鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<56>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<56>
2015年1月1日「新年礼拝はカトリック教会のミサで」



 迎えた朝は2015年1月1日である。もっとも就寝したのは1月1日の午前2時頃であるので、もはや新しい年を迎えているのであり、ことさら何かを言うつもりはない。今日はサグラダ・ファミリアの新年のミサが午前9時から行われる。羊子はこのミサのために奏楽を依頼されており、8時50分には出かけて行く。就寝したのは午前2時過ぎであり、8時には起床したのである。羊子と共に連れ合いのスミさんもミサに出かけたが、私は行かないことらにした。もうこれで最後であり、挨拶がてら行く必要があったのであるが、12時からのパロキアのミサには行くことにしていることもあり、取りやめたのである。それでも午前9時には起床し、身づくろいをしておく。11時30分を過ぎたらパロキアの教会に行くことになっている。みんなが帰るまでパソコンを開いて、いろいろな整理仕事をしておく。10時30分頃になってサグラダ・ファミリアのミサから帰ってきたので朝食とする。我々夫婦はご飯と味噌汁、たくあんと胡瓜のピクルス等でいただく。食事をしながらミサの様子を聞く。ミサが終わると、そのミサには各国の人々が出席しているのであるが、それぞれの国の新年の挨拶を神父さんが聴いていたという。日本の新年の挨拶は外尾悦郎さんが出席していたので、外尾さんが日本の「あけましておめでとう」をお話しされたそうである。10月26日にこちらのミサに出席したとき、ミサが終わると、この神父さんは出席者がどこの国なのか訪ねていた。いろいろな国の皆さんがこのミサに出席するようである。
 12月25日は金曜日であるが、クリスマスであり特別にミサが行われた。この1月1日という新しい年の始まりに、カトリック教会ではどちらの教会も新年ミサを行うのである。新年元旦礼拝ということでは、大塚平安教会時代を思い出す。大塚平安教会は神奈川教区湘北地区に属するが、湘北地区は新年元旦礼拝を地区内教会合同で行っていた。比較的小規模な教会の群れなので、新年礼拝は大勢でささげたい思いもあるが、一つの教会が10人にも満たないところもあり、わざわざ元旦礼拝はささげないのである。その地区の新年合同礼拝は余り出席しなかった。一年の計は元旦にありと言うわけで、お宮さんに初詣に出かける気分と同じようで、気が進まなかったのである。その1月1日に犬の散歩をしていると教会に関わるご夫婦と出会う。これから地区の新年合同礼拝に出かけるのだと言う。その夫人は教会員であり、いろいろなご奉仕をされながら教会生活をされている。それに対して彼の方はクリスチャンであるが、今は全く教会には出席していない。それが新年礼拝には夫婦で出席するのであるから、信仰があるのである。しかし、普段は礼拝には出席してないで、新年合同礼拝に出席する姿を見て、なんか初詣みたいだなあ、と思ったものである。新年合同礼拝に出席しないで犬の散歩なんかしている牧師もいるのであるが。
 日本にいるときは新年元旦礼拝には出席していないのに、ここスペインにおいて新年のミサに出席しているのだから、変わった牧師もいるものだ。12時からパロキアのミサが始まるので羊子夫妻、我々夫婦は車で向かった。パロキアは不思議な水道局の側にある。このバロキアのミサは、クリスマスには多くの皆さんが出席するが、普段のミサは余り出席者がない。それでも新年のミサには30名くらいが出席していたようである。こちらのミサは視聴覚を用いる。パソコンから映像を写し、それらを見せながらお話しがあり、ミサが進められていく。映像の中に記されている言葉をみんなで読んだりしていた。カトリック教会は必ず聖餐式が行われる。聖餐式に与る前に、互いに平安を祈りあう。握手したり、ハグしたりして互いの存在を祈りあうのである。日本の教会もこの様な主にある交わりはしてもらいたいものである。もはやこれでお別れであり、ミサが終わってから、その思いをこめて挨拶したのである。次の日曜日の4日は、羊子は両親と共に旅行中であり、ミサの奏楽はできないことを皆さんに述べたので、皆さんは一様に「良い旅を」と言ってくださるのであった。
 帰宅したのは午後2時頃であった。間もなく昼食である。昨日はマルケスさんが美味しいパエリアを御馳走してくれたが、それはレストランから取り寄せたものだった。お鍋三つを注文したが、そのうち二つの鍋で8人は十分であった。それで一つの鍋を私達にくださったのである。だからこのお昼もパエリアとなる。いままでのバルセロナ生活でパエリアをしみじみと食べていないので、最後になるこの時、おいしいシーフードパエリアをしみじみといただいたのであった。ホアキンさんに心から感謝を申し上げる。最近、身体を損ねて入院したばかりであり、気を使っていただきありがたく感謝するとともに、ご健康が支えられるようにお祈りしたのであった。2015年1月1日はカトリック教会のミサに出席したこと、おいしいパエリアをいただいて歩みだしたこと、祝福の一年となるだろう。



サグラダ・ファミリアのミサ後に。
左がルイス・ボネ神父さん、右が外尾悦郎さん。



パロキアの新年ミサ後に。
スミさんの右二人がパロキアの神父さんたち。



新年の礼拝をカトリック教会のミサでささげた記念に。
メールの賀状にはこの写真を添付。



パロキアの教会。
毎週日曜日のミサで羊子が奏楽奉仕をしている。