鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<250>

隠退牧師の徒然記(2013年7月20日〜)<250>
2014年5月12日「0510が巡ってきて」


聖書の言葉
ブズ人バラクエルの子、エリフは言った。「わたしは若く、あなたたちは年をとっておられる。だからわたしは遠慮し、わたしの意見をあえて言わなかった。日数がものを言い、年数が知恵を授けると思っていた。しかし、人の中には霊があり、悟りを与えるのは全能者の息吹なのだ。日を重ねれば賢くなるというのではなく、老人になればふさわしい分別ができるのでもない。」
ヨブ記32章6-9節)



今年も0510が巡ってきた。0510とは5月10日のことであり、私の誕生日である。75歳を重ねることになった。70歳を過ぎたころから、年齢を重ねたとの思いが定着しているが、75歳からは後期高齢者であり、高齢者になったんだとの思いが強まるのである。もう車の運転はやめようかと思っているが、いくつかの事情で車を運転しなければならない。70歳以上は任意であるが、75歳以上は義務となる高齢者マークを車に付けること、5月10日から実施している。このマークを車に付けることにより、後期高齢者であることを社会に宣伝しているみたいで、なんとなく気が引けるのであるが、事実であるから、もっと胸を張るべきことなのだ。
今年は、もちろん日本にいることなので、家族のみんなからお祝いをいただいたし、知人からお祝いの花束が送られ、また親しくしていた皆さんからお祝いのメッセージをいただいている。ありがたく感謝した次第である。昨年は3月13日から6月4日まで、マレーシア・クアラルンプール日本人キリスト者集会のボランティア牧師として赴いていた。ちょうど誕生会の日に牧師館で聖書の会が開かれたので、集会後は用意したケーキでお祝いしていただいたのであった。そして、夕食は連れ合いのスミさんと二人で誕生会をしたのである。それが2013年であり、一昨年の2012年は自宅で家族にお祝いされている。そしてその前の2011年の0510はスペイン・バルセロナに滞在していたので、現地の皆さん、羊子の友人の皆さんにお祝いされたのであった。このように振り返ると、一年おきに外国と日本でお祝いされている。今年は日本において、家族のみんな、そして知人の皆さんから覚えられたことを感謝し、喜んでいる。
2011年6月に日本基督教団に隠退届を提出している。しかし、2010年10月からは毎月一度は横須賀上町教会で礼拝説教をしている。その頃の同教会は代務者をおいての歩みであり、代務者は横須賀上町教会の礼拝説教を毎週はできないので、月に一回は応援していたのである。そして横須賀上町教会は2012年4月よりは伝道師を招聘する。しかし、伝道師は聖礼典(洗礼式、聖餐式)を執行できないので、聖餐式が執行される第二日曜日に説教と聖餐式を担当しているのである。その他、三崎教会も月に一度は礼拝説教を担当させていただいており、今年も2月、3月、4月と担当させていただいており、6月、7月、8月も担当させていただくことになっている。隠退したものの月に二回は教会の講壇に立たせていただいていること、まだ用いられている恵みを感謝しているのである。そして教会の講壇に赴かないときは、自宅で連れ合いのスミさんと共に礼拝をささげ、時には我が家の子供たち、そして知人が出席されて礼拝が導かれている。週報まで発行しているのであるから、まるで現役の牧師の働きである。そうは言うものの、教会の牧会というものはない。現役であれば、教会員の皆さんをつねに示されながら歩み、諸集会に関わり、何よりも宣教活動を推進していくことである。それらのことがまったくないとは言えないが、やはり直接的な働きではないことで隠退牧師と言わなければならない。いわゆる教会の職務、牧会がなく、本当にのんびりと過ごしているのである。
のんびりの生活の中で、毎日2時間も散歩しており、ブログを書いたり説教を作成したり、それらのブログや説教をまとめて冊子にすることも課題としており、むしろ「忙しい」日々であると言っておこう。大塚平安教会がいよいよ新会堂建設となり、今までの会堂を取り壊す。必要な荷物を全部運んだつもりでいたが、物置の中に残っていたものを、百合子を通じて届けてくださった。段ボールに詰めてあり、開けてみると登山道具であった。リュックサック四つ、雨具三つ、他登山小物いろいろ、思わず懐かしさを味わう。リュックサックをいくつも持っているのは、我が家の子供たちとの登山のためでもあるが、教会の青年たちと登山するためである。青年たちは趣味としての登山ではなく、牧師に付き合う意味で登山をするのであり、登山用具を持たない。牧師が彼らの用具をそろえていたのである。青年たちも牧師によく付き合ってくれたものである。多くの場合、丹沢や大山登山であるが、大塚平安教会就任後の初期の頃は比較的、時間があったのである。
最近、毎日2時間、時には3時間も歩いていると、山道を歩いた昔が思い出されてならないのである。それで、それとなく使っていたリュックサックを探していたのである。引っ越しをして、外に設置した物置の中にあるのではないかと思っていた。いつか時間があったら物置を探そうと思っていたのである。そんな思いがどこかに通じたのか、リュックサックのいくつかが出てきたのである。天からの贈り物だと思っている。低山で、一日で行かれる、そんな登山をひそかに計画している。冒険家の三浦雄一郎さんが2013年5月23日、80歳で8848メートルのエレベストに登頂している。そこまでではなくても、私にとっての快挙をなしとげたいと思っているのであるが…。80歳まで、まだ5年もある。



2014年の0510、75歳の誕生会。




贈られた花束を手に記念写真。



4月25日、大塚平安教会を訪問し、取り壊される前の最後の記念写真(再掲)。