食材はあるのでインゲンを求める。羊子は食材や生活用品を求めていたが、こちらの生活用品は比較的に形、容量が大きいのである。たとえば食器用の洗剤にしても日本の二倍もあるような大きさである。シャンプーにしてもリンスにしても容器が大きい。食材は随分と安い。ジャガイモは袋にまとめられているが、一袋の中にかなり入っているが400円くらいである。その他の食材も安いと思っている。しかし、こちらの食材は皮が固いものが多い。ジャガイモ等は日本と同じようであるが、胡瓜にしても皮をむかないと食べられない。日本的ミカンがあるが、これも皮をむくのが結構大変なほど固いのである。何もかも固いと言うのではないが。買い物をしても袋は買わなければならないので、買い物に来る人はそれなりに入れ物を持ってくる。日本でも最近は袋を買うことになっている。
 さて昼食は午後3時頃なので、2時を過ぎてから支度にかかる。人参、ジャガイモ、玉ねぎ、インゲン等を細かく刻んで炒める。それにベーコンを加え、チーズ、牛乳等を加えながら味付けをする。スープ状にしていただくことにしたのである。スパゲッティを茹でるのは日本にいるときも時々しているので慣れたものである。ある程度柔らかくなったら火を止めてむらしておく。そうすると腰のあるスパゲッティに茹で上がるのである。日本にいるときはスパゲッティの具材づくりはあまりしない。既成のものがあり、作るのも面倒なのでいつも買い求めておくのである。いろいろな物がパックになっているがカレーも求めている。スパゲッティをカレーで食べるのもおいしいものである。既成品があるのでほとんど作らないが、それでもたまには作ることもある。昼食となり、みんなはお世辞ながら美味しいと言って食べてくれた。
 スパゲッティづくりは初めてであるが、焼きそばは今回の滞在でも二回は作っている。日本のように生の焼きそばではなく乾麺になっている。だからまず茹でなければならないのである。日本の焼きそばは生になっているので、フライパンの具材に直接混ぜて作ればよいのであるが、乾麺を茹で上げてから具材に混ぜるのである。こちらの皆さんは結構焼きそばを食べるようだ。UKAIという日本料理屋さんに入ったとき、他のお客さんが焼きそばを食べているのである。パエリアにしてもスパゲッティにしてもこちらの料理は味が濃く、焼きそばも結構味が濃い。だからイグナシさんは日本的な食べ物は味が薄いようである。彼は辛子にブルドックソースを混ぜて、それをステーキにしても、いろいろな料理につけて食べている。だから彼へのお土産は辛子やワサビにしたのである。食事のことを記しているので、食べ物処については前にもふれたが再び記しておこう。ちゃんとしたレストランはレスタウランテと言う。メソンはバーのような軽食が出る。日本ではバーと言っているがバルがある。これも軽食と飲み物とセットになっている。そしてほとんどのメソンにしてもバルにしても外にカフェテリアがある。外が寒くてもカフェテリアで飲食している人が多い。レストランでもカフェテリアがあるのである。この傾向はヨーロッパの全体的な流れであろう。
 こうして昼食を取り、少し休憩してから出かけることになった。イグナシさんが犬の散歩と称して、山に連れて行ってくれることになった。サンタコロマ市と他の二つの市にまたがっている山である。ある程度山を登り、中腹あたりに車を置き、あとは歩いて登る。それ以上は車の乗り入れは禁止となっている。イノシシやこんな生き物がいますよと書いてある。実際、イノシシの足跡が残されている。山頂は砦があったようである。昔のイベロ人の村であったと言われる。そこは山の頂上で360度の展望である。バルセロナの街並みがはるかに見える。ツインタワー、サグラダ・ファミリア、水道局タワー等は特徴があるのでよくわかる。モンセラットもはるかに見えるが、雄大な地中海が広がっているのを見るのは喜びであった。バルセロナと言えば歴史を残す街の印象があるが、こうして高原を歩き、山の上に立つことも、また違ったバルセロナの思い出となる。むしろ、この様な体験こそ、真の街を知ることになるのであろう。



作ったスパゲッティを自慢げに見せている。



それでもみんなは美味しいと言って食べていた。



山頂からバルセロナ市街を眺める。
その向こうは地中海。



イノシシやこんな生き物がいますよ、との案内看板。
実際イノシシの足跡を見る。