鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<248>

隠退牧師の徒然記(2013年7月20日〜)<248>
2014年5月8日「天の世界を行き来しながら」


聖書の言葉
ある日、主の前に神の使いたちが集まり、サタンも来た。主はサタンに言われた。「お前はどこから来た。」「地上を巡回しておりました。ほうぼうを歩き回っていました」とサタンは答えた。主はサタンに言われた。「お前はわたしの僕ヨブに気づいたか。地上に彼ほどの者はいまい。無垢な正しい人で、神を恐れ、悪を避けて生きている。」
ヨブ記1章6-8節)



早いもので、娘の羊子が4月18日に一時帰国したが、瞬く間に2週間が経ち、5月1日は再びバルセロナに戻る日を迎える。今回は羽田飛行場を利用する便であり、成田空港に比べれば、はるかに便利である。羊子は、今まではもっぱら成田空港発着の便であったが、最近は羽田空港が国際便を多く受け入れているので、利用することができるのである。羊子が今までは成田空港発着であったので、むしろ成田空港の方が利用しやすくなっている。羽田はあまり利用しないので、4月18日に羊子が羽田に到着したとき、迎えに行くものの迷ってしまう。国内線、国際線のゲートが異なるので、ターミナルが随分と離れているのである。だから国内線で羽田に来て、ここで国際線に乗り換える場合、国内線のターミナルから国際線のターミナルまでバスで移動しなければならないのである。百合子と共に羊子を迎えに行ったとき、国内線のターミナルに行ってしまう。それで係員に国際線の行き方を尋ねる。すると「バスに乗ってください」と指示される。車の行き方を尋ねると、一度「環八」道路に出て、それから案内に従って国際線ターミナルに入るということであった。実は昨年3月には羽田空港を利用して私たち自身が国際線を利用している。3月13日から6月4日までマレーシア・クアラルンプール日本語キリスト者集会のボランティア牧師としての行き帰りは羽田空港であったのである。その時は百合子の運転でスムーズに国際線に入ることができた。しかし、昨年の経験があるのに、今回迷ってしまったのではある。
羊子は、今回はミュンヘン経由で一時帰国している。復路の便は11時50分であり、六浦の家を7時30分には出発している。4月18日に迷っているので、もはや迷うことなく、羽田空港国際線ターミナルには9時頃には到着している。今回の見送りには星子は来られなかった。この日に職場にかかわる研修があり、昨日は六浦の家に泊まったが、羊子が出発するときに、羊子とハグして見送ったのである。後は私たち夫婦と車を運転する百合子と、そして友人の弥生さんとで羊子を見送るために羽田に向かったのであった。羊子はインターネットでチェックインしているので、カウンターで荷物を預けるだけである。インフォメーションによるとフランクフルト行は30分くらい遅れるようである。私は朝食を済ませているが、他の家族は持参したものを食べることにしている。羽田空港ターミナルには江戸小路、江戸村と称する食べ物処がある。昨年、私たち夫婦がマレーシアに出発するとき、朝食は子ども達と共に江戸食堂で食べている。しかし、今回は朝食を持参しているので、屋上の送迎デッキでいただくことにする。飛行機の発着で結構騒音があるが、発着を見ながらの食事も楽しいものである。
皆が食事をしている間、私は飛行機が離陸していく様を、いろいろな思いを持ちながら眺めていた。2011年の4月から2ヶ月間、スペイン・バルセロナに行っている。その時は連れ合いのスミさんと娘の星子と三人で赴く。そして翌年の2012年の9月から2ヶ月間、今度は連れ合いのスミさんと二人でバルセロナに行っている。いずれも成田空港発着であり、百合子が送迎してくれている。そして2013年3月から3ヶ月間、マレーシアに赴いたが羽田空港発着であった。このように振り返ると、毎年外国に行っている。バルセロナは20時間も飛行機に乗るのであるが、窮屈で大変であるものの楽しい思い出になっている。残念ながらスペインは直行便がないので、必ずどこかの国で乗り継ぎをしなければならない。目的地はスペインであるが、乗り継ぎがスイス、ドイツ、スウェーデンであったりする。もっとも乗り継ぎだけで、ターミナルの外には出ないが、それでもそれらの国々に行ったことになる。そしてバルセロナ滞在中にもパリに行ったり、ローマに行ったりしている。ヨーロッパにいる限り、それぞれの国を行き来するのは、日本の国内線に乗るのにも等しいということである。この3年間、毎年外国に行っているのであり、それも2ヶ月、3ヶ月の長逗留である。今年は…、なんて思っているが、今年はもう半年しかない。
羊子の乗る便は30分くらい遅れたが、10時過ぎには出国手続きをして搭乗口に向かう。またしばしのお別れである。バルセロナで皆さんに喜ばれてピアノの演奏活動をしていることを示されつつ、手を振って見送ったのであった。



人形の久月の展示の前で記念写真。



天の世界を行き来する思いを持ちながら。



展望台で朝の食事。