鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<22>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<22>
2014年11月15日「サンタコロマのリサイタル」



 14日はサンタコロマで羊子のピアノリサイタルが開かれた。サンタコロマには人間の散歩、犬の散歩に出かけているので馴染みになっている。そのサンタコロマにはキリスト教関係のカルチャーセンターがある。2011年に連れ合いのスミさんと二番目の娘、星子と三人でバルセロナを訪れたとき、カルチャーセンターを担っているホセ・ルイス神父さんが食事の招待をしてくれたので、羊子と共にスミさんと星子が招かれたのである。その時、私はウィルス性の風邪を引いてしまい寝ていたので失礼する。それから2012年9月からスミさんと二人でバルセロナに滞在したとき、羊子が紹介したフランス人のアランさんのピアノリサイタルがあり、その時は私もサンタコロマに行ったのである。今までも何かとサンタコロマにかかわるのは、実は羊子の彼、イグナシさんがサンタコロマに以前は住んでいたのである。その為か、土地の利を得ているので、何かとサンタコロマに案内してくれているのである。
 羊子のピアノリサイタルはサンタコロマ市が主催してくれており、サンタコロマ市のコンサートホールで開かれた。開会の時間が午後9時であると言う。こちらの時間感覚がまだ把握できないのであるが、多くの場合午後7時頃から開会であることは理解できる。日本でもそのくらいの開会時間がある。しかし、日本でも午後7時であると遅い方である。午後5時とか6時開会が多い。こちらでは午後7時開会は早い方なのである。午後9時の開会はむしろ普通と言わなければならない。夕食が午後10時頃を思えば、まさに普通の時間なのである。リサイタルには親しくさせていただいている84歳のマルケスさんも行かれると言うので、午後7時頃になって迎えに出かける。羊子は既に電車で出掛けている。我々とイグナシさんがマルケスさんを迎えに行き、そしてサンタコロマに向かったのであった。午後8時20分頃には会場に着く。8時頃には着いたのであるが、なるべく会館の近くに駐車したいので、適当な駐車場があり、そこからは歩いて行ったのである。
会場には私達も知っている人がおられた。まずインマさんである。2012年に訪れたとき、このインマさんがスミさんに裁縫セットをくださっている。携帯用の小さなものではなく、かなり装丁も良いセットであった。それから、この日の受付をしてくれるカルミナさんである。カルミナさんは羊子の結婚式の証人、四人の一人でもある。インマさんもカルミナさんも2011年以来存じ上げている。サンタコロマのカルチャーセンターに関わっている皆さんで、羊子もこれらの皆さんを食事にお招きしているのである。会場の席にマルケスさんと共に座っているが、会場にはまだ誰も来ていない。入場制限があって、時間にならないと入れないのだろう。その通り8時50分になって人々が入場してきた。そして午後9時になるが演奏が始まらない。こちら時間のようである。日本でも昔は時間通りに運ばなかったようであるが、最近はかなり時間厳守になっている。こちらでは、先日の結婚式でも花嫁さんは遅く現れるのが普通となっており、コンサートの開会時間も遅いこともある。結局、9時10分になって演奏が始められる。羊子は、第一部は日本の曲を集めて演奏する。着物姿での演奏であり、かなりやりにくいということであった。日本の曲でも最後は羊子自身の作曲である「源平桃」をもって終える。休憩時間は日本の場合は少なくとも20分はあるが、こちらは10分程度である。第二部はスペインの重い曲であった。かなり難しい曲であるが、羊子は弾くことができるのである。終わったのが10時30分頃であるが、鳴りやまぬ拍手でアンコールに応えなければならない。結局二曲アンコールに応えたのであるが、まだ拍手が鳴りやまないのである。主催者側が会場の照明をつけてくれたのが合図となり、皆さんは席を立ったのである。そして、例によって受付では羊子のCDが販売されており、羊子がサインするのであった。CDを買わなくてもプログラムにサインを求める人も結構おられたのである。
もはや12時近くになっていた。このまま帰るのではなく、ホセ・ルイス神父さんのお宅に招かれ、そこで軽食をいただくことにした。我々はホセ・ルイス神父さんと共に車で行ったが、五人乗りでもあるので、羊子は歩いて神父さんの家に向かう。途中、いくつかの食べ物を仕入れてくる。そして、ワインをいただきながら食事をしたのである。食事を勧めるうちにもマルケスさんが一言述べたいと起立する。羊子との出会い、今では羊子をとても喜んでいることをお話しされたのであった。だから、私も起立してお話しをする。羊子がスペインに渡り、一人で生活しているが、多くの良き人々との出会いが与えられ、安心しつつ喜んでいることをお話ししたのである。そしたらホセ・ルイス神父さんも起立して、羊子との出会い、羊子の働きを喜んでいることをお話しされたのであった。このようなお交わりをいただき、家に帰ったのは翌日、すなわち今日の午前2時頃であった。これが普通の生活とか。



いろいろなリサイタル開催のポスター。羊子のリサイタルも。



第一部は日本の曲を着物姿で演奏。



羊子のCDにサインをしてあげる。



ホセ・ルイス神父さんの家で遅い食事をいただく。
手前がホアキンさん、羊子の隣がホセ・ルイス神父さん。