鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<402>

隠退牧師の徒然記(2016年3月1日〜)<402>
2016年3月10日「季節の移ろいを示されながら」



聖書の言葉
そこで主人は園丁に言った。「もう三年もの間、このいちじくの木に実を探しに来ているのに、見つけたためしがない。だから切り倒せ」。園丁は答えた。「御主人様、今年もこのままにしておいてください。木の周りを掘って、肥しをやってみます。そうすれば、来年は実がなるかもしれません。もしそれでもだめなら、切り倒してください」。
ルカによる福音書13章6-9節)



3月6日は三浦半島にある三崎教会のお招きをいただき、講壇に立ち、説教を担当させていただいた。三崎教会には隔月くらいの間隔でお招きをいただいている。2012年8月からであるから、もう3年半にもなる。三崎教会は2012年3月まで、2年間在任された牧師が退任され、長きに渡って三崎教会を牧会された生野隆彦牧師が代務者となって歩まれている。それで数人の牧師が講壇に招かれるようになったのである。2012年6月に清水ヶ丘教会で神奈川教区総会が開催されたとき、もはや隠退していたが出席する。議事中であったが、受付付近にいて何かと閲覧していた。その時、生野牧師が総会に出席され、その場で立ち話をするうちにも、三崎教会を応援することになったのである。その年の9月から二ヶ月間はバルセロナに滞在したし、2013年の3月から三ヶ月間はマレーシア・クアラルンプールの牧師を務めたし、2014年10月から二ヶ月半はバルセロナに滞在したので、不在の時が多くなったのであるが、それでもお招きをいただいているのである。まだ余力があると思っているので、お招きを喜んでいる次第である。
3月6日に三崎教会を訪れたとき、桜が満開であり、こんなに早く咲く桜を驚きつつ喜んだのであった。既に2月21日にはお花見の集いを開いたということである。教会と駐車場の間に数本の桜の木が存在している。大寒桜とかの種類であるとか。三崎は温暖の地であり、桜の開花が早いのだそうだ。夏にはこの桜の木の下で緑陰おたのしみ会が開かれる。カレーライスや他の食べ物が用意されて、桜の木の下で楽しいひと時が開催されるのである。樹木の移ろいは季節を示され、生活の喜びを与えてくれる。樹木と言えば、大塚平安教会在任の時代、ドレーパー記念幼稚園の庭には大きな欅の樹が存在していた。5月になれば若葉の季節であり、夏になれば深緑の季節となり、幅広く広げた木陰が何とも平安を与えてくれていた。そして秋ともなると落葉の季節となり、教職員が毎朝のように落ち葉拾いで大変になる。しかし、積みあがった落葉の中で遊ぶ子ども達、落葉で焼き芋をしたり、必ずしも落ち葉被害とは言えないのである。知人が庭の草花のために落葉を持っていかれることもある。また、園長室の前には夏みかんの木があり、たくさんの実を付けるようになり、それも季節の移ろいとして楽しんでいたのである。更に連れ合いのスミさんが、至るところに草花のプランターを置いてあり、道路の端にも置いてあるので、道行く人たちが立ち止まっては鑑賞している。樹木と言い、草花と言い、季節の移ろいを示しては喜びを与えてくれるのである。
我が家の庭では、間もなく源平桃が開花する。今は膨らんでいる状態であるが、3月末ともなると、きれいな源平桃の花が咲く。昔、父が健在の頃、今は住宅が建ち並んでいるが、その山の中腹は父が畑を作っていた。その一角に、かなり太い源平桃の木があった。毎年、3月の末にもなる満開の源平桃を楽しんでいたのである。父はその木から苗を造り、皆さんに株分けしたようである。だからこの付近の家には源平桃が咲く家が多い。父は鈴木家の寺にも寄贈している。その源平桃もかなり大きくなって、寺の庭を飾っているのである。墓参りに行くと、和尚さんが父から寄贈されたことを話されるのであった。父は4月9日に亡くなる。丁度源平桃の満開の頃であり、出棺の折には源平桃の花を棺に乗せたのであった。山の中腹の畑にあった源平桃であるが、家の庭にも数本を植えていた。それが今の源平桃である。
鈴木家の源平桃の謂れを示されながら、スペイン・バルセロナ在住の娘の羊子が、日本の曲をCDに収めるにあたり、「源平桃」と題して作曲したものを入れている。そのCDは車にもセットしているので、エンジンをかければ羊子のピアノ、日本の曲が聞こえてくるのである。だから、いつも「源平桃」の演奏を聴いているし、いよいよ源平桃の季節を喜んでいるのである。庭の一角には、その他、柚子やミカンの木が植えられている。毎年柚子はかなりの実を付けるが、ミカンはいまだに実がならない。毎年楽しみにしているのであるが。春になれば、連れ合いのスミさんが「ハヤトウリ」や「ゴーヤ」を育て、夏から秋にかけて収穫を楽しんでいる。季節の移ろいはいろいろな楽しみがあり、日々の喜びとなっているのである。



三崎教会に咲く桜。3月6日撮影。



三崎教会の緑陰おたのしみ会。7月に開催される。



鈴木家に咲く源平桃の花。3月下旬に咲く。



大塚平安教会在任時代、連れ合いのスミさんが育てていた草花。
イースターの頃、お祝いの卵も。