鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<62>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<62>
2015年1月6日「最後の一日は祝福の…」


 明日の7日には帰国であるというのに、今日はまだ予定が入っている。バルセロナ日本語で聖書を読む会の集会が開かれるのである。この集会は月に一度開催されている。10月は21日にバルセロナに来たので、10月の集会は開かれた後であった。それで11月の集会で説教を担当させていただく。12月はミュンヘンで宣教をされている安藤廣之牧師が担当された。私は風邪気味で出席できなかったが、スミさんと羊子が出席している。もうこれでバルセロナ日本語で聖書を読む会のお交わりはないと思っていたが、12月末になって、急遽、我々が帰国する前に集会を開くことになったのである。今度はいつ来られるかわからないので、喜んで奉仕させていただくことにしたのである。集会は下山由紀子さんのお宅で開かれた。本当は羊子の家で開きたいのであるが、メンバーの中に猫アレルギーの方がおられ、羊子の家には猫が二匹もいるので開催できないのである。だから下山さんのお宅での開催が多くなるのであるが、集会を開いても猫アレルギーの方が出席しない場合もある。出席されるというので下山さんのお宅で開催するのに、出席できないのであれば羊子の家で開催したのに、と思っている訳である。
 1月6日は丁度顕現祭の日である。それで聖書はマタイによる福音書2章1節から12節を示され、占星術の学者たちについて示されたのであった。聖書によれば東の国で不思議な星を見つけ、星に導かれてお生まれになった救い主を拝みに来るのである。ところが学者たちは都エルサレムに行ってしまうのである。その時も星の導きがあったはずである。その導きの星を見失うのは、彼らは救い主なので都のエルサレムにお生まれになったと思うのである。そして、「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか」と言いながら都を歩き回るのである。これを聞いた人々は不安になる。現実に王様がいるのに、また新しく王様が出現したということ、穏やかなことではない。穏やかでないのはヘロデ王である。それで学者たちを呼び、さらに王様に仕える者たちに救い主出現について調べさせるのである。その結果、聖書によれば、救い主はベツレヘムでお生まれになることを突き止めるのである。それで学者たちは、改めてベツレヘムを目指すと、再び導きの星が現れたというのである。ここに示しがあるということをお話しする。学者たちは星に導かれるままにベツレヘムを目指すべきであったのである。ところが都エルサレムという大きな誘惑に陥るのである。そこには人間的な思いがある。救い主であるから都に生まれているという思いである。星の方角は貧しい地域でもあっからである。彼らが星を見失ってしまうのは人間的な思いが先走ったということである。しかし、迷ったことは、救い主出現を人々に知らせる結果にもなったのである。この事から、導きの星を見失わないように、自分の思いは捨て去り、導きに委ねることを示されたのであった。
 礼拝後は例によっておいしい食事をいただく。新年でもあり、羊子は巻きずしを提供し、お吸い物、酢のもの、サトイモ煮、黒豆、焼きそば等をいただく。ワインと共に日本酒までいただいたのであった。この集会にはケルン・ボンで宣教している齋藤篤牧師も出席された。前日に下山さんのお宅に一泊し、集会が終わってからドイツの帰られるという。ヨーロッパは日本の国内旅行をするようなもので、ドイツには2時間もあれば行かれるのである。齋藤牧師はケルン・ボンに赴任する前は東海教区の中にある教会の牧師であった。その頃、私は日本基督教団の総会書記であったので、教区総会が開かれるようになると、教団三役が分担して各教区を問安するのである。その関わりで東海教区の教区総会に出席し、齋藤牧師ともお会いしているのである。齋藤牧師は私の出身の神学校の後輩でもあり、親しくさせていただいているのである。10月のバルセロナ日本語で聖書を読む会の礼拝には説教を担当しているが、私達はその後に来たので集会には出席できなかったのである。本来はそこで齋藤牧師とお会いするのであるが、お互いにお会いできなかったことを残念に思っていたのである。私達がいよいよ帰国することもあり、集会にわざわざ出席してくださったのである。ドイツから来られたのである。心から感謝する。
 バルセロナ日本語で聖書を読む会が終わり、さっそく帰国の荷物整理である。今回は羊子の家に冬物の衣服があるというので、あまり持参していない。しかし、お土産もあり、結構な荷物になりそうである。スミさんはまた来るかもしれないというので、こちらで買い求めた手芸関係の物は置いて行くという。だからそんなに荷物は含まらないので、荷づくりも簡単に済んだようである。
 そして最後の晩餐をいただく。羊子が最後の晩餐の用意をしてくれて、バルセロナ滞在二ヶ月半について語り合いながらいただいたのである。そして、昨日いただいた仕掛けのあるケーキが出される、何と今日はスミさんのケーキからレージェスが出てくる。スミさんにも王冠をかぶせられ、これでめでたくバルセロナ生活の最後の晩餐の幕となる。



バルセロナ日本語で聖書を読む会の礼拝で説教を担当。



集会に出席された皆さん。



ドイツのケルン・ボンで伝道されている齋藤篤牧師と共に。



スミさんもケーキからレージェスが出てきて
王冠をかぶせられる。めでたし、めでたし。