鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記 <86>

 

隠退牧師の徒然記(2011年6月1日〜)<86>
2012年4月18日 「いにしえの物語を示される」
 

聖書の言葉
バビロンへ移住させられた後、エコンヤはシャルティエルをもうけ、シャルティエルはゼルバベルを、ゼルバベルはアビウドを、アビウドはエリアキムを、もエリアキムはアゾルを、アゾルはサドクを、サドクはアキムを、アキムはエリウドを、エリウドはエレアザルを、エレアザルはマタンを、マタンはヤコブを、ヤコブはマリアの夫ヨセフをもうけた。このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生れになった。
(マタイによる福音書1章12-16節)


 
 昨日、4月17日は横浜市立大学のエクステンション講座を受講した。確か3月の始め頃、所用で金沢区役所に行った際、この講座の案内が、いろいろな掲示の中にあり、案内書が置かれていたので持ち帰ったのである。興味を引いたのは講座が「ヴェネツィアルネサンス絵画の巨匠たち〜海の都の芸術を探求する〜」との内容であったからである。早速、受講を申し込んだのである。このところ世界史、ヨーロッパ史、中でも地中海世界の歴史ものを読み進めている。塩野七生さんの「緋色のヴェネツィア(聖マルコ殺人事件)」、「銀色のフィレンツェメディチ家殺人事件)」、「銀色のローマ(法王庁殺人事件)」などを一気に読んでしまった。現在はウィリアム・H・マクニールの「世界史」を読んでいる。以前にも記したが、私がヨーロッパ史に興味を示したのは、スペイン・バルセロナに在住の羊子のもとで一ヶ月半ばかり滞在したとき、「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」、「ルネサンスの女たち」、いずれも塩野七生さんの著であるが、これらの本を読んでからである。これはヨーロッパ史をもっと知る必要があることの思いに至り、帰国してから、やはり塩野七生さんの著であるが、「ローマ人の物語」、文庫本で全34巻を読破した。地中海を取り巻く歴史ものを塩野さんがその他にも書いているので、「海の都の物語(ヴェネツィア共和国の一千年)」、「わが友マキアヴェッリフィレンツェ存亡)」、「コンスタンティノーブルの陥落」等も読んでしまった。塩野さんには、随分とお世話になったというわけである。
 そのような経緯があるので、今回の横浜市大の公開講座には特に興味があった。昨日の第一回は「ヴェネツィアの芸術的環境」とのテーマである。ヴェネツィアの起こりから滅亡まで、塩野さんの著書で学んでいるが、芸術的環境に絞ってのお話は大変参考になった。写真を見せられながらの学びは、さらに学びが深められた思いである。講義の内容については割愛するが、大学が地域に開放して、いろいろな講座を持つことはありがたいと思う。関東学院大学も同じように公開講座を行っており、そちらも興味がある講座があったが、今回は横浜市大の講座に絞ったのである。それにしても、我が家から歩いて20分以内に二つの大学があり、老人になっても公開講座を受講できるお恵みを感謝している。
 受講者は30名が定員であるが、それより少し多いようである。10名くらいが高齢者の男性で、他は女性である。女性の皆さんは必ずしも高齢者ではなく、比較的若い方もおられる。このような講座には常に出席されているようで、講座慣れの皆さんのようである。第一回に出席した皆さんは、互いに挨拶するほど、講座の仲間になっているようである。これらの皆さんも、私と連れ合いのスミさんが、夜の時間帯、BSチャンネルでヨーロッパの歴史的街並を紹介する番組を見ているが、同じように見ているに違いない。教養豊かな皆さんなのであろう。



横浜市立大学正門。金沢八景駅から歩いて5分の場所である。




正門を入ると地域貢献センターがあり、そこで受付手続きをする。
社会貢献の色々な活動が展開されているようである。



 昨年、4月5月にスペイン・バルセロナに行き、滞在中に娘の星子と共に地中海の浜辺まで歩いた。一回目は散歩のつもりで地中海を目指したが、途中で引き返してしまう。やはり、何としても地中海を見ておきたい、と言うわけで再び星子と共に地中海へ向かったのである。羊子のマンションはサグラダ・ファミリアの目の前にあるが、そこから歩くこと1時間、ようやく地中海の浜辺に立つことができた。その時は、まだ地中海世界の物語には興味を示していなかったので、それほどの感慨を持たなかった。だから、今思っていることは、再びバルセロナに行った時には、ぜひ地中海の浜辺に立つことである。その時には地中海世界で繰り広げられた物語を回想することであろう。物語を読み進むうちにも、歴史を通して神様の御心が働いていることを示されるのである。



2011年4月に娘の羊子がいるバルセロナに行き、
次女の星子と共に地中海に赴く。穏やかな海である。


地中海の浜辺に立つとき、やはり感慨を持つ。