鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<319>

隠退牧師の徒然記(2015年2月11日〜)<319>
2015年3月28日「共なる歩みに祝福が…」


聖書の言葉
アブラムは、ハランを出発したとき75歳であった。アブラムは妻のサライ、甥のロトを連れ、蓄えた財産を全て携え、ハランで加わった人々と共にカナン地方に向かって出発し、カナン地方に入った。
(創世記12章4-5節)


 NHKテレビの朝ドラ「マッサン」が28日の土曜日に完となった。昨年の9月29日から始まったが、当初は余り興味を示していなかったのであるが、一週間も見るうちに、これは「まんざら関係のない話でもない」ことを示されるのであった。その「まんざら関係のない話でもない」事情を2014年10月14日のブログに記している。そのブログを参照すればよいのであるが、まんざらでもない関係を少し紹介しておく。
「まんざら関係のない話ではない」と言っているが、もうずいぶんと昔に遡らなければならない。「マッサン」はニッカ・ウィスキーの創業者、竹鶴政孝さんの物語であるが、彼の妻になるリタさん、ドラマではエリーさんの日本における苦難の物語であり、夫婦愛が展開されるのである。物語のエリーさんが実在したリタさんであることを知ったとき、これは「まんざら関係のない話ではない」ことを知るのである。私が神学校に入学するのは23歳の時である。翌年のこと、余市教会に夏期伝道に行くことになる。夏期伝道とは、神学生が夏休みを利用して教会の奉仕、実習をすることである。その余市教会の付属幼稚園が「リタ幼稚園」であった。余市教会がニッカ・ウィスキーの創業者とどのようにかかわるのか。そのリタさんの葬儀の司式を吉岡一牧師が担当したからである。1960年に吉岡一牧師が余市教会に就任する。リタさんはその翌年1961年に召天されたのである。竹鶴さんは葬儀の謝礼として教会に寄付をしたのであった。教会は1950年に付属幼稚園を設立している。教会、幼稚園は木造で戦争や台風で老朽化し、傷んでいたので、その寄付金を加えつつ教会と幼稚園を新しく造りなおしたと言われる。それで余市教会は新しく造りなおした幼稚園を、リタさんのお名前を記念として、「リタ幼稚園」と改名したのである。 私が神学校に入学したのは1963年4月である。そして、その翌年の1964年に余市教会の夏期伝道に行ったのであるから、余市教会もリタ幼稚園も真新しい建物であったのである。それこそリタさんの匂いが残されている時でもある。そのとき、リタ幼稚園の由来については聞いていた。だから「まんざら関係のない話でもない…」朝の連続テレビに興味をもってみることになる。
 楽しみに「マッサン」を見ていたが、2014年10月21日から2015年1月8日まで、スペインのバルセロナで滞在することになった。何とも残念な思いで赴いたのであるが、この現代において残念はない。ネットで再放送を見ることができたのである。連れ合いのスミさんは、この再放送をいつも見ていたのであった。私も飛び飛びに見ていたが、その頃は、まだ余市物語ではなく、今年になって余市が舞台になり、懐かしい思いで視聴していたのであった。「マッサン」はウィスキー作りの物語と共に、マッサンとエリーさんの夫婦愛の物語でもある。むしろ後者の意味合いが色濃かったと思う。夫婦の愛情と共に、ともするとウィスキー作りが挫折してしまいそうなマッサンをエリーさんが一生懸命励ますのである。この夫婦愛を描いていたと思うのである。
 人生を夫婦励ましあいながら生きること、基本的な生き方である。かく言う私達夫婦も今年の3月21日には結婚46周年を迎えた。毎年3月21日はドレーパー記念幼稚園の同窓会であり、結婚記念日どころではなくなるのであるが、それでも子供たちがお祝いしてくれたことを喜んでいる。1969年に結婚と同時に青山教会に就任し、4年後には宮城県の陸前古川教会に就任する。6年半の牧会であったが、最後の1年間は登米教会の兼任牧師も担う。そして、その後は大塚平安教会に就任、そして退任後は横浜本牧教会の留守番牧師として半年間務める。42年間の牧師生活であり、本当に多くの皆さんとの出会いが与えられ、皆さんを思い出して語るには、語り尽くせないほどの宝物となっている。2010年10月から、どこの教会にも属さなくなり、11月から夫婦二人で六浦谷間の集会として礼拝をささげるようになった。この頃は二人とも71歳になっていた。子供たちと共に歩んできた二人であるが、その子供たちはそれぞれ皆さんに喜ばれる活動をして歩んでいることを喜んでいるのである。時々であるが、六浦谷間の集会に出席される方があり、あるいは私達夫婦を訪ねてくださる方があり、祝福の日々であることを感謝しているのである。これまで牧者の務めを支えたてくれた連れ合いのスミさんには心から感謝している。ありがとう、と…。



スペインのブルゴスの街で羊子のリサイタルが開かれ、
共に訪れた記念として。2011年4月。



スペイン滞在中、羊子がローマを案内してくれる。
2012年10月。



マレーシア・クアラルンプール日本語キリスト者集会の
ボランティア牧師として滞在したとき。
2013年4月。



まもなく解体される大塚平安教会で記念撮影。
2014年4月。



マドリッド日本語で聖書を読む会の礼拝奉仕をして。
2015年1月。



六浦谷間の集会として二人で礼拝をささげている。
2015年2月。