鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<59>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<59>
2015年1月3-4日「サラゴサにて」



 マドリッド日本語で聖書を読む会で皆さんと共に礼拝をささげ、その後は皆さんの手作りのおいしい食事をお腹いっぱいいただく。そして、皆さんの見送りをいただきながら、マドリッドを午後2時30分頃出発する。2011年にマドリッドを訪れたときは二泊もしているので、市内見学をしたし、プラド美術館、ソフィア王妃芸術センターを見学している。ソフィアではあのゲルニカを鑑賞したのだった。今回は見学の時間はない。祥永さんとフェルナンドさんとお会いし、マドリット日本語で聖書を読む会の礼拝を共にするだけで、もうマドリッドを後にしたのである。7時間もかけて訪れたのに、そのまま帰るのは後ろ髪を引かれる様であったが、既に見学をしているし、ここはお会いできたこと、礼拝のお勤めができたことで満足しなければならないのである。
 マドリッドを出て一路サラゴサであるが、一時間くらい車を走らせた街で、寄り道をする。イグナシさんのお友達の家に寄ることになったのである。このお友達のお連れ合いは彫刻家であり、イグナシさんと羊子たちのために見事なカップを一揃い贈ってくださっている。ご夫妻にはダニエル君という可愛い少年がおられた。幼稚園年長くらいの年齢である。羊子が折り紙をお土産にあげたので、さっそく私達が鶴を折ってあげたのであった。ダニエル君は両親から羊子のことを聞いているので、「僕は日本人のピアノを上手に弾く人を知っている」と言って友達に自慢しているとか。お友達の家には1時間30分くらいお邪魔し、午後5時頃、サラゴサに向かったのである。
 サラゴサには午後7時30分頃につく。ホテルはカテドラルのすぐ側である。フィレンツェでもカテドラルの側であり、教会の鐘の音にはよくよく付いていると思う。このホテルは四つ星ホテルで設備が整っている。一休みしてから、午後9時頃に夕食に出かける。土曜日でもあり、通りは大層にぎわっている。適当な店を捜すため、羊子たちは我々を通りに待たせて通りの中に消えていく。あまりにも遅いので、ぶつぶつ不平を言い出したら羊子たちが戻ってきた。とても良い店があるというのである。待ちくたびれたと不平を言いながらついて行くと、「桜」という日本料理店であった。しかもバイキング方式で、食べたいものの食べ放題と言うわけ。お寿司、てんぷら、焼き鳥、日本の料理が並べられている。これには先ほどの不平も飛んでしまい、好きな物をいっぱい食べたのであった。
 お腹いっぱいになって、その日は安らかに眠る。そして翌日の4日の午前中にサラゴサの街を見物することになった。なんといってもサラゴサはピラール教会の存在である。その大きさには驚く。そしてサラゴサゴヤの出身地である。ゴヤは宮廷画家として知られるが、その作品として「カルロス4世の家族」、「マドリード」、「巨人」等がよく知られている。その銅像を見ながら進むとピラール教会がある。今日は日曜日であり、これからミサが始まるところであった。中に入ったが、残念ながら撮影禁止であり、目を見張るような教会内部を記録に残せなかった。聖壇には10人くらいの神父さんたちが並んで座っており、礼拝堂の後ろで少年聖歌隊が聖歌を歌っている。その聖歌が絶えることなく歌われ続けているのである。いつ終わるともしれない聖歌を聞きながらミサを後にしたのであった。
 このサラゴサはローマ時代の遺跡があることでも知られているという。その遺跡を外から見学したが、2000年も良く保存されていたと思う。遺跡の記念館にも入ったが、遺跡の上を厚いガラスの床とし、その上を下を見ながら歩くのである。ガラスが割れないかと心配でもある。見学するとすればカテドラルである。しかし、フィレンツェでも次々に教会を見学し、その礼拝堂内の模様は概ね同じようであり、羊子がカテドラル見学を勧めてくれたが、私もスミさんも同じ答えで、入ることはしなかった。
 バルセロナではクリスマスグッツを売るための露天商が出て、24日には片付けられていた。しかしここでは、まだ露天商が出ている。1月6日まで続けられるのであろう。面白かったのは宝くじの売り屋さんである。それはそれは小さい車に乗って売り歩いているのである。走り回っているので、宝くじを買おうとしても買えないのではないかと思う。しかし、その様な車が多数走り回っているので、どれかの車で買えるのであろう。サラゴサはきれいな街である。我々が歩いている時にも、清掃車が散水しながら通りを掃除しているのである。ピラール教会の前であるだけに清掃に努めているのであろう。
 ホテルに戻り、チェックアウトする。車を遠くに停めてあるので、ホテルのロビーで大分待つことになったが、車に荷物を積み、サラゴサを出発したのは12時30分頃であった。



サラゴサに向かう途中、お友達の家に寄る。
ダニエル君とお母さんと共に。



サラゴサにある日本料理店「桜」にて。
バイキングなんで…。



ピラール教会を背景に写したのであるが。
小さくて、暗くてわからない。



ゴヤとお会いした記念に写したが、これも暗くて。