鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<451>

隠退牧師の徒然記(2016年3月1日〜)<451>
2017年10月1日「存在の確かさを求めて」



聖書の言葉
見よ、わたしは新しい天と新しい地を創造する。初めからのことを思い起こす者はない。それはだれの心にも上ることはない。代々とこしえに喜び楽しみ、喜び踊れ。わたしは創造する。
旧約聖書イザヤ書65章17-18節)



スペインではカタルーニャ州独立運動で揺れている。今日、10月1日は独立を求めるカタルーニャ州住民投票が行われる。しかし、スペイン国はこれを赦さず、投票の妨害まで行われているのである。なかなかカタルーニャ州が独立するのは困難のようだ。歴史的にはいろいろな理由があり、スペイン国はカタルーニャ州の独立を阻止しているのであるが、第三者的に見て、極めて素朴な理解であるが、スペイン国からカタルーニャ州が独立するのは、今後スペイン国は困るのである。カタルーニャ州にはバルセロナの街があり、また歴史的にも観光客が絶えない街が多くある。そのカタルーニャからの収入が大きな資金源になっているのがスペイン国なのである。なんとしても独立を阻止したい気持ちはわかるような気がする。しかし、カタルーニャ州の人々は、独特な文化を持ち、もはやスペイン人ではないとの思いが強いようである。
2012年9月から、連れ合いのスミさんと共にバルセロナに滞在する娘の羊子のもとで滞在した。二ヶ月の滞在であったが、バルセロナの人々がスペインから独立したいという、その思いをよく示されたのであった。バルセロナは日本の7時間遅れであり、9月10日に出発しても到着したのは10日であった。翌日の11日には知人のマルケスさんの家に招かれて夕食をいただく。夜の8時頃には家を出たのであるが、街中が騒がしくなっていた。カタルーニャ州の人々がバルセロナに集まっているのである。独立を叫ぶ人々であり、9月11日になると独立集会が開かれているのである。遠くから観光バスでやってきている。人々はカタルーニャの旗を背中に覆い、あるいは旗をなびかせながら広場に集まっていく。それらの人々を見ながらマルケスさんの家に赴いたのであった。そして、その後、家に帰ってテレビで集会のニュースを見るのである。150万人は広場に集まったとか。スペインはその頃4600万人であるが、カタルーニャ州は750万人であるという。その中で多くの人々が独立を叫ぶために集まったのであった。
その後、独立を求める人々が、投票を求める運動が展開される。夜になると、9時頃かと思われるが、人々は食器ややかん等をベランダでたたくのである。マンションのベランダで、人々がものを叩く音は騒音であるが、人々は独立を求めてたたき続けるのであった。それはそんなに長い時間ではないが、世に向かって気持ちを現すときなのである。その音に対して、その騒音に抗議するような音も聞こえてくる。また、ある時、羊子の家に知人を招いて食事をしたのであるが、話題はいつの間にかカタルーニャ州の独立問題になり、白熱した議論が行われていた。皆さんはそれぞれ意見を持っており、独立のことになると口角泡を飛ばして議論するのである。
バルセロナ日本語で聖書を読む会から月報151号が送られてきた。中心になっておられる下山由紀子さんが送ってくださったのである。毎月、聖書研究や皆さんの消息を満載しているが、今回はカタルーニャ州独立の問題について解説されている。随分と参考にさせていただく。バルセロナには2011年、2012年、2014年と滞在している。いずれも二ヶ月、三ヶ月の滞在である。そのためバルセロナ日本語で聖書を読む会にも出席させていただき、説教までさせていただいている。毎月、月報を送ってくださっているので、バルセロナばかりではなく、ヨーロッパ各国のキリスト教集会の様子を知ることができている。バルセロナに在住される皆さんも、独立の機運の中にいるが、頑ななスペイン国の中で、案じつつ過ごされているのである。今後の歩みをお祈りしている。



2012年9月に訪れたとき、カタルーニャの人々の独立を叫ぶ集会。
テレビのニュースより。



カタルーニャの旗をなびかせて独立を叫ぶ。



サグラダ・ファミリア教会も独立を訴えている。



バルセロナ在住の娘羊子が男の子を出産。
もう七ヶ月になっている。