鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<294>

隠退牧師の徒然記(2013年7月20日〜)<294>
2014年10月13日「日帰りで、ちょっと…」


聖書の言葉
エスはこの群衆を見て、山に登られた。腰を下ろされると、弟子たちが近くに寄って来た。そこで、イエスは口を開き、教えられた。
(マタイによる福音書5章1-2節)



 2014年9月27日の御嶽山の噴火で、10月12日現在で死者が56人にもなり、少なくとも7人は行方不明なので、依然として救助活動が続けられている。10月12日は消防、警察、自衛隊等500人以上が投入されて捜索が行われた。火山灰が液状化し、行動が困難になっている。しかも3000メートルもある高さで、捜索者の中には高山病、低体温症状になったりする人もおられると言う。普段の生活は地上でのことであり、高山にいること自体が危険なのである。台風19号が接近しており、13日は捜索活動は中止にせざるを得ないという。その様な困難であり、危険な捜索活動をしている人々の無事と安全をお祈りしている。御嶽山は秋の紅葉のシーズンであり、多くの人々が登山をしていたようである。御嶽山は長野・岐阜の県境にあり、いろいろな登山ルートがある。3067メートルの高さであるが、今は結構上まで交通機関で登れるので、そこからの登山であるので日帰りでもできるのである。全国にはかなり高い山があるが、道路がかなり上まで整備されており、バスなり乗用車で中腹まで行かれるのである。私も今までに谷川岳大菩薩峠等にツアーで登ったが、このツアーもかなり上までバスで行き、そこからそんなに苦労もなく頂上を目指す。だから結構高い山でも、今は日帰りで行かれる場合が多いのである。富士山にしても五合目まで道路が整備されているので、バスもあり、乗用車で行かれる。大塚平安教会時代、山中湖で夏期学校を開催したとき、ハイキングとして富士山の五合目までマイクロバスで出掛けたことが思い出される。さらに、最近では2011年に富士山周遊ツアーに家族で参加した。そのときもバスで富士山の五合目まで行っている。本格的な登山は乗り物に乗らないで、下からゆっくりと登っていくのである。御嶽山の噴火で犠牲者が出たとき、まだ不明者がいるのではないかと思ったのは、乗用車が置かれていたことにもよるのである。ある程度捜査が進んでいるのに、車が放置されたままであった。おそらく車で来て、日帰りで、ちょっと登って来るという思いであったのであろう。それが思わぬ噴火に巻き込まれてしまったのである。
 車で出掛けて、日帰りで、ちょっと登って来る、そんなことを私もしたものである。丹沢でも大倉尾根から登るコース、表尾根を登るコースがあり、どちらも何回か登っているが、回を重ねつつも大倉尾根登山の方がはるかに多くなった。単調な登り降りであるが、登り口までの往復が便利だからである。小田急線「渋沢駅」からバスに乗れば、登り口のバス停「大倉」で降り、そこから登り口まではすぐである。表尾根コースの場合は「本厚木駅」からバスでヤビツ峠まで行くが、そこから登り口までかなり歩くのである。そんなこともあり大倉尾根コースを選んでしまうのである。しかし、毎回、塔ノ岳を目指すのではなく、たまには西丹沢の蛭ガ岳にも登ってみたくなる。通常は蛭ガ岳に登るには塔ノ岳に登り、そこから丹沢山を経てゆくので二日がかりになる。「日帰りで、ちょっと」の登山は直接登らなければならないのである。小田急線「松田駅」から丹沢湖までバスで行かれるが、蛭ガ岳の登り口まで山道を2時間は歩くことになる。登り口付近をユーシンと称しているが、そこまで歩くのは大変なので、車を利用するのである。ユーシンロッジ付近まで車で行き、そこに駐車しておき、登ることになる。大倉尾根よりもきつい登りであるが、「日帰りで、ちょっと」なので、頑張って登るのである。それでも山頂で喜びつつお弁当を食べる。下山は早いもので、3時間くらいで降りてしまうのである。今回は登山の紹介をしているようであるが、「日帰りで、ちょっと」登山を経験において記しているのである。
やはり登り降りの登山は疲れる。車で来ているのである。疲れた体であるが運転して帰途につく。山道を走らせ、丹沢湖から松田に出る。そこからは国道246号線である。そこから厚木方面へと走らせるのであるが、この道は夕方ともなると結構渋滞している。ノロノロ運転をしているうちにも睡魔に襲われる。信号で停車していたが、後ろの車が警笛を鳴らしている。ノロノロでも前の車はかなり前進しているのである。思わず居眠りをしてしまったのである。しかし、信号待ちで良かったと思う。走行中の居眠りであったら大変なことになる。こんな状態でようやく綾瀬の自宅に帰ったのである。もう二度と車を利用しての登山は止めようと思ったものである。実は、そのときは自分で運転して一人で登山をしたのであるが、これで二回目になる。大塚平安教会の青年とこのコースで登っているのである。そのときは彼の車で行き、私は乗せられて行ったわけである。疲れた体で車を運転する、そのときの彼も大変であったろうと思ったのである。もっとも彼の横には私がいたので、結構話しながらの運転であったので、睡魔は来なかったのであろう。「日帰りで、ちょっと」登山は、どんなに低山でもやめた方が良いと思っている。



最近は昔の写真を引っ張り出しているが、
丹沢の鍋割山登山の時のお弁当。1996年5月頃、57歳。



谷川岳登山。ツアーなので中腹までバスで行き、
「日帰りで、ちょっと」の登山であった。