鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<312>

隠退牧師の徒然記(2015年2月11日〜)<312>
2015年3月7日「祈りの和を示されながら」


聖書の言葉
使徒達は、「オリーブ畑」と呼ばれる山からエルサレムに戻ってきた。この山はエルサレムに近く、安息日にも歩くことが許される距離のところにある。彼らは都に入ると、泊まっていた家の上の部屋に上がった。彼らは皆、婦人たちやイエスの母マリア、またイエスの兄弟たちと心を合わせて熱心に祈っていた。
使徒言行録1章12-14節)


 昨日、3月6日は世界祈祷日である。この祈祷日を提唱しているのは日本キリスト教協議会女性委員会である。この提唱を受け止めている日本基督教団婦人会連合が、教団各教区の婦人委員会に呼びかけ、教区の婦人委員会は各地区の婦人委員会に呼びかけているので、世界祈祷日には一堂に会し、課題とされる祈りのテーマを共に祈るのである。3月1日に清水ヶ丘教会礼拝の御用にお招きをいただき、連れ合いと共に赴いたとき、連れ合いに世界祈祷日の小冊子が渡されたのである。この小冊子をいただくことで、今年は世界祈祷日を示されつつその日を迎えたのである。実は2010年3月に大塚平安教会を退任した後、9月までは横浜本牧教会の代務者を務めたが、その後はどこの教会にも所属しない無任所教師となる。そのためいくつかの教会の礼拝説教を務める以外は六浦谷間の集会として、連れ合いと共に礼拝をささげるようになっている。教会ではないので、世界祈祷日の様な連絡はいっさいないのである。だから教団の牧会手帳に記されているのを見るが、ほとんど忘れてその日を過ごしていたことになる。今年は小冊子をいただき、その冊子がリビングのテーブルに置かれているものだから、深く心に示されていたのである。
 前任の大塚平安教会在任中も、毎年この時になると湘北地区の世界祈祷日集会が開かれていた。この世界祈祷日集会には誰もが出席できるのであるが、やはり婦人が中心になるようだ。中には男性の牧師も出席していたようである。婦人委員会主催なので男性は遠慮してしまうのである。だから私も他の教会で開かれる場合には出席しなかったが、大塚平安教会を会場に開かれる場合には出席していた。だいたい会場教会の牧師が当日の説教を担当するからである。婦人の皆さんが共に一つのテーマを祈りあうこと、力となるだろう。この世界祈祷日は日本キリスト教協議会女性委員会の提唱であると前記したが、世界祈祷日国際委員会が提唱して世界の教会に呼びかけているのである。1887年にアメリカの女性達が移住者や抑圧されている人たちを覚えて祈祷をささげたことが始まりであると言われる。そして今日、毎年3月第一金曜日を世界祈祷日として定めるようになったのである。日本では1932年から共にお祈りするようになったと言われる。そしてささげられる献金はあらゆる所にささげられるのである。今年の献金は42個所であり、ささげる場所も記載されている。昨年も多くのところにささげられているが、全部で844万円がささげられたのである。
 テーマを定めて祈ること、大きな力となるであろう。大塚平安教会在任時代、祈祷会は水曜日に開かれていた。最初に聖書を学び、その後お祈りをする。当初はそれぞれ示されたお祈りをささげていたが、テーマを提示してお祈りすることにする。いくつかの祈りの課題を提示し、これらの全部を一人でお祈りするのではなく、いくつかのことを示されてお祈りすることにしたのである。ところが祈りのテーマを提示すると、やはりそれらは大切なことであり、つい全部の祈りの課題をお祈りしてしまうのである。皆さんが多くのお祈りをするので、時間も長くなる。そこでテーマを示し、テーマを分担し、それぞれがお祈りすることにしたのである。ある方は割り当てられたお祈りのテーマをお祈りくださるのであるが、一通り皆さんのお祈りが終わる時、一つのことをお祈りすることを忘れましたのでと言いつつ、祈らなかったお祈りを追加するのであった。祈ること、信仰者の自然な姿なのである。
 スペイン・バルセロナに滞在したとき、月に一回開催されるバルセロナ日本語で聖書を読む会の集会に出席していた。集会の終わりに皆さんで祈りあうのである。出席された皆さんがお祈りの課題を提示する。いくつかの祈りの課題が示されると、その課題のお祈りする人を決め、順次お祈りするのであった。少人数の群れであるが、そこに祈りの力がある。その祈りの力が集会を始めて20年以上も導かれているのである。マレーシア・クアラルンプール日本語キリスト者集会も祈りの和が持たれていた。一つは婦人会が月に一度祈祷会を開催していたが、やはり祈りのテーマを出し合ってお祈りしていたし、また役員会も協議を始める前にテーマを出しては分担してお祈りしておられた。祈りの和は集会の基となるのである。お祈りがささげられる限り、祝福の群れへと導かれるのである。



2015年の世界祈祷日の祈祷集。



30年間務めた大塚平安教会。祈りの和が導かれていた。
2007年11月の写真。もはやこの建物はない。



バルセロナ日本語で聖書を読む会の集会。
集会では祈りの和が導かれている。



マレーシア・クアラルンプール日本語キリスト者集会の礼拝の場。
祈りの和はここでも導かれていた。