鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<327>

隠退牧師の徒然記(2015年2月11日〜)<327>
2015年4月17日「しるしを現しながら」


聖書の言葉
わたしパウロが、自分の手で挨拶を記します。これはどの手紙にも記す印です。わたしはこのように書きます。わたしたちの主イエス・キリストの恵みが、あなたがた一同と共にあるように。
(テサロニケの信徒への手紙<二>3章17-18節)


 六浦谷間の集会のイースター礼拝に出席された方からお手紙をいただく。当日は、六浦谷間の集会として初めてイースターエッグを皆さんにプレゼントした。そのエッグにつけたカードを本のしおりにしていると言われる。その様に用いてくださることを感謝している。2010年3月に大塚平安教会を退任し、続く4月からは横浜本牧教会の留守番牧師に就任した。その最初の礼拝がイースターであった。だから、イースターエッグのことは考えの中になかった。そして、翌年の2011年4月からは連れ合いのスミさん、二番目の娘、星子と共にバルセロナに赴く。娘の羊子がピアノの演奏活動をしているからである。バルセロナで家族礼拝をささげたが、イースターを迎えてもイースターエッグについては思い及ばなかった。その後、2012年のイースターは初めて六浦谷間の集会としてのイースター礼拝であったが、もはやイースターエッグを用意することは失念してしまっている。2013年のイースターはマレーシアに滞在していた。そして2014年のイースターを迎える。4月20日イースター礼拝であった。18日にバルセロナに滞在している羊子が一時帰国する。そして、19日は姉・朝子の一周忌の法事があり、その日の夕刻には、バルセロナで創作活動をされている大原立司さんの京橋での個展が開催されるので、そのオープニングに赴いたのである。その様にいろいろな関わりがあったので、イースターをあまり考えなかったのである。以上は、今までイースターエッグを作らなかった言い訳である。今年は何もなく、そのためイースターエッグの作成へと思いが導かれたのである。
 卵の用意はできるし、それを包むセロファンやモール等は100円ショップで求めることができた。問題は卵につけるカードである。卵は20個くらいを用意するつもりでいた。だからカードも豆カードをキリスト教書店に注文するつもりでいた。しかし、20枚くらいでは申し訳ないと思うようになり、それなら自分で作ることにしたのである。L版の写真用紙があるので、そのL版で2枚できる。イースター用のデザインがパソコンに入っていたので、それを利用しながら作成したのであった。大塚平安教会在任時代は、連れ合いのスミさんが200個くらいの卵を茹でていた。今回は20個であるが、久しぶりにイースターエッグ作りを楽しんだのであった。イースターエッグは美味しくいただくのであるが、カードはいつまでも残ることになる。知人が本のしおりにされていることをうれしく思うのであった。
 イースターとしてのしるしのカードであるが、何かと「しるし」なるものは必要なのである。75歳にもなると、車には高齢者マークをつけなければならない。当初は気が向かなかったが、マークを付けるようになって、今では安心して運転するようになった。そろそろ車の運転をやめようと思うのであるが、まあ、もう少し乗ることにしている。「しるし」で思い出すのはバルセロナに滞在しているときである。2011年に滞在したとき、二回も悪者に引っかかってしまう。一度は、一人で市内を散策していると、道を尋ねる人がいる。道を尋ねられても分らないので、首を振る。しばらく歩くと刑事だと言いつつ手帳なるものを示しながら、「コカイン」なんて言っている。するといつの間にか道を尋ねた男が側に来て、自分の財布を刑事に示しているのである。そのうち、刑事は「カード」と言うようになる。そういうものは持っていないので、ないことを示すと去って行ったのである。羊子が言うにはそれが詐欺だというのである。刑事は偽者、道を尋ねた男は仲間ということなのである。何も被害がなかった。しかしその後、星子と市内を歩いている時にスリに会う。我々が歩いていると、男女が何か言いながら近づいてくる。背中に何かついているからと、テッシュではたいてくれたりしている。確かに星子の背中に青いものがついている。二人の男女は私の背中にもついていると言い、はたいてくれたりしていた。やがて二人が去って行くので、「グラシアス」なんて礼まで述べた。少し歩いて、さて今日はどのくらい歩いたのかな、と思いつつ万歩計がついている携帯電話をポケットから出そうとした。ないのである。思わずズボンの後ろポケットに手を入れる。20ユーロ札3枚を入れておいたのであるが、無いのである。すられてしまったのである。星子はカバンを前にしていたので、被害はなかった。羊子が口を酸っぱくして注意していたことが的中してしまったのである。私の様な風貌は一番狙われるカモであるとか。それで、その後は外を歩くときは買い物用のキャリーバッグを引いて歩くようにする。これを引いていれば地元の人間と思われるからである。その後、2012年、2014年も滞在したが、キャリーバッグを引いて歩かなくても、悪者は近づいてこなかった。もはやそういう顔になっていたのであろう。キャリーバッグは地元の人の「しるし」であるが、その「しるし」がなくても、いつの間にか、この顔が「しるし」になっていたようである。



自作のイースター豆カード。
本の「しおり」になるとか。



75歳になって、高齢者マークをつけて運転するようになる。



バルセロナ滞在中、羊子とスミさんが買い物をしているが、
そのキャリーバッグを引いて歩くようになる。
2011年のこと。



2014年10月21日からバルセロナに滞在するようになるが、
もはや地元の顔になっていたりして。
スーパーで買い物。