隠退牧師の徒然記＜３２０＞
隠退牧師の徒然記（2015年2月11日〜）＜３２０＞
2015年3月31日「今から思えばありがたく」
聖書の言葉
こうしてわたしは、自分が走ったことが無駄でなく、労苦したことも無駄ではなかったと、キリストの日に誇ることができるでしょう。
（フィリピの信徒への手紙2章16節）
毎年のことであるが、3月末ともなると、前任の大塚平安教会を退任したときのことが思い出される。今年は退任後5年となる。30年6ヶ月の間、大塚平安教会の牧師を務め、やはり退任ともなればさみしさを味あうのであるが、しかし今から思うとこの退任は正解であった。退任の一年前に、教会の皆さんに発表したとき、「本当に辞めるのか」と念を押した方もおられる。「まだ、お勤めは十分できる力をお持ちなのに」と言ってくださる方がおられた。そして、退任後も、お会いするたびに「お辞めになるのは早すぎたのではないですか」とも言われるのであった。70歳になったら退任するということは、ずっと決めていたことであり、予定通り退任できたことを感謝しているのである。知人の牧師は私と同年齢であるが、まだ現役として牧師を務めている。その牧師は、今年になって新会堂を建設し、献堂式をささげたのであった。ご苦労様と言いたい。その様な偉大な歩みを示されながらも、70歳で退任したことを感謝しているのである。大塚平安教会を退任しても、その後半年間は横浜本牧教会の留守番牧師を担う。71歳になっていた。そして72歳を迎えた一ヶ月後に隠退届を提出した。今は隠退牧師として日々の歩みが導かれているが、隠退牧師としての祝福の歩みをブログで報告しているのである。
隠退するや、むしろ現役を退任しているので、だからこそ職務が与えられる。毎週第二日曜日は横須賀上町教会の礼拝説教を担当し、聖餐式を担当している。この御用は2010年10月から始まっているのである。9月で同教会の牧師が退任し横浜本牧教会の牧師に就任する。そのため横須賀上町教会は牧師が不在になるのであるが、湯河原教会の牧師が代務者として歩むようになる。同牧師は本務の教会があるので、毎週説教はできない。そこで隠退牧師や担任牧師が応援するようになり、私は第一日曜日の礼拝説教に赴くことになるのである。横須賀上町教会は2012年4月から牧者を迎えることになったが、まだ伝道師であり、日本基督教団の規則において聖礼典（洗礼式、聖餐式）の執行はできないのである。それで、その4月からは第二日曜日に御用をすることになり、今日に至っている。後一年は続きそうである。礼拝説教を担当するのは、もう一つの教会がある。三崎教会である。2012年7月から担当するようになったが、毎月ではなく隔月の場合が多い。しかし、時には三ヶ月続けて月に一回であるが担当することもあった。今でも要請されていることを感謝している。
その他、時にはいくつかの教会のお招きをいただき、講壇に立たせていただいているが、基本的には六浦谷間の集会として、自宅にて連れ合いのスミさんと共に礼拝をささげているのである。しかし、時には我が家の子供たちや知人が出席してくださる。今年になって、2月1日、3月29日の礼拝に知人が出席くださっている。共に食事をいただき、私達のスペインやマレーシア滞在の写真を見ながらお話しが弾んだのであった。次の日曜日はイースター礼拝であり、我が家の家族の他に知人が4名出席されることになっており、楽しみにしているのである。
この様な礼拝への導きを与えられているが、お訪ねくださる皆さんもおられる。2010年4月から現在の住居の生活をしているが、この5年間、結構多くの皆さんがお訪ねくださっている。最初にお訪ねくださったのは大塚平安教会の谷村ご夫妻であった。転居して間もなくのことである。連れ合いのスミさんが園芸の趣味があり、大塚平安教会時代もプランターにいろいろと植え込んでいたのである。それらの草花をプランターごと運んでくださったのである。その後、いろいろな方々がお訪ねくださっているが、昨日の30日も昔親しくお交わりがあった皆さんがお訪ねくださった。
これらの礼拝奉仕や六浦の自宅における交わりと共に、隠退後は外国で過ごすこと4回も与えられている。2011年4月から、2012年9月から、2014年10月から、スペイン・バルセロナにいる羊子の家で滞在したのである。2013年3月からはマレーシア・クアラルンプール日本語キリスト者集会のボランティア牧師として赴いている。スペイン滞在中にパリ、イタリアのローマ、ヴァチカン、フィレンツェを訪ねる。現役であったら、こんなに祝福の体験はできなかったと思うと、隠退生活を喜び感謝しているのである。
2010年3月28日、大塚平安教会最後の礼拝後の記念写真。
万感の思いをこめて、大塚平安教会を後にする。
30年6ヶ月務めた大塚平安教会とドレーパー記念幼稚園。
六浦の自宅。今は桃の花が満開である。六浦谷間の集会が導かれ、
お訪ねくださる皆さんを喜んでいる。
