鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<380>

隠退牧師の徒然記(2015年2月11日〜)<380>
2015年10月13日「いくつかの原点 2」


聖書の言葉
それからすぐ、イエスは弟子たちを強いて舟に乗せ、向うの岸へ先に行かせ、その間に群衆を解散させられた。群衆を解散させてから、祈るためにひとり山にお登りになった。夕方になっても、ただひとりそこにおられた。
(マタイによる福音書14章22-23節)


いくつかの原点と言っているが、 この10月に関わることだからである。一つは、私の洗礼記念日が10月6日であることだ。高校3年生の時であった。小学生時代、3年生の途中から、近くにある関東学院日曜学校に通い始める。その経緯については何かと記しているので割愛する。そして、中学生になると二人の姉たちが出席していた清水ヶ丘教会に出席するようになる。中学生であるが高校生会の交わりに入れていただき、教会生活が深まって行くのである。そして、高校生になるとぶどうの会と言う高校生会の中心になって活動するようになる。昔はKKS(教会高校青年)と言い、全国的な連絡会もあった。年に一度、全国大会が開催されていた、高校2年生の時、そのKKS全国大会が山中湖で開催され、神奈川教区を代表して参加したのであった。そのようにかなり活動が盛んであったが、まだ洗礼を受けていなかった。だから、高校3年生になって洗礼を受けることを皆に公表すると、一様に驚くのであった。今までの活動ぶりで、もうとっくに洗礼を受けていると思われていたからである。
洗礼についても、今までも繰り返し記しているので割愛したいのであるが、それが原点であるのなら、少しばかり報告しておこう。清水ヶ丘教会の青年会が葉山で修養会を開催する。高校生であったが参加したのである。葉山の開催は海水浴を楽しむことである。その海水浴の時、私も水泳を楽しんでおり、ふと気がつくと、倉持芳雄牧師と並んで泳いでいるのである。浜辺からそんなに離れてもいなかった。間もなく浜辺に着こうとしていた時、並んで泳いでいる倉持牧師に、洗礼を受けたいと泳ぎながら告白したのであった。喜んでその告白を受け止めてくれたのであるが、その不思議な告白は、何度も紹介されることになる。倉持芳雄牧師は、私の洗礼式の礼拝説教で、泳ぎながらの洗礼志願を長々とお話しする。その後、神学生になり、礼拝説教をさせていただいたが、説教前には泳ぎながらの洗礼志願が紹介される。そして、その後、連れ合いのスミさんとの婚約式の時にも、結婚式の時にも、泳ぎながらの洗礼志願を紹介するのであった。こうして10月6日は、私の記念すべき日であるが、むしろ倉持芳雄牧師が特別な日に設定してくれたような気がしているのである。多くの場合、洗礼式はクリスマスやイースター、そしてペンテコステ礼拝で受ける人が多いのであるが、10月最初の日曜日は世界聖餐日であり、10月を迎える毎に私の信仰の人生の原点を示されているのである。
私が伝道者、牧師になって行くのは1969年4月からである。東京の青山教会を始めとし、宮城の陸前古川教会、登米教会、神奈川の大塚平安教会、横浜本牧教会等の牧師を務める。そして、いよいよ年齢も71歳になっており、現役を退いたのは2010年10月であった。いきなり隠退しなかったのは、10月からは横須賀上町教会の礼拝説教を月一回の割合で行うようになったからである。そして72歳になっている2011年6月には隠退教師の登録をしたのであった。この10月は現役を退任したという記念なのである。42年間の現役生活であった。50年、60年と現役を続ける人もいるが、退くことも必要なのである。現役時代は果たせなかった外国生活、娘の羊子がスペイン・バルセロナでピアノの演奏活動をしているので、滞在すること2ヶ月、3ヶ月である。もう三度も滞在している。バルセロナに滞在しながらも、2011年にはパリを訪れ、ルーブルオランジュリー、オルセーの三大美術館を見学している。2012年にはイタリアのローマ、ヴァチカンを訪れている。そして2014年にはイタリアのフレンツェを訪れたのであった。こうして現役時代にはできなかった外国生活をするようになり、2013年にはマレーシア・クアラルンプール日本語キリスト者集会のボランティア牧師として、三ヶ月間滞在したのであった。日本基督教団の推薦であり、マレーシアに住む日本人キリスト者の皆さんと共に過ごしたことも現役を退いたが故の務めであった。こうして振り返ると、2011年、12年、13年、14年と毎年外国生活をしていることになる。それでは2015年はどうなのかといえば、2015年1月7日までバルセロナにいたのであるから、それで外国生活をしたことにしておこう。むしろ、2015年11月には娘の羊子が結婚した彼と共に三週間の予定で一時帰国するのである。あちらこちらのコンサートに臨むので、外国生活と同じように気を回さなければならない。現役から離れたと言いながら、毎月第二日曜日には横須賀上町教会の礼拝説教、聖餐式を担当している。隔月に一回であるが、三崎教会の礼拝説教を担当させていただいている。その他は六浦谷間の集会として夫婦二人で礼拝をささげているのである。10月の第一日曜日の世界聖餐日は六浦谷間の集会も聖餐式を執行する。夫婦二人で聖餐のお恵みをいただく。10月は現役を退きながらも、まだ現役の関わりを持たせているという記念でもあるのだ。



清水ヶ丘教会の世界聖餐日の案内と洗礼式のお知らせ。



昔の清水ヶ丘教会。この礼拝堂で洗礼を受ける。



六浦谷間の集会も聖餐式を執行している。



六浦谷間の集会にて、夫婦で礼拝をささげている。