鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記 <82>

 

隠退牧師の徒然記(2011年6月1日〜)<82>
2012年4月10日 「与えられた恵みによって」 


聖書の言葉
わたしたちは、与えられた恵みによって、それぞれ異なった賜物を持っていますから、預言の賜物を受けていれば、信仰に応じて預言し、奉仕の賜物を受けていれば、奉仕に専念しなさい。また、教える人は教えに、勧めをする人は勧めに精を出しなさい。施しをする人は惜しまず施し、指導する人は熱心に指導し、慈善を行う人は快く行いなさい。
(ローマの信徒への手紙12章6-8節)


 
 早いもので、一時帰国していた娘の羊子が4月9日にはスペイン・バルセロナに戻って行った。3月27日から二週間の短い帰国であり、またたく間に過ぎてしまった。今回は休養の意味で帰国したのであり、どこかのピアノのコンサートを開くという予定はなく、一年半ぶりの帰国となる。前回は私が2010年3月に大塚平安教会を退任し、その後4月から9月までの半年間、横浜本牧教会の代務者を担うことになったが、その8月に同教会のサマーコンサートでピアノの演奏をしている。二週間、休養のために帰国したものの、帰れば帰るで、知人や友達に会うことで、結構忙しい日程にもなっていた。とはいえ、やはりのんびりとくつろぐ日が与えられている。予定が入ってなければ、寛ぎながらピアノを弾いている。4月1日の日曜日も、8日の日曜日も前日から星子や百合子たちも来て、久しぶりに家族揃って過ごしたのである。また、羊子の奏楽で六浦谷間の集会の礼拝を共にささげたのである。家族そろって礼拝をささげることのできるお恵みを神様に感謝したのであった。羊子は六浦谷間の集会の礼拝は初めて出席することになる。
 家族そろって墓参に行き、プレミアつきの釜めしを食べたことについては、このブログでも記している。4月1日の六浦谷間の集会の礼拝に、知人の皆さんも出席されたので10名にもなったが、羊子のスペイン料理を楽しく食べたのであった。そして、家族そろった時にも、連れ合いのスミさんが腕をふるい、テーブルに置き切れないほどの料理が並べられ、みんなで楽しくいただいたのであった。やはり共に食事をすることの喜びは思い出深く残るというものである。昨年は4月5月の45日間、私とスミさんと星子が羊子のいるバルセロナを訪れたのであるが、観光で訪れた場所も忘れられないが、それぞれの場で食事をしたこと、毎日の食生活、お招きを受けての食事等、何よりも忘れられない思い出となっている。星子はその都度写真に納めていたので、スペイン滞在写真集には、思い出の食事が記録されているのである。
 4月9日、いよいよ出発の日は一同朝5時には起床する。既に旅支度は終えているので、成田飛行場に向かったのは6時40分頃であった。出かける前に、玄関にてお祈りを捧げる。それは家族がこのように会したこと、それぞれの働きを祈り、羊子の旅の無事をお祈りしたのである。星子は仕事の関係で飛行場まで見送りに出かけられないので、六浦駅まで一緒に車で行き、そこで羊子と別れのハグをしたのである。朝比奈インターから横横道路湾岸線首都高速等で成田に向かう。成田飛行場の手前に「酒々井」というパーキングエリアがあり、そこで朝食をとることにした。連れ合いのスミさんがおにぎりやご馳走を用意してくれたので、まだ時間もあり、ゆっくりといただいたのである。ここは無料休憩所であり、色々な食べ物屋さんがあり、注文することができる。しかし、注文しなくてもお弁当を食べることができるのである。外国旅行慣れしている人は、自分でお弁当を作って来て、ここで食べている人を結構見かけるのである。飛行場内はレストラン等食べ物屋さんが多くあるが、自分でお弁当を開いて食べる適当なところがない。だから、ここでお弁当を持参して食べている人は旅慣れた人たちのようである。

 フライトは11時15分である。搭乗ゲートを通過すると、ここは二階であり、一階へと降りて行くのであるが、階段とはガラス越しに見える。見えなくなるまで手を振りながら見送ったのであった。私たちもフライトの無事を祈りつつ帰途に着く。成田までは百合子が運転したが、昨夜は遅かったので眠いと言い、従って帰りの運転は私がしたのである。六浦の家には午前11時30分頃には着いた。そして、百合子も仕事があるので、自分の車で帰って行った。



ガラス越しに手を振り、「元気でね」と言い合う


いよいよ搭乗口へ向かう。見えなくなる前



 この二週間、羊子と共に過ごし、そして星子や百合子も都合がつけば来ていたし、昔の家族が甦っていた。羊子を送り、星子も百合子も帰ったとき、再び連れ合いのスミさんとの生活に戻ったのである。「嵐のような二週間」と思わず口走ってしまったが、喜びの嵐でもある。また、たった二人だけの生活を、神様のお恵みとして生活してゆくのである。神様のお恵みとしての賜物を、子ども達がそれぞれいただき、皆さんに喜んでいただく歩みをしていること、まさに喜びであり、感謝である。羊子はスペインの皆さんからピアノ演奏を喜ばれ、星子は介護福祉の職務に携わっているが、高齢者の皆さんから喜ばれている。そして、百合子はカイロプラクターとして、整体により皆さんから喜ばれているのである。神様からいただいた賜物を発揮しながら歩んでいることを喜びたい。
 10日の朝、パソコンを開くと羊子からのメールが入っていた。「今さっき無事にバルセロナに着きました。大変お世話になりました。ありがとう。皆と楽しいひと時を過ごせて良かったです。取り急ぎ。羊子」。先ほどというのは、日本時間では10日午前3時頃である。スペインは7時間遅れなので、スペインの9日午後8時頃ということになる。9時過ぎに日が暮れるので、夕刻には家に着いたことになる。その時間は日本の深夜であるので、電話はしないと言っていた。その代わりメールを送ってくれたのである。何はともあれ、無事にバルセロナに着いたことを喜び、感謝している。再びピアノの演奏活動が始まるが、祝福を祈っている。