鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記 <25>

 

隠退牧師の徒然記(2011年6月1日〜)<25>
2011年11月25日 「星霜うつろいて」
 

聖書の言葉
わたしたちの間でキリストのためになされているすべての善いことを、あなたが知り、あなたの信仰の交わりが活発になるようにと祈っています。兄弟よ、わたしはあなたの愛から大きな喜びと慰めを得ました。聖なる者たちの心があなたのお陰で元気づけられたからです。
(フィレモンへの手紙6節、7節)



 11月23日は大塚平安教会のバザーである。厳密に言えば、ドレーパー記念幼稚園が開催するバザーに大塚平安教会の婦人会や壮年会が便乗するというものである。そもそもバザー開催の発端は、幼稚園設立当時はいろいろな面で不足しながらの始まりであったので、そのため、母の会が中心になってバザーを開催し、収益金で楽器を購入したり、遊具を買いそろえたりしていたのである。1979年に園長に就任した時、その当時もいろいろと不足していたが、建て物関係の改築や修繕が必要であり、図書館を作ったり、職員室棟を建設したりしたので、バザーの収益金はそちらの資金に繰り入れていたのである。しかし、バザーは幼稚園が開催しても、実務的には父母の会が担当することになる。そのため収益金は折半にするようになった。父母の会は子どもたちのプレゼントや活動費に用いていた。一方幼稚園としては、もはや建築や修繕費は必要なくなったので、むしろ困難な状況にあるお友達の幼稚園に寄付するようになった。その頃、阪神淡路大震災が発生し、キリスト教関係の幼稚園も大きな被害を受けたのである。数年は寄付していたが、その後は将来の建築資金とするようになったのである。




写真はいずれも2005年のバザー風景である。



 こうして毎年バザーを開催するが、なるべく負担にならないような開催を父母の会に申し入れていた。しかし、開催する以上は昨年より劣るということにならないような意気込みになる。だんだんと熱がこもり、企画も楽しいものが盛り込まれる。それはそれで楽しい開催となるのであった。バザーは収益をあげることはもちろん必要であるが、何よりも出会いの時なのである。卒業生や保護者の皆さんもこの日を楽しみにしており、家族でやってくるのである。バザーの会場に立っていると、いろいろな皆さんから挨拶され、声をかけられる。それは楽しい再会なのであるが、疲れもたまるのである。それで、しばらく園長室に入り、隠れるわけではないが、執務することになる。すると、園長先生はどこにいるのかと探しに来るのである。本当にうれしい再会なのであるが。
 



いつも「綿菓子屋」さんは子どもたちの人気である。



今年も11月23日がやって来た。連れ合いのスミさんは、しばらく前から、この日をどうするか思案していたようである。行くか行かないかである。私は行かないことにしていた。旧交を温めるためには行くべきなのだが、前記したように、あまりいろいろな人々との出会いはくたびれてしまうからである。スミさんは前日になって行く決心をする。やはり皆さんとお会いしたいというのである。それは大いに結構である。スミさんは人との交わりを大切にする人なので、バザーのように一度に多くの皆さんと旧交を温められる場は、何よりの喜びなのである。23日の朝は9時前に金沢八景駅まで車で送って行った。婦人会の皆さんは教会の会堂を使用しての出店であり、久しぶりに教会でのお交わりが深められたのであった。
 バザー一つとっても30年間の思い出がよみがえる。何を取っても30年間の思い出がよみがえり、それらのことをまとめる必要を覚えるのであるが、毎年同じような行事を繰り返しているのであり、いちいち記録を残しているのでは無いので、歴史にまとめるのは困難であろう。それでもそれぞれの行事、人との出会いのひとこまを書き残し、今は写真を公開しているので、合わせて公開することで、歴史の一つとなるのではないかと思っている。


壮年会の「焼き芋屋」さん。毎回、出店している。


婦人会のコーナー。この頃は園庭で出店していたが、今は教会の中である。
ある年、外はとても寒い時があり、それ以後は教会の中で行う。


 30年間の思い出の中に、バザーを開催しなかった年があった。毎年のバザー開催は準備が大変であり、だんだんエスカレートしているので、このあたりで一度はお休みにするということにした。ところが、毎年11月23日はバザーを開催しているし、お知らせしなくても出かけて来られるのである。後援会が発行する「ドレーパーだより」の機関誌にも、今年はバザーは開催しませんと公告するのであるが、読まない方もあり、出かけて来られるのである。幼稚園に来たものの、がらんとした園庭を見て失望というか、がっかりするのである。しばらくは、何故開催しなかったのかとの問いに、応対するのか大変でもあったというわけである。バザーは安いものを買うのが目的ではなく、とにかく皆さんとの触れ合い、旧交を温めることが趣旨であることを、つくづく示されたのであった。同窓会が開かれたにしても、同じ年代のお友達であり、広く幼稚園に関わる皆さんとの触れ合いが大切であると言うことである。今年は行かなかったが、来年は出かけて皆さんと旧交を温めようと思ったのであった。それにしてもドレーパー記念幼稚園に関わる皆さんといい、大塚平安教会の皆さんは、何と温かい皆さんなのであろう。



幼稚園バスまで店にする。バスと言えば、今はワゴン車で送迎しているので
幼稚園バスは懐かしい存在になる。