鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記 <74>

 

隠退牧師の徒然記(2011年6月1日〜)<74>
2012年3月21日 「真心を持って帰り」 


聖書の言葉
イスラエルの神、主はこう言われる。このところからカルデア人の国へ送ったユダの捕囚の民を、わたしはこの良いいちじくのように見なして、恵みを与えよう。彼らに目を留めて恵みを与え、この地に連れ戻す。彼らを建てて、倒さず、植えて、抜くことはない。そしてわたしは、わたしが主であることを知る心を彼らに与える。彼らは私の民となり、わたしは彼らの神となる。彼らは真心をもってわたしのもとへ帰って来る。
エレミヤ書24章5-7節)



スペイン・バルセロナでピアノの演奏活動をしている娘の羊子が、3月27日から4月9日まで帰国するとのメールが送られ、連れ合いのスミさんと共に喜んだ次第である。わずか二週間であるが、この一事帰国は休養のためでもある。前回の帰国は2010年8月に帰国している。その時も休養で帰国したのであるが、横浜本牧教会のサマーコンサートでピアノの演奏をしたのである。その頃、私は同教会の代務者であり、同教会は毎年8月にサマーコンサートを開催しているので、帰国する羊子の演奏会となったのである。従って、一年半ぶりの帰国となる。もっとも、昨年の2011年4月5月に私と連れ合いのスミさん、次女の星子が羊子のいるバルセロナに赴いているので、再会としては一年ぶりということになる。今回は休養であるので、演奏会の予定は入れなかった。わずか二週間であるので、ゆっくり休めないのであるが。羊子は帰国直前まで演奏活動を行っており、バルセロナに戻るやすぐにも演奏の予定が入っているのである。愛する者が帰って来ることの喜びは、どちらの家族も、団体にしても大きな喜びなのである。この時、3月4月は送り出す時であり、また新しい出会いが導かれる時である。




ドレーパー記念幼稚園の佇まい。
壁画は子供達を招くイエス様。


 送り出す時が3月であるが、ひととき帰って来る喜びを持つのは、ドレーパー記念幼稚園である。毎年、3月の春分の日には同窓会を開催している。いつもは21日が春分の日であるが、今年は20日であった。今年は閏年であるからだ。同窓会は小学校を卒業する子供達が午前に、中学校を卒業する子供達が午後に開催された。午前9時30分開会であるが、家を出るのが遅くなってしまい、着いたのは10時頃であった。まず礼拝を大塚平安教会で行い、その後、幼稚園ホールで同窓会を開く。小学校を卒業後、どこの中学校に進むのか、どんな部活に入るのか等、子供達の抱負を聞く。お母さん達も出席し、感想を述べるのであるが、6年を経ての再会であるが、変わらない面影に喜びつつお話されるのであった。在園中、担任の教師も出席し、励ましの言葉を与える。小学校卒業の子供たちは、ドレーパー記念幼稚園卒業の44回生である。32名を送りだしているが、5名欠席の他は27名が帰って来たのである。お母さん達も22名が出席されている。午後の中学卒業生、41回生の同窓会は、毎年のことながら、ぐんと少なくなる。54名卒業しているが出席したのは7名である。お母さんが5名の出席であった。卒業後9年を経ているが、面影は残っているものの、やはり分かりにくくなっている。中学卒業後は高校に進学する者、あるいは社会に出る者、いろいろな進路があり、人には言いたくない気持ちもある。そういう意味でも出席者が少なくなるのであるが、どのような進路であろうとも、ドレーパー記念幼稚園の卒業生であることを基としていただきたいのである。以前のブログにも記したが、幼稚園時代に何を教えられたのか、というより、神様に向かう姿勢を与えられているのである。今後、いろいろな人生の出会い、諸問題に遭遇するであろう。神様に向かいつつ人生の荒波を乗り越えて行くことをお祈りしている。「苦しいときの神頼み」という安易な言い方ではなく、神様に向くということは、力と勇気、前進が与えられるということである。

 小学校卒業生は3年後に再び幼稚園に帰って来る。しかし、中学卒業生は、もう同窓会は開かれないのであるが、大塚平安教会が帰るところであると思いたい。幼稚園卒業後多くの皆さんが教会に帰ってきているのである。帰って来られなくても、幼稚園後援会が発行する「ドレーパーだより」が送られるので、幼稚園が卒業生をいつまでもお祈りしている事を心にとどめてもらいたいのである。
 同窓会を楽しみにしているが、30年在任したから、30年間出席するのか、もちろんそうではない。2年前に送りだした子供達が中学を卒業する時までである。そうすると、後7年は出席することになるのであるが、その頃は間もなく80歳にもなる時である。この年になると、明日の命が分からないので、小学校卒業生の皆さんへの挨拶の中で、「三年後に会えるかどうかわからないので」なんて言ってしまう。そんなこと言わないで、毎日散歩しつつ体の養生に務めることにしよう。それにしても帰って来る子供達との再会は、本当に大きな喜びである。そして、娘の羊子の一時帰国を楽しみにしているのである。